皆さんこんにちは!Sailing Stamperウェラード里美がお送りする手作りカードとギリシャ船上生活レポの世界にようこそ!
8月19日の午後1時半ギリシャレスボス島のミティリニ港にて、ギリシャ入国致しました。そこまでの道のりと約2ヶ月のトルコクルージングを終えて感じた事をまとめてみましたよ。
8月19日:出国手続きが全て終了し、午前9時40分ごろAyvalikのカスタムワーフを離れました。
外に出てから、取り合えずジェノアだけだしてみました。
目的地のミティリニ港までの方角だと、風が後方に回るので、微風ながらも時々5ノット代のスピードが出ました。10ノットぐらいしかなかったので、かなり上出来なスピード。前に見えるのはレスボス島。
12時20分。あと少し!一直線にミティリニ港を目指せます。
午後1時、ミティリニの古城が見えました。このちょっと前からスピードが3ノット程度に落ちていたので、セールをしまいエンジン走行に変えました。レスボス島はミティリニ港は昨年9月の終わりから1週間弱滞在したので、港内の様子はよくわかっています。ですが、夏のシーズンが終わってからだったのに、ここにパラソルビーチがあるとは知らなかった。
さていよいよ入港です。ミティリニ港は一番外側に大型フェリー発着港があり、その内側に普通の街の港があるので、結構大きなサイズなのです。フェリー港と街の港が分かれているので、タウンハーバーに係留してもフェリーが起こす波の影響がないのがありがたい。ですが、私達は、街からちょっと離れているにもかかわらずマリーナに滞在することにしています。なぜかって・・・?それは騒音を避けたいから。
タウンハーバーはレストラン街の正面にあるので、シーズン真っ最中の現在は夜中の3時頃まで音楽が鳴り響いているそうです。夜な夜な出かけていくタイプなら絶好のロケーションですが、私達は夜10時には眠くなっているタイプなので、パーティ―とは無関係。料金がかかっても安眠できる方を選びました。
どうもあれがカスタムのワーフらしい。黄色くペイントされたものが見えます。でも後からわかったけど、それは単なるラインを結ぶでっかいクリートが黄色く塗られているだけだったみたい。
近づいていくと誰も人気がなく、取り合えず無線で呼びだしてみましたが、反応なし。数分すると男性が二人、ベンチに腰かけているのが見えました。でも動く気配全くなし。で、さらに近づいて「ここカスタムですか?トルコから来たんですけどチェックインしたいんですが、ここに係留していいですか?」と聞くと「はい、ここでやりますよ。」と座ったまま返事。なるほど、お手伝いは期待できないわけですね。まオーストラリア航海時代は、どのマリーナでもほぼ自分達でバース入りだったので、私はラインをもって飛び移るのは得意です。無事、バウラインをもって岸に飛び移り、係留終了。
係員の後についてカスタムの建物に入って行きました。ギリシャでは税関職員の方はほぼどこでも英語が堪能なので、意思疎通は全く問題ありません。というかギリシャ人の方で英語が話せる率はとても高く、警察とか病院など公的施設だとどこでも英語で全く問題ありません。
全ての手続きが終了してから、同じ湾内にあるミティリニマリーナに移動し、接岸終了したのが午後3時でした。シーズン真っ盛りだからお出かけしているヨットが多いのか、バース内は結構空いていました。昨年の秋はもっと混んでいて、ブレークウォーターの内側に横抱きだったので、マリーナ施設まで物凄く遠かったんですが、今回は、一番外のワーフなのですぐ近く。
まずはお腹を満たそうってことで、チェックイン手続き後マリーナ内のレストランに直行。昨年来ているので、私達の記録が残っているのでマリーナチェックインは最新のマリン保険を見せるだけで終了。受付のフランス人女性アナスタシアさんも覚えていてくれて、とっても親切でした。「ウェルカムバック」ということで、オリーブやミニウゾボトルのウェルカムギフトを頂きました。みんなに上げてると思うけど、こういうサービスがあるマリーナはここぐらいだなぁ。
マリーナレストランは市内のレストランより、ちょっとお高めなんですが、マリーナ滞在者は10%割引きなんですね。高いって言っても、このサーモンタルタルが12ユーロ。トルコリラだと240リラぐらいから。小ぶりなメッチェで海老を茹でてオリーブとレモンに付けただけのものに200リラ払った事を考えると、こっちの方が断然安く感じちゃいます。つまりそれだけトルコでは物価高を毎日感じてたんです。
主人はラムシャンク。ラムの足首のお肉煮込み。オーストラリアでもよく食べていました。
私は毎度お決まりの、ポルチーニマッシュルームととトリフ風味のリゾット。割引き後で10ユーロだったからコスパがかなりいいです。こういうインターナショナルな料理はトルコではお目にかかれなかったし、あったとしても余り質が良くない割に、御値段だけは高かった!
