皆さんこんにちは!Sailing Stamperウェラード里美がお送りする手作りカードとギリシャ船上生活レポの世界にようこそ!
エーゲ海の島の間のクルージング、最後のレグはクレタ島の西側Marathi湾に向かって早朝出発しました。エーゲ海ではちょっと風が出るとすぐに三角のとがった波が発生して、風の強さの割に荒れ模様になるのですが、ラストレグもやっぱりそうだった!
22日は朝7時に起きてすぐに出発準備をしました。7時でも薄暗い感じが、夏の終わりを感じます。7時半には碇を上げて出発。
島の一番西側にある湾の外には小さな教会。エーゲ海の島特有の風景。どんな離れ小島でもギリシャって教会がたっているんですよね。
午前8時、あれが島の一番端っこ。ここらでセールを上げます。
この日のレグはクレタ島にそって西側に進んでいくのですが、風の位置的にはスターボード側から吹いてくる予報。
朝日の感じがやっとおひさまが昇ってきたっていう感じ。この時間はまだ肌寒くて主人も私も長袖長ズボンです。
いつもなら、セール走行時も全行程オートパイロットでお気楽にしている私達ですが、エーゲ海諸島最後のレグということで、マニュアルでヘルムしてみました。風はそれほど強くなかったので、前方60度から90度の間になる方角で進んでいくことに。これだと風が10ノットぐらいしかなくて6ノット近くのスピードが出るのです。最初の30分ぐらいは主人が舵を取っていて、それを見ていたら私もやりたくなったので、変わりました。
だいたい30分ぐらい担当したかな。横からの波で結構揺すられました。時々1メートル近いののがやってくるので、その時はかなり力を入れて波に向かってからすぐに反対側に舵を切りましたが、私的には結構力が必要だった!写真を撮った時は、そこそこ安定していた時ですが、実際はもっとヒールしちゃったりしてたんですよ!スピードも8ノットとか出たし。
風は15ノット前後になってきました。これを狙ってこの日に出発したのです。というのは50マイルちょっとの距離なので、5ノット平均で10時間、でもできるだけ早く進みたいからです。クレタ島付近はその程度なんですが、もう少し北の方では20ノット越えになっており、それで発生する波の影響をバンバン受けている模様。本当にエーゲ海って15ノット程度でも、すぐに波の高さが1メートルとかになっちゃうんですよね。エーゲ海は海底は平らじゃないし、島が多いから波が乱れやすいそうです。私達もすぐにそれは実感しました。オーストラリア海域だと25ノットぐらいにならないと、それほどチョッピ―な感じにはならなかったな。波は大きくても間隔が長いのでなだらかでした。
9時ごろからキャプテン・ロブと交代。
波がどんどん三角になってきた!
曇りがちで、クレタ島の上では雨になってるかも。
結構揺れが激しくて、立って動き回るのが大変でした。チャートプロッターの写真を撮ろうとしても主人がヘルムしているし、捕まる部分がなくて横からこんな角度で片手で撮影するの精一杯。すっごい8ノット越えで快走している!
ヘルムしていないと、立っているのは大変な状態でした。キャプテン・ロブがマニュアル操船だと波が来たら上手にそれを乗り越えてくれるので、オートパイロットの時よりも快適でした。風が冷たく、時折しぶきもかぶるので防風防水ジャケット着用。気温的にはこの日は23度ぐらいまでしか上がらかったので風にあたっていると寒かった。
午前9時半、体感18ノット。
わお~!8ノット後半の快速。これなら10時間かからないで目的地に着けそう!完璧に日が暮れるのは7時半過ぎですが、新しい場所へは遅くても夕方5時頃には着きたいもの。特にあまり広くないアンカレッジにはね。
ガンガンヒールしてきて、船内にはものが散乱し始めました。壊れてはいけないものはちゃとロッカーにしまってありますが、洋服とかが棚にしまってあって、カーテンで閉まっているだけなので、そういうのはこうなるとベッドの上に氾濫し始めます。
10時半ごろ、このあたりにおりました。まだ半分いってないなぁ。
3時間ぐらいマニュアルで操船していた主人ですが、お腹が空いてきたのでオートパイロットに変更。料理をするのが危険なぐらい揺れていたので、ランチはツナ缶。
私も防水暴風ジャケットを着こんでいます。これはハイキング用のレイコートジャケットでイタリアにいる時にスポーツ洋品のアウトレットで見つけました。軽くってすごく便利。セーリング専用ジャケットも別にあるのですが、そっちは重たいので冬になって寒くならないと着ません。
12時半、ちょっと進行方向が変わり、風が後方に変わってきました。そのせいもあり体感風速はぐんと弱まり、波による船体の揺れでメインセールがジャイブしがちになるので、プリベンター設置。
これは1メートルちょっとありそうな波。
午後1時20分はここ。あと少し!目的地はChaniaの街から出っ張っている半島の東側です。半島の反対側が例のゾルバのビーチがあるところ。ドライブ小旅行で行った場所です。
半島の先っぽが見えてきた!
