2023年3月10日金曜日

今だに前オーナー時代の不備発見&新エンジン設置経過

皆さんこんにちは!Sailing Stamperウェラード里美がお送りする手作りカードとギリシャ船上生活レポの世界にようこそ!



SATOMI号を購入してから、何か所も前オーナー時代のいい加減な整備具合に悩まされ、その都度主人が修理&アップグレードを繰り返してきました。私達のものになって今年で3年目。もう完璧って思っていたのが、ここに来てまた一つ「なんだこれ?」という不具合発見!そして新エンジン設置の経過報告です。

8日水曜日、パノスさんが新エンジン設置作業の続きをするためやってきました。

プロペラへの接続やらスターンバースに潜り込んで、忙しく作業が進んでいました。予定ではこの日で全ての作業が終了するはずでした。

3時間ぐらい作業にかかっていたでしょうか・・・パノスさんが「キャプテン!」と主人を呼びました。「問題があります。」とのこと。ええ!なんか新エンジンに問題発生?と驚いて耳を澄ました私。でもよく聞いてみると、どうもパノスさんが新しく作ったエンジンマウントが今一つサイズが合っていなかったようで、やり直したいとのことだったのです。今のままでも当面は問題ないけれど、エンジンが動く余裕がなさすぎて数年ぐらいでマウントがダメになってしまうそうです。なので高さを低く作り直してくる、とのこと。これを聞いて主人はとても感激しました。パノスさんを選んだのは、ヤンマーの公認ディーラーだったのとプレヴェザに近いレフカーダの会社だったからというだけで、面識はありませんでした。なので古いエンジンをサービスしてもらう予定だったことから、新エンジに買い替えすることになったり、古いエンジンの下取りの金額交渉など、関わっていく間にちゃんと仕事をする人だなぁとはお感じていたものの、反面ビジネスオーナーとしても容赦ない部分も見えたりして、私達のためを思ってやっているのか、自分の利益の方を優先してお客さんの事は表面上うまくいっていればいいと思っているのか、最後の部分では不明でした。さらに間違って冷蔵庫に続くコードをカットしたままテープで巻きつけただけで私達には連絡してこなかった部分など、従業員の技術力にもちょっと不信感をいだいていたんですよね。

でも、今回のマウントの件で、黙っていればこの場は過ぎていったであろうミスを、正直に報告してやり直してくる、と言ってくれたのでオーナーのパノスさん自身の職人気質がよくわかりました。これなら安心して残りの作業を任せることができるし、冷蔵庫のコードの件は従業員の人がやったことなので、(古いエンジンを外す時は、パノスさん自身は外で指示を出していただけでした。)主人が自分で直せたので、もう言わないことにしました。

マウントが外されて、木のブロックで仮固定。

ということで、ちょっぴり残念でしたが、新エンジン設置完了がまた伸びました。数日後に戻ってくるとのことでしたが、作り直してくれる鋳物職人さんの都合もあるだろから戻ってくるのは来週になるかもしれません。

さて、目先の事さえ解決すれば長期的に問題になるとわかっていても、その時まで放置しておく・・・・という部分が、私達がSATOMI号を購入した時に、沢山あったんですよ。もうイタリアンジョブっていうのかなぁ・・・・。都度主人が修理・改善を重ね、3年目になってもうさすがにこれで大丈夫だろうって思っていたんですけどね、まだありました。

昨年最後のクルージングを終了まじかに、エンジンルームからディーゼルの匂いが強くなってきたのに気が付きました。匂いに敏感な私はすぐに変化に気が付き、主人が確認するとどこからか、燃料が漏れている部分があるようだったんです。そのことがずっと気がかりだったのですが、昨日遂にその理由がわかりました!それは燃料のリターンのパイプ接続不備。

主人の説明によると、エンジンリターンというのは燃料は必要以上にエンジンに運ばれていくのですが、フィルターを通過して正しい量だけエンジンに送られ、余った燃料はタンクの方に戻っていく仕組みになっているそうです。で、エンジンタンクはフロントとバックの2つのタンクがあるんですが、それぞれのタンクにリターンさせる接続が「なんでこんなやり方?」という形になっていたそうなんです。

主人がダイアグラムで説明してくれたのは以下のの通りです。矢印はエンジンから余分な燃料が戻っていく方向。Fはフロントタンク、Bはバックタンクです。正しい接続はそれぞれのタンクにもどるスイッチがあり、どっちのタンクに戻したいか簡単に選べます。

それに対し、これまでの接続方法は下の方の図。*マークがスイッチの位置で、この図だとバックタンクに戻す場合は一番手前のスイッチをオープンするのですが、フロントタンクに戻したい場合はバックとフロントと両方のスイッチをオープンしないといけません。でもそれだとフロントタンクに全部戻らず、バックとフロント両方に分けて戻っていくことになってしまいます。なんと不効率!!!しかもフロントタンクだけに戻したいっていうオプションがない!!!

通常に考えたらフロントタンクに戻したかったらフロントのスイッチだけオープンにしてバックは触りませんよね。だからこれまでフロントだけオープンにしたらバックの部分が詰まっているのでそこで高圧になり、接続していた部分がはじけて燃料がエンジンリームの方に漏れていたわけです。バックタンクの方が大きいので、毎回フロントタンクに戻そうとしていたわけではないので、これまで不具合が「時々発生」していたので3年たっても発見できなかったのです。

電気回路の回線にしても、これまでこういう「なんでこんな接続にしているの?」と首をかしげることが沢山あったSATOMI号。今回のタンクへのリターンににしても設備自体は正しい接続にできるようになっているのに、調整した人が変なことをやっていたのです。前オーナーはイタリア人の方で、おかかえスキッパーがいてセーリングを楽しんでいたような方で整備は全てスキッパーに任せていたようです。そのスキッパーの方(80才越え)にも直接お会いしたことがありますが、あまりよく設備関係は理解できてないようで、おそらく整備会社に全て任せていたようでした。なので購入時設備に関する説明は全くなく、主人は自分でマニュアルを読んだり、船会社のフランチー二(イタリア語だとフランキー二)に直接問い合わせて設計図を取り寄せたりして、質問していました!

そんな所からスタートしたので、今では主人は  SATOMI号のエキスパートです。

接続の不具合を検証するためにポンプにつなげて調べました。今回ポンプ係も私。でも数回ポンプアウトするだけだったので、腕が痛くなるほどではなかった。

全部が全部じゃないと思うんですが、私達が関わったイタリアの整備士さん、セールメーカーともに、今一信用できないという経験をしました。こちらが依頼した仕事はせずに、自分達がやりたい事しかやらないんです。しかも依頼していないことまでやりたがったし。

今回の接続仕事も主人いわく「きっとエスプレッソ飲み飲み、はやく仕事を終わりたいからテキトーにやった{イタリアン・ジョブ}じゃない。」。

この日のディナーは中華飯にしてみました。前夜は親子丼を作ったので二日連続でご飯ものですが、こんな風にご飯に何かかかっているタイプが主人は大好きなので「今日のご飯も美味しいねえ。チャニーズだね。」とパクパク食べてくれました。

2月の晴天続きとは裏腹に9日も朝からずっとどんよりとした曇り空となっています。まるで冬に戻ったかのような冷たい風。週末からちょっとお天気回復してくるみたいなので、船底塗装作業、一挙に進むといいなぁ。


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