取り合えずここには3泊滞在の予定です。トルコはマリーナが本当に高かったので、ギリシャのマリーナ、一泊58ユーロ(オーストラリアドルで80ドルぐらい。トルコリラなら800リラ。)が激安に感じます。だって、公営のトイレもシャワーもないのに、有名リゾート地ボドリムでは1泊1000リラだったんですよね!
昨年2021年にギリシャクルージング中に出会ったヨッティーでトルコにクルージングしたことがある方から、一様に「トルコは安いよぉ~」っていう話を聞いていて、あえてトルコで越冬するっていう人にも会いました。ただし、イギリス人が沢山係留しているフェティエは高いけどねぇという話も聞いてました。確かにフェティエはもともと高かったみたいですが、それ以上に2022年現在は、トルコでのクルージングは相対的に「費用がかかる」のです。これは、ここ数年でトルコの物価上昇率が80%とかいう驚異的な状態だというのが大きな理由だと思います。私達がお話を聞いた方達というのは、トルコがロックダウンになる前の2020年前の体験なわけです。例えばもともと高かったフェティエのECEマリーナ(52フィートは一泊135ユーロでしたが、2021年は、マリーナ内のレストランで食事をすると係留代が半額になる、という制度だったそうです。同じくフェティエのYachtクラッシックは、今でも比較的お値打ちで、係留代は80ユーロでレストランで食事をすると半額。でも食事代は内容は納得できたけど、結局係留代だけよりも高くなったりする可能性もあるわけです。2021年はYachtクラッシックでは、一日のうち1回でもレストランで食事をすれば係留代がなんと無料!ね、たった1年で物凄く値上がりしているんですよ。
さらに以前はお高い地域が比較的一部だったのが、現在ではマリーナがある場所ならどこでも、観光地や人気のアンカレッジなら、なおさらほとんどどこでも超物価高で、ユーロで食事をしている時とあまり変わらない値段を払っていました。その割に内容は・・・・なので、割高に感じてしまうですよね。それと印象として、ホスピタリティー(おもてなし)という意識をあまり感じられませんでした。レストランのぼったくりはもとより、マリーナでも「ようこそお越しいただきました。」というより「停めさせてやっている」という印象をよく持ったし、お客さんというよりは「財布」としか見てないないんじゃないかなっていう対応でした。勿論日本的なおもてなしは海外では期待しておりません。でもオーストラリアでも、ギリシャでも「ホスピタリティー業界」というのがあるので、そういう意味では「ようこそお越しいただきました。」という対応はしてくれます。
トルコでは、レストランとか観光業界では、とにかく入る前は何とでも「はいはいできますよ。」と美味しいことをいい、いざ入店、入港したら話が違う!ということがよくありました。なんとかしてビジターからお金をできるだけせしめようというムードが満点なのです。マリーナも予め料金を電話で聞いていても、いざ入ってみると割引率が違ったり、ということがありました。メールとかで返事が来ないので証拠がないと言わればそれまで。さらに英語が理解できないふりなのか、その通りなのか、そのせいになったことも結構あります。レストランではオーダーするつもりはなく「これなんですか?」と聞いただけで、それを注文したことになっちゃったり(その場ではっきり断っておかないとやばいです。)、とにかくなんとかして請求額を増やす努力が物凄いんです。これは言葉がわからない外国人に対してだけではなく、グーグル口コミとかをよむと地元トルコ人に対しても、相手が観光客だと同じような事が発生していたりするようです。ギリシャロードス島のマリーナでも最初電話で問い合わせた時に聞いた値段と、実際にチェックインしたらそのクォートが受付に伝わっておらず、正常料金を取られそうになったのですが、その旨を説明したら、営業の人が提示した料金でOKになりました。でもトルコではそうならなかった。電話で話したことは全く「無」になりました。
物価高で、利率は下がり、っていう状態なのにトルコの観光業は景気がいいように見えました。国を挙げてロックダウンのフラストレーションを発散しているのかな。観光業界はここぞとばかりマイナスを挽回するため、稼げるだけ稼ぐっていう姿勢なのかもしれません。
