2020年11月11日水曜日

ついに!全ての道はギリシャに続いた!! Strait of Messina to Preveza Greece

11月9日午後3時、予定時間を5時間遅れで、ついにギリシャにSATOMI号が到着しました!

11月7日午前6時に出発準備を開始。イタリアでもロックダウンが進んできたので、一刻も早くギリシャ入りせねば、ということで2泊3日連続走行で最短距離でギリシアのプリビーザを目指して出発しました。本当は7日はオンステージ最終日だったので、オンタイムで観たかったんですが、この先数日連続で海が穏やかな日がいつくるか予想できないし、ギリシャが11月8日から海外からヨットで入港する人たちに対して入港後に自己検疫をスタートさせるという情報を得て、時間がたつにつれてさらに規則が厳しくなることを恐れ、ほんの1日ですが出航日を早めました。

ヨーロッパのマリーナはオーストラリアとは違い、縦列ではなくバックで駐車って感じなんですね。私たちはその経験がないので、マリーナ入りする時すっごく緊張しました。出る時もとなりの船にぶつかったりしないように慎重に出ないといけないのでハラハラでしたが、幸い来た時より風がなく船体を変に左右に揺さぶられることがなかったのですんなりスムーズに出ましたよ。


ナビ上で見るとこんな感じ。右側がイタリア本土で、左がシシリー島。丁度の間の海峡のマリーナからイタリア靴底をぐるりとしてイオニア海に出てまっすぐギリシャを目指します。


起床と共に出発したので、港を出て落ち着いたところで朝ご飯。スモークサーモンのオープンサンドで軽くすませました。
こんな風に足の長~い橋て、イタリアには沢山あるんですね。自然の岸壁と一体になっていて素敵でした。

これが航海スケジュール。赤い線の通りにだいたい沿っていきます。チャートプロッタ―に航行予定を入力しておくと、その通りにオートパイロットが進んでいってくれます。このあたり車の無人運転よりも進んでいますね。でもオートパイロットも時々、潮の流れとか波の関係でずれていくので、1時間に一度ぐらいは方向調整をします。船って車と違って真っすぐに進めないんです。まっすぐに向いていても海流とかの関係で、ちょっと斜めに向いていったり、舵をまっすぐよりも左右どちらかに傾かせたままにして、やっとまっすぐに進んだりするんですね。

天気予報は、外海にでたら最高で20ノットの風速、波の高さはゆるやかというものでした。さらに北よりの風ということで、初めてセールを挙げて風の力だけで純粋にセール走行できるかなと期待していたのですが・・・う~ン、天気予報は当たらないのが普通で、この日も風向きはほぼ進行方向から吹いてきたのでセール走行は断念しました。ヨットは進行方向に向かって60度から90度の角度で風が吹いてくるのがベスト走行できるんですね。ヨットの種類にもよりますが、SATOMI号はレース艇ではないので60度以下になるとかなり難しい、というかほぼ無理。

波の大きさは、風の向きと潮の流れのコンビネーションや、水深や、周りに陸地などの障害物があるかどうかによって変わります。私たちが慣れているオーストラリアの海は、周りを太平洋やインド洋といったいわゆる「大海」なので、(つまりかなり広い範囲で陸地などの妨げを受けない。)水深も深いので20ノットぐらいの風だったら、だいたいこれぐらいの波のサイズって予想がつくんですが、地中海はちょっと勝手が違いました。風向きと海流が逆なので、あまり風が強くなくても波が大きくなりやすいみたいなんです。さらに、地中海といっても太平洋みたいにかなりな長い距離陸地が全くない、という状況ではなく、ちょっとしたに行けはすぐアフリカ大陸があったり・・・と「囲まれている」海なんですね。だから陸地とかにあたって跳ね返っている波の影響も受けやすいようなんです。太平洋は違いますよぉ~。だから南米チリとかの地震の津波がオーストラリアの西海岸とかまできちゃわけなんです。波の高さがそれほど高くなくてもシャープな波が間隔が狭くどんどん押よてくると、船はとても不快になるんです。左右に物凄くゆれちゃうんですね。写真で見ると大したことないように見えるんですが、実際はもう波しぶきかぶりまくりでしたよ。


