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2018年11月4日日曜日

上手く言葉で伝えられない時だからこそ・・・の手作りカード

きょうは、いつもとは違ってちょっと個人的でちょっとヘビーなお話し。オーストラリアでのパラティブケア(末期病棟)とお葬式事情です。

ここ1ヶ月ほど、日常生活のリズムがいつもと違う日々が続いていました。というのも、主人の父が9月の終わりから体調を崩し入院してしまったのです。91歳の高齢だったので、手術をすることができず、残念ながら10月19日金曜日に他界してしまいました。

その前の週にいきなり病状が悪化し、翌月曜日にはパラティブケアの病棟に移され、その時点ですでに主治医から「あと2,3日です。」と本人を含めて告知を受けました。パラティブケアというのは末期の状態にある患者さんを看取るための病棟。そこで働く看護師さん達は本当に天使のような方ばかりでした。お見舞いに来る家族の気持ちをさりげなく気遣うやさしさにあふれ、また患者さん達がより安らかな最期を迎えらるように、手を尽くしてくれるのです。日本でも今では本人に「余命告知」をするのが当たり前なのかしら?オーストラリアでは必ず本人に病状や治療方法を説明し、本人納得の上で行われます。だから義父も自分の命があと数日だという事を認識していたので、義母にや義妹、主人に私にまでとても優しいお別れの言葉を沢山かけてくれましたよ。そんな時でもユーモアあふる義父は、パラティブケアに移った直後、眠りから覚めていきなり「あれ?わしはもう死んじゃっているのかな?」と義母に言って、家族が大笑い。

身近な家族が亡くなるという経験は今回が初めてなので日本での事情は全く分からないのですが、オーストラリアでは、亡くなった当日はパラティブケアの病室に安置しておいてくれます。家族が最期のお別れができるように、という配慮。主人の甥(20代後半)が仕事を終えてから車で2時間かけて大好きなおじいちゃんへのお別れをしに駆けつけている事を、看護師さんにお伝えしておいたら、夜10時過ぎまでそっとしておいてくださいました。そして甥っ子によるとおじいちゃんの周りにお花が添えてあったそうです。私たちが帰ってからの看護師さんの心遣いです。

その後ご遺体は安置所に移されます。葬儀屋さんを手配すると葬儀屋さんがご遺体を後日引き取ってくださいます。これは日本でも同じなのかな?
で、お葬式なんですが、主人の兄の時も、主人の親戚の時もそうなんですが、お葬式の中身と進行はとても手作りなんです。特に宗教があるわけではない主人の家族は、葬儀屋さんの敷地にあるチャペルでの葬儀を選びました。すでにパラティブケアに移った時から、少しづつ準備をはじめていました。主人の兄が3年前に亡くなったのですが、その際の葬儀屋さんがとてもよかったので義母は同じ場所を希望していました。ただ、葬儀屋さんが依頼した神父さんはちょっと気に入らなかった、という事で、知り合いの息子さんにお願いする事に。彼は本職は神父さんではなくパスタ―といって、特にこれといった宗派に属さないキリスト教の神事の進行係のような方。お式は、葬儀屋さんの都合で亡くなった金曜日の次の次の週の月曜日にお式となりました。つまりつい先日の月曜日だったんです。

その葬儀屋さんも日本だと24時間ホットラインがありそうですが、こちらでも電話番号はありますが週末や通常時間以外は留守電。翌日折り返し電話がかかってきます。実際の式の依頼とかの打ち合わせは月~金の間という通常営業時間内なのです。こちらでは亡くなってからすぐにお葬式、ということにならないんですね。だいたい1週間後ぐらい。

その間、家族が故人を忍ばせる写真とか、思い出の歌とか、御棺を運び入れる時と出棺の時の音楽など決め、Eulogy(お葬式の際に故人の思い出なんかをお話しする事)をお願いする人にコンタクトを取り・・・ととにかくお式のすべての進行を家族で考えます。主人の家族は、義父を筆頭に演劇好きの一家で18年ほど前まで毎年大晦日に、素人ミュージカルショーを地元の方に無料で披露しており(ホリデーハウスの庭に小さな野外舞台があったほど)義父がプロデューサー兼司会進行兼俳優をこなしていました。その他の出演者は家族、親せき一同、義父母の若いころからの友達で同じく素人演劇団の団員の方たち。
勿論主人も、10代のころから若手俳優として活躍(???)ジーザスクライストスーパースターでは、主演をはりましたよ。義父の人生を語るには、その当時のミュージカルの場面や写真、音楽を式の進行に含めないでは語れません。全てをビデオにまとめ式当日流すことになりました。ビデオ作りは私の担当。こんな場面で動画作りの経験が役に立つとは・・・。

式次第のデザインを考え印刷を手配、パスタ―と進行の打ち合わせ、葬儀屋さんとの打ち合わせ、式後の食事の手配など、本当に沢山やることがあって、毎日が物凄く長く感じました。でも義母、義妹、主人そして微力ながら私も含めてみんなの協力で納得できる「送り出し」ができたと思います。出席された多くの方から「これまで参加したお葬式の中で一番よかった。」という声が沢山あったそうです。

主人の実家は今住んでいる所がら車で1時間ぐらいの所。ここ1ヶ月は週のうち何度も往復が続いてたし、お葬式の1週間弱前からはずっと自宅を不在にしていました。

全てを終えて火曜日に帰宅した時、郵便受けに不在配達通知が残っていました。翌日郵便局に行って受け取ると、日本からの速達封筒を渡されました。郵便局はショッピングセンターの中にあるんですが、自宅に帰る前に、中を開けてびっくり。とても素晴らしい心温まる手作りカードが入っていたんです。いわゆる「Sympathyのカード」つまりお悔やみのカードです。

落ち着いた色合いに私の気持ちを慰めてくれる優しい言葉・・・・ぐっと心にしみて、自然に涙があふれてきました。ショッピングセンター内だったけどサングラスをしていて良かった。


これとは別に私宛のメッセージが入っていました。


これまでは「お悔やみカード」を送る方でしたが、受け取り側になって、あらためて「手作りカード」の暖かさを実感しました。優しい言葉も嬉しいけれど、私の事を思いながらデザインを考え作ってくれた過程を思うと・・・本当に嬉しかったです。

慰めの言葉が見つからない、なんて言っていいかわからない、そんな時こそ手作りカードを送ってみませんか?沢山メッセージを書く必要はありません。「相手の方を思ってわざわざ作った」カードそのもので、十分すぎるぐらいに気持ちが伝わると思いますよ。

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