皆さんこんにちは!Sailing Stamperウェラード里美がお送りする手作りカードとギリシャ船上生活レポの世界にようこそ!
ついに、日曜日5月16日にプレべザのアパートを出てSATOMI号に戻ってくることができました!引っ越し完了です。
5月13日室内の掃除を本格的にスタート。何しろ内装工事現場になっていましたので、戸棚のの中まで埃が物凄く、食器類は全部洗い直しました。先週一週間はほぼ毎日私もSATOMI号に出勤して最後の大仕事、船底のペンキ塗りのお手伝いをしましたよ。
何しろ全長約16メートル、一番太い場所が約4.8メートルあるSATOMI号船底は相当な面積で、古いペンキを落とす作業は本当に重労働でした。オレンジの部分は、特に痛みが激しかった部分にはプライマーを塗っています。
12日(水)から新しいペンキ塗り開始!ローラーでガンガン行きましたよ。上部のシルバー部分の境にはマスキングテープが貼られています。2度塗りするので、この日中にひとまず全部を塗る必要があったので、この日も本当に朝から晩まで必死で作業。途中私は日本のクラフト仲間とZoomで月1回のクラフト会に参加したので1時間半ほどランチを兼ねて休憩しちゃいました。ヨットの中でZoom参加は半年ぶりだった。Zoomはギリシャ時間で午後2時からだったの、それまでの半日、右半分の船底はほぼ私一人で塗りましたよ。主人はブラシで細かい部分を塗っていました。私がZoom参加している間、主人が左半分を塗り終えていて、さらに午前中に私が塗っていた部分の2度塗りもスタートさせていました。
14日(金)午前中にギリシャでの「航海許可申請」手続きを代行してくれている場所に行きました。ランブリーニさんという女性が運営しているセーリング関係の手続きを代行しているオフィスで、英語が話せる彼女はプレべザでは外国人セーラーの間で大人気です。ギリシャ船籍でない船舶がギリシャ海域を航海する場合、クルージング許可証が必要なのです。1カ月で150ユーロかかる許可証ですが、ここに来てSATOMI号はとても複雑な状況に追い込まれているのです。
とってもきれいなブルーでしょ。私にはプリティーピーコックに見える。
通常、EU国意外の外国船籍の場合、乗る人もEU兼の人じゃないの連続で180日間しかギリシャ海域に滞在できません。ビザなしで滞在する場合は連続90日しかギリシャにいられないので、制限があっても問題ないのですが・・・私たちはギリシャでレジデンスビザを取得したので向こう2年間ずっとEU諸国にいられるんですね。で、そういう人たちがギリシャ海域でずっと滞在するためにはEU諸国内でVATという税金を船を購入した際に支払っていないといけないのです。SATOMI号は最初にイタリアで購入された船なのでVATはイタリア(つまりEU国)でちゃんと支払われています。なので、その領収書を提示すれば「長期航行許可」は簡単に降りるのです。
が、ここが大問題!!!この支払証明書がないんです。というのは、1980年代に起こった自然災害で船舶記録を管理していた事務所がなくなってしまい、全ての記録が消滅しちゃっているんです!!ですが、イタリアでは一旦VATを支払っていないと、船舶所有権の移行ができないので、前回のオーナーさんがその前のオーナーさんから移行できたということはVATが払われているからだ、という事で登録記録が消滅してしまってもイタリア国内では「支払い証明」ができているんですね。私たちも、購入の際にVATが支払い済みの船をあえて探していたし、私たちへ所有権が移った時も、支払い済みですということで、手続きができました。さらにイタリア船籍からオーストラリア船籍に移行することも問題なくできたんです。にもかかわらず、ギリシャの税関は、その説明および、イタリアの何代か前のオーナーが法的証言した「この船VAT払ってます。私が証言します。」という書類では不十分だ、支払いレシートを出せ!って言われているんです。それがなかったら、旅行者と同じ180日間しか航行許可が下りないのです。長期に滞在したければ、あらためてVATを支払わないといけません。その金額は最低でも400万円。絶対にそれは避けたい!だって、あえて支払い済みの船を探したから、もともとの船のお値段も未支払いのものより高かったからです。
イタリアのヨットブローカー事務所にすぐに連絡して、権利移行手続きをした弁護士さんに連絡をとってもらい、ギリシャのプレべザ税関に連絡してもらうようにお願いしました。その方は英語が話せないので、ブローカーのオフィスのラモーナさん(本当に購入手続きの際お世話になりました。)が通訳となり、そこから税関の担当者に連絡してもらい・・・と伝言ゲームのようになっているんです。
船舶登記オフィスの記録が消滅している以上、それ以外の方法で証明しないといけません。一応今の所、イタリアの税関から「この船はVATが支払われていますよ。」という証明書をギリシャ税関宛てに発行してもらえば大丈夫、と言われました。17日現在、ブローカーのオーナーの方に直接連絡したら、やってもらえるという返事をもらったので、一安心の状態です。これは私たちが初めての事ではなく、過去にも時々同じ事が発生しているときき、ブローカーさん自体にとっても初めての事ではないのを知り、さらに安堵しております。だって、初めての事だったら面倒でやりたくないですよねぇ。取りえず、当面、180日間の航行許可を発行してもらい、その間にVAT支払い証明を出せば長期許可に変更できるとのこと、この方向で手続きが進んでおります。
船を見つけるまでもコロナの最中で予想外の困難に直面しましたが、買ってからも次々と予想外の困難がこれでもかこれでもか、と押し寄せ来ます。でも都度一つづつ解決してここまでこれました。
前の色よりも濃いブルーで、しかもティールというのかなぁ私の大好きな系統のブルーなのです。
マスキングテープをはがしたら本当にきれいに仕上がっていて感無量だった!
5月15日(土)は朝から雨模様。小ぶりになるまで待っていましたが、一行に止まず、仕方なく濡れてもいいものだけをお昼ちょっと前から運び入れました。SATOMI号に着いたら、大工さんがすでに来ていたらしく、ぴかぴかになった階段とエンジンカバーの扉が戻っていました。
しかも「SAtOMI」号のサインまで作ってくれていた!感じの床は仮のままですが、階段も8回ほど塗装を重ねてカラーをマッチングしてくれたし、ちゃんとステップ部分を保護しておいてくれたので、雨の中濡れた荷物をはこびれても新品の階段は保護されています。床が戻ってくるまでこのままにしておくつもり。16日(日)は朝から晴天。残りの荷物を積み込んだら1回では済ませることができないことがわかりました。この日の12時にいったんレンタカーを返して再度借りなおすことになっていたので、午後からもう一度アパートに戻る必要がありました。そこで、大家さんに「今日引っ越ししていますが、午後もう一度来ます」と連絡したら「お手伝いしますよ。」と日曜日にもかかわらず、仕事用のバンで来てくれたんです!本当に最後の最後まで親切な大家さんでした。
最近、近所の街猫に赤ちゃんが生まれていて、毎日夕方になるとお母さん猫と3匹の子猫が
庭に遊びに来ていたんですよね。
ということで、16日、ついに念願SATOMI号内のクラフト収納スペースが元に戻りました!
キッチンも完璧。前より使いやすくなりましたよ。
アパートのベッドよりもこっちの方が寝心地がいいんです。この後カーテンを戻しました。
現時点で、海上に戻すクレーンの予約が5月20日となっています。それまでに航海許可が下りれば21日から移動開始となる予定。いずれにしても、SATOMI号に戻ってこれたことで、今はもう幸せいっぱいです。
0 件のコメント:
コメントを投稿