このあたりから、ヘッドセールが膨らまないぐらいの風の弱さになってしまったので(多分クレタ島のでっかい山の陰に入ってきたからだと思います。)ヘッドセールをしまいエンジン走行に変えました。
最後までセール走行したかったけど、仕方ないね。あと1時間ぐらいだし雨もぱらついてきたので、できるだけ早く到着したかったのです。写真だとあまり伝わらないと思いますが、三角波にゆさぶられて、結構大変な航海でした。危険を感じるということではなく、揺れが激しすぎて不快っていうことですけどね。ご飯がちゃんと作れなくて、お腹が空いていた私は少々機嫌も悪かったし。ヒールしてても、一定方向に安定していれば走行中でも料理はできますが、あっちゃこっちゃ左右に揺れまくると、捕まりながらでも料理するのは危険なのです。
午後2時20分の時点。
湾に近づいているのに、まだ波が結構荒いなぁ。アンカレッジはどうなんだろうか。
あの小さな島と半島の間が目的地のMarathi湾なのですが、あの島、ギリシャ軍隊の軍事訓練に使われている島で、島の南側を通行するのは禁止なのです。
午後3時、目的地のMarathai湾に着きました!8時頃に湾を出て午後3時到着だったから7時間ちょっとか。8ノットで快走した時もあったけど後半6ノット行くかどうかのスピードに落ちてきたから平均7ちょっとぐらいだったのかな。それでもかなり快走だった。揺れに耐えた甲斐がありました。
心配していた外とからの波の影響は、湾内にはいったらかなり収まっていて、完璧とはいえないけど揺られ続けていたことを考えると、全然OKっていう感じでした。
浅い湾なので、これ以上内側に入れず。キール下2.4メートルの場所、つまり水深4.4メートルでアンカリング。
明日の夕方には、風の向きがかわるのであまりいいアンカレッジではなくなります。少し横揺れはあるのですが、この程度なら今夜はちゃんと眠れそう。でも23日の夜はどうかな。
朝早くから出発したので、取り合えずお昼寝しました。夜は久しぶりにテンダーをおろしてタバーンに行きます。タバーンといっても結構おしゃれな場所。
繁忙期は過ぎたようだし、ちょっと肌寒かったこともありビーチには誰もいませんでしたがレストランは営業していました。
SATOMI号が正面に見えます。奥の山になっている部分のふもとがハニアの街。
おしゃれでいい感じ!グーグルマップで見つけたんですが、メニューが載っていて、食べたいものがあったので、他にも数軒ありましたがここに決めました。
じゃじゃ~ン!食べたいと思っていたもの全部オーダーしたよ。全部主人とシェアしますけどね。お昼もちゃんと食べれなかったので、もうすっごくお腹が空いていたんです。
「ツナタタキ」。Elountaの街のレストランにもこのメニューがありました。クレタ島では「ツナタタキ」はゴマがまぶしてあるのが定番みたい。でもサイズはこのお店の方がガッツリ。添えてあったタブリもツナとピッタリでとてもおいしかったです。
ポークステーキ、柔らかくてグリル野菜が添えられているのがよかったなぁ。
私の大好物、マッシュルームとトリフオイルのリゾット!メニューに合ったら絶対オーダーしちゃう。それに最近「米」を食べてなかったのです。というのはいつの間にかお米の袋に虫が湧いていて、全部廃棄することに。密封していたと思ったのに、残念。こんなこと初めてだった。マリーナを出発してから気づいて、しかもまだ半分以上残っていたので買い足さなかったのです。もともと白米がなくても大丈夫な私ですが、ジャスミンライスとかは好きで、あと炊き込みご飯みたいな味付けライスは好きなんですよ。リゾットを食べたら「米食べたい欲」はすっかり満足できました。
デザートはアップルパイ。サービスで食後に出てきたのはイチジクとラキというリキュール。ほとんど主人が飲みましたけど。
もうすべてのお料理が大満足で、しかもお値段はとってもリーズナブル。一日波にもまれて大変だったのを耐えたご褒美には最高でした。
さてMarathai湾のアンカレッジに来る前は、23日も滞在して24日の早朝に本土、ペロポネソス半島に近い、Kithira島に向かう予定だったのですが、風向きが変わって23日の夜はこのアンカレッジがあまり快適でなくなることがわかりました。半島の反対側に移動することも考えたのですが、それならいっそ出発してしまえっていうことで、23日は夕方出発してオーバーナイトセーリングをすることに。次のレグも11時間ぐらいなので、早起きするより昼間体を休めておいて夜出発して、翌朝早くに到着する方が楽なんですよね。早起きは私も主人も苦手なのです。
ということで、これからはエーゲ海ではなく本土ペロポネソス半島の周囲をクルージングして今年の越冬地プレべザへの家路がスタートするのです。
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