2021年8月14日土曜日

動画:午前2時のストームに始まり予想外の大荒れしかも延々16時間やっとたどりついたPort Heli

皆さんこんにちは!Sailing Stamperウェラード里美がお送りする手作りカードとギリシャ船上生活レポの世界にようこそ!


8月12日の早朝暗いうちにSifnos島を出発し13日の夕方6時にペロポネス半島のPort Heliに着きました。久しぶりに物凄く疲労した航海でした!

Sifno島のFarosビーチでは3日もいたので、かなりゆったり。移動続きだった疲れをいやしました。暇すぎて久しぶりにネットフリックスで映画を見たぐらい。懐かしのオードリー・ヘップバーンの「マイ・フェア・レイディ」。もう何十回とみてるけどね。

11日の夕方上陸して丘の上から見たSATOIM号。この翌日、さらに沢山ヨットが入ってきたので、かなり満員御礼状態になったアンカレッジ。

ビーチでくつろぐ猫は、この島に来て初めて見ました!

岸壁の上の修道院見学
写真奥の湾にSATOMI号はいます。ぐるりと陸続きにここまで道が続いているのですが、距離が結構あるので、テンダーで海上から移動。近道なのだ。


室内に船型のロウソク立てがありました!

修道院の外の階段で、触っても起きないぐらい爆睡中の猫

12日は暗いうちから出発(午前3時起床!)なので、家ごはんでディナー。豚の串焼き。ミロス島の肉屋さんで串にさしてあったものを買いました。それと前夜のタコスパーティーの残り。

夜8時ぐらいまでは、何事もなかったのですが・・・夕方になって数隻入港してきたんですね。あまり広くないアンカレッジはかなり満員になっていました。入港してきても十分安全なスペースが確保できないと判断して出て行ったキャタマランがいました。でもその後にさらにサイズがデカいキャタマランが入ってきて・・・・アンカーを下ろす場所が???なところを選んでいて、4回ぐらい場所を変えていました。
一時はすぐ隣に来てましたが、あそこはスウィングすると岩に物凄く近くなっちゃうから誰も行かないのに・・・結局最終的に、私たちの後方に移動して落ち着いたようです。
この夜は夜9時から翌日午前3時ごろまでサンダーストームの予報が出ていたんですね。8時半ごろにそれに気づいて、だから沢山入港してきたのかって納得。でもその分スイングした時に接触する危険も増えます。ちょっと心配のまま8時半ごろ寝ました。

8月12日(木):風が強まった音でうっすり目が覚めた途端、午前2時過ぎ、アンカーウォッチのアラームがけたたましく鳴りました。設定範囲の誤差によって、何でもない場合でも風向き変わった時にアラームが鳴るのはよくあったのですが、今回はちょっと様子が違う感じ。主人がすぐ外に出ていき、エンジンを付けたので決定的になりました!外に出ていくと、後ろにいたモノハルのヨットとすごく近くなっていました。そこでアンカーは打ったままエンジンを付けて位置を移動し、安全な距離を保ち、どうするか検討。スナッバーをつけているので、すぐにアンカーを引き上げることができないため私がヘルムで待機、主人がSATOMI号の船頭に向かいました。まだ夜中だから真っ暗です。周りのヨットも数隻室内明かりがついていたので、警戒中のよう。しばらく動きを観ていたら、アンカーは一旦流れた後再度突き刺さったようで、一定の位置からは離れていませんでした。(タブレット上のモニターは時間が1時間ずれているんで実際は2時30分。)
いつもならチェーンをもう少し長くしたい所だったのですが、周りにきつきつに数隻が碇泊していたので、それができず・・・裏目に出ました。再度効き始めたので、アンカーを打ち直すのはやめました。さらに後方、右サイドにいたキャタマランと後方のモノハルのアンカーも流れたのか、右サイドのキャタマランは私たちが起きる前に別に場所に移動しており、後方のモノハルも動き出し、かなりビーチに近い場所まで移動していきました。遊泳エリアに入り込んでいると思うので、早朝にまた移動するつもりでしょう。夕方場所を何回も代えてウロウロしていたもう1隻の大型キャタマランもアンカーが流れてしまったようで、移動していきました。結局彼らは何回もトライした結果、諦めてようで港の外に出ていきました。