船頭を超えてくる波がこんな風にコックピットのすぐ横まで流れてきました。これはすぐに横に開いている部分から流れ出ていくんですけど、座っている部分にもしぶきがガンガンっかかるので、走行中は防水パンツにジャケットで完全装備です。じゃないと全身ずぶぬれになってしまいます。ここまでの走行の中で、今回が一番波が荒い状況でした。

料理もできない状態だったので、かろうじてお湯を沸かしてカップヌードル焼きそばでランチ。

さて、これから夜にかけてどんどん波は荒くなり、風も強まり・・・一晩中ほとんど眠れないまま夜を過ごしました。キッチンの振り子になっているガス台がこんなになってました振り子状態だからガス台が平行状態なので。


ふらふら揺れて・・・を繰り返しながらなので、まともな料理をするのはちょっと危険な状態。夕食はスナック菓子で空腹を満たした程度でした。

翌朝も、その状態は一向に収まらず、写真を撮るのもやっと。ビデオも所々撮影したのですが、後で観たら観ている人達が絶対に「船酔い」するって思ったので掲載しないことにしました。


11月8日になって、風向きが天気予報に近い、北向きに少し変わってきたのでセールを挙げてみました。それでもセール走行だけではスピード出ない程度。

さて、この後の写真はほとんどありません。状況はどんどん悪化していき、もうまともに立っていられない状態だったし、食事の支度なんてもってのほか。とにかく、本当につらくて忍耐の一日半でした。これまでも夜間走行は沢山経験していますが、その中で多分一番つらかった。

翌11月9日、予定時間の午前10時から大幅に遅れ、午後3時、ギリシャのプリビーザにある「クレオパトラマリーナ」に着きました。

ギリシャに近づくにつれて穏やかになっていった海。マリーナに入っていく海路を示す赤と緑のマーカーを見た時安堵感で泣けてきました。



私たちの船籍はオーストラリアなので、ギリシャから見ると外国船です。訪問先の国に敬意いを示すためにその国の国旗を掲げる規則になっています。
そして船の後方には船籍を示す国旗。オースストラリアの国旗は実際は青地に赤なのですが、海洋国旗はこんな風に色が逆なんです。別に通常のものを掲げてもいいんですが、オーストラリア船籍のヨットはこっちの赤い方を掲げるのが正しいのです。昔はオーストリアの商船だけが赤い国旗を揚げたんですが、今は船籍がオーストラリアならで誰でも掲げることができるんですよ。ちなみにオーストラリア海軍は白地の国旗です。こんな風に違う色の国旗で地位を示すのはイギリス方式なので、他のものとイギリス植民地だった国はみんな地色の違う国旗を持っているのです。

クレオパトラマリーナは単なるマリーナではなく、船修理専門とオフシーズンの間の保管用に使われているマリーナ。ここでSATOMO号は最後の仕上げを専門の技術者にこの先数カ月をかけてやってもらうことになります。そのため、航海に出ることはしばらくありません。来年春がやってくる頃には、私たちが希望している全ての装備を備えた何十倍にのグレードアップした「SATOMI号」に大変身していることでしょう!

ということで、ギリシャへの道は、取り合えず終了したのですが、この後はしばらくプリビーザの町のアパートに移ることになります。まだまだ一昨日ついたばかりで、昨日一日はぐったりしてたので手つかずの状態ですが、これから少しづつ修理やアップグレードの手配を始めていき、来週半ばぐらいには引っ越しになるのかな?って感じです。やっとこれで落ち着いた日常生活が戻ってきます。11月のオンライクラスもすでに作成済みなのですが、これから動画の編集や作り方シートの作成が残っているので、もう少しお待ちいただけますか?待っていただく価値十分あり、10月に引き続き「飾れる立体カード」をお届けしますよ!

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11月1日~11月30日まで有効


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