昨年のクリスマスに、ギリシャでの船上生活を始めますって発表しましたよね。
その時、主人がイタリアはジェノアで見つけたヨットの購入を決め、契約書も交わしました。あとは船体検査をして不具合がなければ無事売買契約終了・・・のはずだった。
のですが、なんと1月の第2周目になって突然その話が大きく崩れていったんです。船体検査立ち合いと試運転を兼ねて主人が再びイタリアに行く手はずを整えていた矢先、イタリヤのブローカーから緊急連絡が入り、フライトの予約をするのを待つようにって言われたんです。それが2週間前の金曜日のことでした。
いや~な予感がして国際電話をすると・・・・やはり。売り手の気が変わり、手放すのを辞めたって言うではありませんか!!!!
最終決定ではないにしても一応仮の売買契約に双方がサインをして手付金も支払ったんですよ。所有権はほぼ私たちにあるようなもので、船体検査で異状が見つからない限り予定どおり契約を終結する義務が売りて買い手の双方に発生していた状態だったんです。
この期に及んで!!!と大ショック。でも、仮契約書と言ってもオーストラリアでの売買契約ほど法的効力がないようで、あくまでも私たちが契約を進めたい場合はイタリアで裁判を起こさないといけない状態でした。どうも、売り手は、本当は手放したくなかったらしくほとんど使っていないのに維持費ばかりかかるっていうことで奥さんに「処分しろ」って言われて渋々だったらしいのです。でいざとなったら、やっぱり未練たらたらで・・・・・売るのを辞めてしまったんです。ブローカーも「こんな事めったにないんです。本当に申し訳ございません。」と平謝でした。物凄いショックでしたが、すぐに手付金も全額返金してもらえたので、また振り出しに戻ったんです。
前回主人はギリシャ、イタリヤ、スペイン、クロアチアと周りかなり何隻も下見をしてきました。一応第2候補、第3候補っていうのがあったのですぐにブローカーにコンタクト。第2候補で無事決まりか?って思ったら、いろいろつっこんで具体的に詳細を調べてみたら、下見した時は言わなかった船の使用歴が発覚しました。私たちが一番気にしているのが、キールという船底についている錘みたいな部分を海底にぶつけていないかどうか。
船体の下についているこの突起物がキールなんですが、これがあるからヨットって傾いても転覆しないんですよね。起き上がりこぼしの重りみたいなもんです。逆にこの部分が損傷していたりすると非常に危険なわけです。浅瀬に乗り上げたりして海底にぶつけたことがあるヨットっていうのは、いくら修理をしていてもやはり心配。ほら事故車っていくら修理をしてもなんか、どっかかが変だったりするのと同じだと思います。
地中海のヨットオーナーさんは、かなりお気楽なセーラーが多いらしく「船底ぶつけた率」が非常に高いことが、下見をしてわかったんですよね。で、下見の時は口約束でブローカーも「大丈夫、大丈夫」って言っても船体検査をしたらバレるんです。主人はわざわざオーストラリアから買いに行くのでそう何回も往復できません。だから事前に書面の契約書に、「船底こすったことないよ」って加えて、サインしてくれって言ったら「・・・・」となった船もありました。第2候補&第3候補これでボツ。
どうするのぉ~、私たち自宅も引き払ったしいつまでも主人の実家に居候するってわけにもいかなわよぉ~とパニックになった私に、あくまでも冷静な主人は「俺が一番欲しかったのは一番最初にギリシャで見たマーループなんだ。もう一度マーループのオーナーに連絡する。」というではありませんか。そう、実は「東方の天使」の前に本当の第1候補があったんです。で、そのオーナーは2つのブローカーをかけていたのでちょっとブローカー同士のややこしいことがあったのと、主人が値段交渉をしたんですね。オーストラリアではヨットや家を買うとき、値札通りの値段では買いません。必ず交渉するんです。だから「マーループ」の時も主人はそうしたのですが、どうもヨーロッパではそういうことはしないらしくそっけなく売りてから「ダメ。」の返事。で、次に選んだのが消えた「東方の天使」だったのです。
<マーループ>ギリシャのプリビーザというところにあります。
そこでオーナーに直接コンタクトを取りまだ売る気があるかどうかを確認。広告していた値段その通りでOKです、というと「じゃ売ってあげる」となりました!!そこからがまた大変。オーナーはギリシアではなくオーストリアに住んでいてスペインにホリデー中。ブローカーを通すと手数料がもったいないから直で売買契約したいっていうのです。
でもね、新品のヨットをヨット屋さんから買うのとは違って中古の場合は、いろいろ手続きが面倒なんです。だから間を取りもちその面倒な手続きを代行してくれるのがブローカーなんですが、それを使わないってことは自分たちでやらないといけない、しかも相手もうちも違う国にいながら。
私だったら絶対にへこたれてあきらめるのですが、こうと決めたら絶対にあきらめない主人はこういう時物凄い力を発揮します。オーナーのピーターさんは70歳代の方で新品で買ったのでややこしい部分を理解していなかったんですね。いろいろ手間がかかることを説明した後それでもピーターさんはブローカーを使わずに(使用料がかかりますから。)やりたいといいはり(ちょっとケチなのかも。)自分たちだけで売買契約をすると、最終的に決めて、ではそのやり方をどうするか・・・・ていうのを、本当に毎日主人は電話でコンタクトを取り続けました。
一番の問題は、支払いと同時に所有権の譲渡をする方法。通常はここで第3者がお金と所有権を預かるので、タイミングがずれても双方が損をしないよう守られるわけです。これがないのでピーターさんにしてみれば「お金払ってくれるまで所有権は渡したくない。」私達としては勿論「所有権を変更するまでは支払いたくない」わけです。
で、結局双方が行政書士を雇いそこに書類を預けたり契約時に立ち会ってもらったり・・・・という形で合意できました。
本当に主人はあきらめることなく、ギリシャでの船体検査の手配、旅程作成、オーストリアでの行政書士を調べて手配、と物凄くやっかいなことをコツコツ進めていったんです。改めて主人の行動力に頭が下がりました。
全てをほんの2週間ほどでやり遂げて、昨日主人は再びギリシャに向けて出発しました。これから10日間の予定で、最初に船体検査をギリシアで行い、そこからオーストリアに移動しピーターさんと直接会って最終売買契約を結びます。今度こそ、私たちの理想の船が本当に手に入ることをただただ祈るばかり。皆さまもどうか無事ことが進むようポジティブエネルギーを私達に向けて発信してくださいませ。
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