2022年9月26日月曜日

あまりの揺れに指負傷&Kithira島の病院に行ったり有名人に遭遇したり!

皆さんこんにちは!Sailing Stamperウェラード里美がお送りする手作りカードとギリシャ船上生活レポの世界にようこそ!




9月23日の夜7時にクレタ島最後のアンカレッジを出発し、オーバーナイトで本土に近いKithira島に向かいました。もう予想外の風と波に一晩中もまれる中、私は指を怪我。やっと島に到着したら、有名人に遭遇。その後病院に行ったら数針縫う羽目に!


9月23日は朝からお天気が悪く、午後1時には小雨が降り始めました。どんよりとした空。

次の目的地は本土に近いKithira島で、5ノットのスピードで11時間かかる計算です。暗いうちから出発する手もありますが、朝早く起きるより1日ゆっくり休んで夕方から出て翌朝到着の方が体が楽なのです。
1日曇り空で気温も引くかったのですが、海水温は反対に物凄く暖かく、ぬるま湯みたいでした。これは秋のエーゲ海ではおなじみみたい。 

早めの夕飯のため、前日行って気に入った同じレストランに、午後4:30に行きました。
今回は、軽食という事で、主人がチキンスグナキ(ギリシャ料理でピリ辛トマトソースとチーズを掛けてオーブンで焼いたもの。シュリンプスグナキの方が一般的かな。)で、私はエビパスタにしました。この巨大パスタ1人前なんですよ!
残念ながら本日の料理は前日ほどではなく、ちょっと外れた感。いつもはパスタは残ったらお持ち帰りしますが、この日はしませんでした。

サービスで出てきたデザートは美味しかった!前夜とは違うものが出てきたので、日替わりみたい。ホリデーハウスに滞在する人が食べに来るからリピーターがたくさんいるからかな。

SATOMI号にもどると、もう一隻キャタマランが来てました。今晩はここかなり揺れると思うけど。後で知ったのですが、この日から金曜日の24日にかけてクレタ島の北側は大雨、雷雨注意報が出てたんですよね。さらに場所によっては雹も降るかも、ということでした。出発するから風と波予報しか気にしてなかった!雨が降るのは知ってましたけど。
夜7時、アンカーを上げて出発です!
予報では私達の進行方向に向かってスターボード側横から18ノットの風なので、実際はもっと強くなる事を考えてセカンドまでリーフィングしました。メインを上げてからリーフィングラインが絡まってることがわかり、30分ぐらい四苦八苦。というのはこのアンカレッジ、前にある小島と半島の間は地雷撤去訓練エリアで侵入禁止なんですね。方角的にメインを上げるのにそれに向かって進まないといけないので、要は滑走路がみじかいという感じで、上げ切る前にUターンしてまたやり直しを繰り返したので、物凄く時間がかかったのです。
夜7時30分

雨が降る中出発!半島の影から出るまではエンジンは走行となります。


私は夜10:00から午前2:00までがウォッチ担当なので直ぐに船内に戻り仮眠に入りました。でもほとんど眠れず。久しぶりのオーバーナイトに興奮していたのと、いつまで経ってもエンジンが止まらなかったんです。それと思ってたより波が荒いようで、かなり揺れておりました。ある程度予想してたんですが、このアンカレッジに来る前のロングセーリングの時よりも荒い気がしてきました。

夜9時45分、あと少しだし眠れ無かったので主人と交代する事に。なんでまだエンジン走行しているかと思うたら、なんと予想は大ハズレで風は真後ろから吹いていて、しかも波は例によってあっちこっちから押し寄せてきて、ブームがその度にガタンガタン動くんですよ。ダウンウインドでも150度から180度というのは全然行けてない!しかも波に押される度風はこっち側の150度から反対側の150に揺れまくり、その度メインセールがバタバタとなりブームがジャイブしそうになる!私が起きてきたので、主人がプリベンターの向きを変えに行きました。

雨が降ってたし寒かったので本格的ジャケットを着込みライフジャケットも付けてます。
夜10時半ごろ、まだまだクレタ島から離れてません。プリベンターをしていてもブームのガタンゴトンが酷くなってきてちょっと風向きも変わってきたので主人を起こしました。メインのトラベラーの位置を移動させ、かなり横に張り出してからまたプリベンターを固定。曇り空なんで星も見えず真っ暗な夜で視界も悪かったので、主人がコックピットを出ると、落っこちないかとヒヤヒヤものでした。風は突風でも20ノット程度でしたが、例によって波は間隔の短いみだれた波が押し寄せてきて、本当に不快でした。

出発前からある程度波があるのは知ってたんですが、予想よりも酷く、前に丸1日波に揉まれて苦戦してた時よりもさらに酷いんです。おまけに夜だからマニュアル操船で波を避けて走行するのも、視界が悪いから無理だし波に煽られてセールが固定しないのでセール走行自体が危険な状態だったのでオートパイロットでひたすらエンジン走行でした。

午前1時ちょっとすぎ。風は弱いんですが、波は本当にキツかった!エンジンはあまりふかしてなかったのですが、リーフィングしてたけどセールを出してからかなり助けになっていて、最低で6.5ノットでした。これ以前もっと風が強い時は7ノットから8を超えるハイスピードでした。


他に気にする船舶が無かったのでウォッチ自体は楽でしたが、とにかく揺れが激しく、暗いからどこから波がやってくるかもわからず、突然ザバーンとやられるので動いてると、振り回されちゃうのです。そんな中事件は起きた!