思いがけなく回りに隙間ができたのでチェーンをもう少し出せるスペースもできました。

サンダーストームの事は、前夜になって新しくわかった情報だったので、予報に急変があったのかと思い、さらに風向き、強さをチェック。次の目的地への途中が前の予報よりも風が強くなっていました。で、一時は滞在をもう1日伸ばそうか、アンカーも再度効き始めたし…と思ったのですが、さらにこの先数日の予報を見たら、今度は前の予報よりも長く強風が続き、出発を延ばしたら、次は1週間ぐらいここで待避となる可能性が出てきました。レンタルヨットで近場からくる人達が多いので、常に混みがちのFarosビーチ。長期待避場所としてはあまりいい場所ではありません。そこで、せっかく起きてしまっていたので、予定通り、午前3時に出発することにしました。出口辺りで、さっきの大型キャタマランがエンジンを付けたまま浮いているのを見ました。この辺りは深すぎてアンカーできないので、誰かが交代で起きていることにしたんでしょうね。人数が沢山乗っている時は、こういうことができますけど、夫婦二人だとそうはいきません。

まだ真っ暗。セールは上げずに取り合えず明るくなるまでエンジン走行していくことにしました。島を離れて10分もしなうちに、なんだか物凄く海が荒れているのに気づきました。真っ暗だからどこから波が来るのかわからないんです。風はそれほどないのに、なんでこんなに波が逆立っているのが不思議でした。私は船内に入ってまた寝てもいいよと言われていたんですが、落ち着いて眠れるどころではないぐらい揺れていて・・・デッキに出ていきました。真っ暗だから、突然横から波が押し寄せたかと思うと、今度は反対側にはがしく揺られ、波しぶきも時折かかってくるし、ヒールの角度もきつくなっていて・・・正直結構怖かったんです。でもSATOMI号的には危険、という状態ではないので、じっと我慢んだ!明るくなるまで我慢しようと自分に言い聞かせました。その間にだんだんうとうとしてきたので、午前4時ぐらいだったかなぁ~再び船内に入って仮眠しました。

2時間ぐらい眠ったかな、明るくなってきたので、セールを上げることに。メインセールは前回セカンドリーフにしたままだったので、そのまま、ヘッドセールもほんのちょっとだけ出しました。風向き的にはちゃんとセーリングできる方角になっていましたが、とにかく波の高さととんがり具合は、予報とは大違い。風も15ノット程度のはずが20ノット。それでもセール走行した方が、波が船体に打ち付けてきても変に左右に揺さぶられることもなく、安定感があります。

今回の目的地はペロポネス半島に近いヒドラ島です。かなり距離があるので、13時間はかかるということで、早朝出発となりました。12日のお昼ぐらいが風が強まるピークなので、まだまだ長い道のり。


揺れが激しいので、船内で動き回る事ができませんでした。でもお腹は空いてこず。私が起きてきたので、主人は一旦仮眠。午前8時半ぐらいから1時間ぐらい寝れたようです。

いつもなら食事を作ったり、船内でブログ更新したり…と結構暇つぶしができるのですが、この日はそんな余裕は全くなし。とにかく動き回るのは危険だったので、じっとしておりました。数分ですが、その様子を動画にしてみましたよ。

走行中は無線を聞いているのですが、なんとこの日2件の「メーデーコール」がありました!メーデーというのはディストレスコール、つまり船が沈みかかっていたり、という一大時発生なのです。違う場所で2件も!メーデーがあると、無線機、チャートプロッターがけたたましいアラーム音を出します。これで近くにいる船に全員知らせが入り、もし救助に向かえる船がいればそれに反応するわけです。私たちはその範囲内を超えている場所にいたので、詳細はわかりませんが、コーストガードのオリンピアラジオの周波数は強いので、その音声はきけました。1件はミロス島付近で、8人乗っているっていうことが聞き取れました。
この日は、予報以上の強風になっていたので、天気予報を信じてセーリングに出たらとんでもない目に合う事間違いなし。さらに、エーゲ海の下の方は、私たちが体験していたよりもさらに強風になっているのは、前の予報でもわかっていたので、それ以上だったとしたら・・・・。メーデーコールをした船舶がその後どうなったのかはわかりませんが、無事にであることを祈るばかりでした。レンタルヨットでセーリングホリデーを楽しむ人たちが多い地域。もしそういう人たちだったとしたら、せっかくのホリデーが台無しです。そう思うと本当に胸が痛みました。

この部分、横からの大波が乗り越えてきて水浸しになったになった!

