2022年5月31日火曜日

ますますアンカーに信頼アップ―オープンアンカレッジで25ノット

皆さんこんにちは!Sailing Stamperウェラード里美がお送りする手作りカードとギリシャ船上生活レポの世界にようこそ!





5月29日の早朝に同じ港内で、ど真ん中に移動したって書きましたよね。というのは、この日から風が徐々に南向きになり午後の数時間だけ20ノット越えになる予報だったからです。しかもこの港、南側はオープンシーつまり全く風波と共に守られていません。

5月29日(日):早朝から起きたので、主人は二度寝。10時すぎに起きてきて「朝ごはんはパンケーキを食べる。」と言い出しました。というのは、カフェのメニューにパンケーキがあったから。ちなみに朝来るはずだったフェリーは来ず、午後1時ぐらいにやっと来てました。ま、いずれにしても午後からの強風にそなえて、港のど真ん中に移動できたのは大正解でしたけど。

本当に可愛らしい小さな港。島全体が小さいので、町並みらしいものはこの周辺と丘を一つ越えたところにもう1か所あるだけです。きっと島の人みんなお互い知り合いじゃないかしら。

ヨッティーの間で評判がいいジョージさんのタバーン。お散歩途中に朝のごあいさつ。この時午後からの強風の事を聞いたのです。というのは、天気予報がポセイドンという予報アプリとプリディクト・ウィンドというアプリとではかなり違っているんですね。昨日まではポセイドンの方が正しくて、今日は今の所プリディクト・ウィンドの方が正しい感じ。ジョージさんはどの天気予報を見ているのかなって思ったのです。お話を聞いてみると、ウィンディ―という予報を見ているらしいのですが、これはあまり当たらないので私たちは無視しております。ちょっと英語も完璧に通じるわけではないので誤解もあると思いますが、ジョージさんは「午後数時間だけ波とかすごくなるから、あっちの小さい入り江に避難した方がいいかも。」っていうんですね。地元の人がいうと「そうなんだ。」って思いますよね。でもどの予報もそれほどひどい感じではなく、数時間だけ25ノット越えになることもあるようだし、波も最高70㎝ぐらいのがやってくるみたいですが、一晩中じゃないしねぇ・・・それらは全てここに来る前にわかっていたのですが、過去の経験から大丈夫だろうと思ってやってきたのです。


今朝この船に若い女性と小さいお子さんをのっけたおじさんが、SATOMI号の辺りまで漕いでやってきました。港内を海上散歩していたみたい。でもその後が大変ですねぇ。うんこらしょっと数人の男性が力を合わせて小舟を陸に上げています。

このまま駐車場まで運んでいくみたい。そういえばこの方達、28日にジョージさんのタバーンですぐ後ろのテーブルで会食していた男性グループのよう。家族かな?小舟を漕いでいたおじさん(おじいさんと言った方が言い年齢かも。)は指揮をとっているだけで手は出していなかった。一族の長のお父さんかな。そして息子たちに力仕事をやらしているのかしら。乗せていたのはお嫁さんとお孫さんだったのかも・・・・なんて想像しながらみてました。

パンケーキはメニューにあっても、主人が好きな組み合わせがなかったとのことで、ハムとトマトチーズトーストをオーダーした主人。私はすでに数日前のディナーの残り、チリコンカーンを食べたのですが、すでに時間はお昼になっており、ヨーグルトとフルーツサラダをいただきました。

カフェから港を眺めていると、あ、泳いでいる男性がいます!

アンカーの場所や水深を教えてくれたポートポリス兼ハーバーマスター兼コーストガードの男性だ!小さな島では一人何役も兼ねているようです。すごいな~こうやって毎日港内をぐるりと泳いで鍛えているんですね。

さて、午後1時近くになって風が強くなってきたのを感じました。風力発電機が作動し始めたのです。15ノット以上にならないとプロペラが回らないので、風力発電機が動きだすことで風の強さを把握できます。最初のうちは、風があるだけでまだ波は上がっていなかったので、私は船内でカードメーキングを楽しんでおりました。でも時間がたつにつれて、だんだん揺れるようになり・・・・午後2時、船内にいる方が不快かもって言う感じになりました。