そして驚いたのは、海の衛生を保つためトイレタンクを必ずポンプアウトしてもらう規則になっているのですが、その記録がちゃんと保管されているのだろうかっていうことです。前情報では統一の「ブルーカード」というのを発行してもらい、ポンプアウトするたびにそれをスキャンしてもらうということだったのですが、現在はQRコードはついていますが、普通のプリントアウトした用紙を都度くれます。その用紙はポンプアウトした領収書みたいな感じで、次に別の場所でポンプアウトした時、QRコードをスキャンするかと思い前の用紙を持って行ったのですが、必要なし。その都度、新しい場所で領収書的に発行されたんですね。だからポンプアウトするごとにペーパーが溜まっていきます。しかも滞在中一度もチェックされたことがありません。これは長期に滞在しているイギリス人の方も「一度も検査されたことないよ。」と言ってたので本当みたい。トランジットログを返して出国の時にチェックされるのかな、と思っていたのですが、一言も触れられませんでした。
チャーターヨットが沢山いるフェティエを中心として南の方にはマリーナがありますが、チェスメより北は、ほとんどありません。その分ポンプアウトしてもらえる場所も少ないわけで、現実的な話、ちゃんとルールを守ることってできるのかしらって思いました。勿論その船のホールディングタンクのサイズや乗船人数やクルージング日数によって大きく変わる事ですけどね。
たった2ヶ月でしたが、結論として私が感じたのは「安い(と聞いた)からという理由でトルコでクルージングしない方がいいかも。」ということです。勿論、人気の場所を避けてマリーナもほとんどない北の方に行ったり、ひたすらアンカリングしたりと徹底的に安くあげる方法は、どこにいても同じですけど。でも、そこそこ観光もしたいから上陸したいっていう気分だと、観光地シーンから離れることはできないし、そうなれば必ず私達が体験した「ぼったくられたようなだまされたような?」というモヤモヤ体験を避けては通れないのです。それと、観光業界がブームなのか、ちょっときれいなビーチとかアンカレッジは、どこにいっても観光船が押し寄せてくるので非常に混雑します。大自然のヨットでないといけない場所っていうのは、トルコ自体が陸地ですから、もともとあまりないですよね。もしかしたら私たちが行かなかったフェティエからさらに南下した場所にはあるのかもしれませんが、行ったことがある方に聞いたら「どこも混んでるよ」っていうことだったのと、夏の気温上昇が怖くてやめました。
海も思ったほどすごくきれいとは、正直思いませんでした。エーゲ海のギリシャ諸島の海と大差はなかったし、トルコはとにかくビーチのゴミがすごくて。観光船が毎日大量に観光客を運んでくるからなのか、ほんとうに上陸する気がうせるほどあちこちにゴミが散乱しているんですよ。海の汚染にはとても注意しているのに、観光客のゴミには無頓着なのかな。おかげでプラスチックごみが沿岸を浮遊してるっていうのに。
ということで、今現在のトルコクルージングを楽しむためには、値段ではなく、地形からくる立地条件を楽しむため、という理由がいいのでは?エーゲ海に面していてもメルティミの影響を受けにくい場所が沢山あるので、セーリングを楽しみやすいし、アンカレッジもどこも素晴らしく2ヶ月弱の間、一度も「横揺れがひどくて眠れない」ということがなかったんです。天気の加減もありますが、ギリシャでも同じ風情報や泊地アプリを使って場所を選んでいましたが、やはり島のアンカレッジというのは、ウネリから守られた良い湾が限られていると思います。だから一応ダイジョブだと思っていっても、夜のうちに突然予期せず風の方向が変わったり、島の反対側でビュービュー吹いている影響からか、風もないのに夜中に突然変なウネリがはいってきた・・なんてことが、湾以外でも漁港とかタウンバースでもありましたから。そういう意味では、トルコのアンカレッジはどこも良かったなぁ。同じ基準で選んだら、絶対トルコの方がいいねぇと思いました。
あ、忘れてた、トルコのトランジットログを最初にゲットするには、もうエージェントを使わないとダメみたいです。カスタム自体がトルコ語を話さない人は受け付けてくれないみたいだし、フェティエの時なんかカスタムの人に会いもしなかった!さらにエージェントの金額はまちまちで、これも1000ユーロぐらい取るボッタくりもいますのでご注意を。エージェント手続き料、カスタムに収めるタックス、トランジットログ発行代を含めて200ユーロ(うちのは52フィートです。タックスがサイズによって異なります。)ぐらいが2022年現在では打倒な料金のようでした。ちなみにギリシャのトランジットログは、外国船籍用の短期間のものは簡単に発行してもらえますので、自分達で入港手続きは問題なく行えます。英語も通じるしねぇ。だからエージェントは不要です。私達みたいに外国船籍なのにVAT支払い済み、さらに乗船者はEUレジデントという普通じゃない状態の場合はエージェントにお願いしないと無制限トランジットログは無理でしたけどね。
ということで、今年11月一杯までまたギリシャの海を堪能する事になりました。次はクレタ島を目指し南下して行きます。
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