じっと耐えて、午後2時すぎ、やっと目的地のHidra島が見えてきました。あと1時間ぐらいでアンカレッジに着く!あ~やっと休める!

午後3時半、Hidra島のビーチに到着・・・・ですが思っていたよりも狭いアンカレッジにすでに2隻、そのうち1隻はキャタマラン=幅が広い。どうしても今夜安全に過ごすには、十分なチェーンを出してスイングするスペースを確保できなのです。前夜の二の舞はこりごりだったし、前からいたヨットの方が「ここはすごく波に揺さぶられて、隣のキャタマランと接触しそうになったぐらい。」と教えてくれました。私たちはその間に行こうと思っていたのでした。2回アンカーを下ろしたのですが、今一つ納得できず・・・時間を観たら午後4時。まだ時間があるので、同じ島の別のアンカレッジに移動することにしました。が、その場所は最初よりもさらに不安が残る場所でした。両方ともNavilyというアンカレッジ情報サイトでは高評価だったのですが。確かに、とても穏やかな天気で、他のヨットがいない場合はその通りかもしれませんが、強風待避やオンシーズン場合はランチストップ程度にしか利用できそうもないのが現実でした。

午後4時40分。正直、まだ移動するのぉ~というがっかり感で泣けそうになってきましたが、「思い切って、もっと別の場所に行くしかないね。」ということで、主人がチャートプロッターとNavilyのアプリでの口コミを比べて、さらに10マイルぐらい先のペロポネス半島まで行くことにしました。あと2時間の我慢だ!

セールを下ろしていたので、もうこのままエンジン走行でぶっとばします。途中角度が変わり後方からの風になってからは、ヘッドセールだけ大目に出してスピードアップ。7ノットぐらい出るようになったので、2時間かからず付けそうです。

ギリシャ本土に続くペロポネス半島は、反対側にオリンピアとか下の方にカラマタとかがある半島。つまり戻ってきたわけです。近くになるにつれて、緑が生い茂り、海外線に沢山の家が立ち並び、自然と都会が混ざった風景を見て「良かった!」と思てきました。地理的に、海外線がずっとアンカレッジになっていて、どこに泊っても大丈夫そうだったし、どこにでも船が係留されていました。

写真だとわかりずらいですが、あれ、かなりでかいスーパーヨット!70フィートは超えているサイズだと思われます。

リゾートホテルの前のビーチにもヨットが沢山!

チャートプロッターで見た時に「ここは安心できそう!」とすぐわかったPort Heliですが、実際に入っていき、さらに納得。港の入り口から延々奥に続き、最終的に広い港にたどり着きます。ちょっとシドニーハーバーを思いおこさせました。あのマーカーを超えるとPort Heli!



午後6時半すぎ、やっと着きました!

ここなら、安全に数日間過ごせる!我慢してここまでやってきて正解だった!

丸一日まともに食事をしていなかったので、アンカーを下ろしてお役目が済み次第、主人が外でスナッバーを付けたり、セールバッグを締めたり・・・と後処理をしている間に夕食の準備を開始しました。
何回登場したかなぁ~。ヘビーローテーションメニューのチリ・コン・カーン。簡単で美味しいし、主人も私も大好物。

後方のベッドルーム、荷物が棚から落ちてすごいことにに。揺れが本当に激しかったのです。

大きな港には沢山のヨットが係留されていました。かなりの数のヨットがテンダーがなかったので、船内にいないよう。つまり長期的に係留されている様子でした。それだけ安心できる場所ってことですね。

夕食を取り、シャワーを浴びて潮気を落としてぐっすり寝れました!延々、16時間の長い一日だったけど、移動することにして本当に正解だった。天気予報を見たら、前にいた場所はさらに強風となっており、当分移動することができない感じでした。

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