主人はこうやってずっと外で待機。アンカーウォッチのアプリをかなり厳密に設定していたので、ちょっとスイングすると警報が鳴るようにしてモニターしていました。

一番風が強くなるのは午後3時ぐらいで、まだまだこれから激しくなっていくのですがその風が起こした波が湾内にやってくるのは、その数時間後。

はい、南は完全にオープンになっております。だから湾内がある程度荒れるのは承知でした。完全南以外は全ての方角から守られているので、北風から南にスイングする時の碇泊地として、ここを選んだんですね。数時間耐えればあとは夜とかは平和に過ごせると思ったのです。でも前日いたほかの2隻は早朝に出ていったので、ここで南風をやり過ごすのはまずいと判断したのかもしれません。

午後4時になると風は平均15ノットぐらいで突風時20ノットぐらいになり、風自体の一番強い時間帯は過ぎたようです。主人いわく「さっきは突風時で25ノット超えていたから。」。でも波がその分でかくなってきたのがわかりました。最初は20㎝ぐらいかなぁって思っていたのが、だんだん、あ、50㎝はあるねとわかるサイズがやってくるようになりました。

岸にも激しく波がうちつけるように。船体が波に向かっている時は上下揺れなので、あまり気にならないのですが、風が真南から南東になると船体が波に対して斜めになってしまい、その時50㎝ぐらいの波がやってくると、傾いて横方向に揺れるのです。それはあまり快適じゃないですが、それでも危険という感じはしませんでした。ちょっとサーフィンしている感じだった。

写真だとあまり大した感じに見えませんが、実際は50㎝以上高さがある波でした。コーストガードの船はワーフに繋がれているのですが、かわいそうなぐらい大揺れだった。前日「アンカーしなくてもこのワーフに繋いでいいですよ。」って言われたんですが、主人は「それは絶対嫌だった。こんな波でコンクリートの岸にガンガン打ち付けられるのは絶対嫌だ。」って、コーストガードの船を見ていて、私も、アンカリングしていてよかった、と思いました。

夕方5時過ぎ、ちょっとお腹が空いてきたので、チリコンカーンの残りを主人が温めて、さらにご飯も炊いてもってきてくれました。この時波が結構大きかったのでキッチン行く気がなかった私です。ですが、ずっと外にいた主人は「だいぶ収まってきたほうだよ。」とのこと。さらに、一番安心しているのは「アンカー凄いよ。一歩も動いてないよ。最初の場所に刺さったまま、びくともしていないから。すごく自信がついた。」と嬉しそうでした。

ずっとGSPでもモニターしていたので、軌跡がわかります。きれいにアンカーを中心に弧を描いて移動しているのがわかりますよね。アンカー自体が微動だにしていない証拠です。

水深6メートル弱の場所に30メートルのチェーンを出しているので、深さに対して5倍以上。つまりチェーンが理想的な角度になる長さ。スナッバーを付けて負担を軽減しています。
写真だと風力発電機のプロペラは止まっているように見えますが、実際はぐんぐん回っております。今年アップグレードした、風力発電のレギュレータースイッチをオフにして風力発電した電力を余すことなく充電しました。ずっとGPSなどの計器を付けていたので。

午後7時半すぎになって、ようやく風が10ノットぐらいになり、波も小さくなってきたのがわかりまいた。縦揺れだけになってきたので、私は船内に戻り、うとうとし始めました。
午後8時すぎ、ようやく主人も「これなら寝れるなぁ」っていうぐらい波が船体に打ち付ける音も小さくなってきて、もうGPSでのアンカーモニターが不要になったので、アプリのアンカーウォッチだけにし、主人も船内に戻ってきました。

主人は「アンカーが全然動かなったし、SATOMI号もそれほどひどく揺れなかったね。こういう状況だったらこうなるんだっていうことが分かってよかった。」だそうです。確かに、昨年はママミアの島のアンカレッジでこれの数倍酷い体験をしたし、しかもその時は夜になってから状況が悪化したので、一晩中不安な気持ちで過ごしました。今回は明るいうちだったのでいやだったら、すぐに出航することもできたので、そういう意味では危険はありませんでした。でもあとで「いい体験だったけど、これから予めわかってたらあえて同じ選択はしないね。」と話しあったのでした。

予定どおり5月30日にAgathonisi島を出て次の島に向かいました。



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