午前2:00になったので主人と交代して船内に戻りました。疲れていたのでウトウトしてたんでしょうね。どれぐらい時間がたったか分かりませんが、トイレに行くために起きました。カウチからバウのトイレまでは本の2メートル位なんですが、揺れに足元がふらついて転びそうになったぐらりい揺れてました。トイレは無事すませ、天井にあるライトのスイッチを消そうと思い、ドア枠に手をかけて背伸びをした途端、揺れによってトイレのドアがバーンと閉まってしまい、中指を中心に左の薬指、人差し指3本をはさんでしまったのです。トイレのスイッチの位置が高すぎて私は背伸びしてドア枠に捕まらないと届かないので、以前から揺れてる時は危険だなって思ってました。とうとうやってしまった!時に中指が一番ダメージが酷く爪のすぐしたの皮が、5ミリぐらいの厚さて
剥がれており血が吹き出してきました。痛みも凄く、ぎゃーと叫んだので主人が驚いてやってきて、血をみてパニくる私を宥めペーパータオルを押し付けてとりあえず止血。救急箱からカットして使うデカい絆創膏を二重に巻いて応急処置をしてくれました。その間私は子供みたいに泣いてました!もうすっごい痛みで指先は痺れて感覚がないぐらいだったんですよ。でも動いたので骨は折れて無いみたいでした。

いずれにしてもそれ以上はできず、とにかく目的地に着く事だけを考え、私はずっと船内で痛む指に耐えながらも何となく眠ったみたいでした。

暫くして主人が、もうすぐセールを下ろすから、と起こしに来ました。時計をみたら午前5:50。10時間ぐらいで着いたみたいでした。まだまだ真っ暗の中、Kithira島の南の下側Kapsali港に入っていきました。ワーフもありますが暗いのでとりあえず湾内にアンカーしました。外からの波が押し寄せてきてあまり快適じゃなかったんですが、それまでの揺れが激し過ぎて、それに比べたらなんでもないって感じ。直ぐに眠りにつきました。

翌朝8:00頃、先に目覚めた主人が「ワーフに移動するぞ」と言ってきて起き上がりました。指は相変わらずジンジン痛みます。ワーフには30フィートちょっとのモノハルが1番外に横付けしていてその後ろと、スターン・トゥーしている豪華パワーボートの間がちょうどSATOMI号分だけ空いてました。風がなかったのも幸い、静かに滑るようにバウスラスタなしで向きを変えて横付けしました。実はバウスラスタ、今度はバッテリーチャージャーが壊れてしまいバッテリーが電源不足で使えないのです。部品調達ができず直せなかったのでもう何週間も使えてないんです。冷蔵庫といい、買った時から交換してなかったものが、ひとつまたひとつ、と壊れてきた今日この頃です。

ワーフに付けて、私の指の傷を消毒しようととりあえずのバンドエイドを外し改めて傷を見て、思ってたよりキズが深い事がわかり縫ってもらわないと不味いかも、と思いました。それで島の病院を探していたら外からオーストラリア訛りの英語が聴こえてきました。主人が外に出ていくと誰かと話をし始め、相手もシドニーのどこ出身という話になり、男性がすぐ近く出身だとわかたっんです。さらにそれから主人が「もしかしてテレビ番組やってますか。」と聞いてるではありませんか!それで私も気がついた!聞いた事がある声だと思ってたら、ネットフリックス「My Greek Odyssey」というギリシャ諸島をボートで巡って紹介する番組のポストの方でした!シドニーに住むギリシャ系オーストラリア人のピーターさんは建設業で成功している大金持ちで、豪華パワーボートでギリシャの島々を周り文化や歴史を紹介する番組をやっているんです。ギリシャに来る前、それを何度も見て憧れてました! 

その人が目の前にいて、隣に係留してるなんて!しかもその番組に出てる船です。「ずっと観てました!」というと、とても喜んでくれました。凄く気さくな方で写真も快諾。私達の話を聞いて「凄いね!頑張ってねー。」としばらくお喋り。



最初に主人が写真を撮ったら、船のクルーの方が出てきて、お願いしてないのに写真を撮ってくれました。

クルーの方たちも皆さん気さくな方でした。

思わぬ場所で有名人、しかも私達のギリシャクルージングを動悸付けた番組の本人に会えるなんて大感激!今シーズン5を編集中で全部で157島網羅したって言われてました。今はネットフリックスには出てませんが、新しいシーズンが出たら前のも観れるんじゃないかなー。大変だったけどKithiraに来てよかった!
その後ピーターさん達は出発していきました。


24時間オープンの病院がある事がわかり、このタバーンでタクシーを読んでもらいました。


キレイな港で、ギリシャ情緒たっぷり。

自分達で応急処置した中指。

病院では、まずコロナ検査をしました。無事陰性!主人は入れず外で待機。


ドクターがタクシーの運転主に何分後かにまた戻ってくるように伝えてくれました。島の運転手は顔見知りが多いようで、病院スタッフもお馴染のようでした。着いた時も玄関まで一緒に来てギリシャ語で話してましたが、ドクターやナースはみんな英語は大丈夫でした。驚いたのはタクシーのはこの時点では料金を請求せず帰っていたんです。

中に入り傷の手当が始まりました。ベットに横になるよう言われて不思議だったんですが、傷口を消毒された時凄く痛くて、しかも縫うために部分麻酔の注射をされたんですが、それがもう凄く痛かったんですよねー。痛ーいって何度も叫んじゃったぐらい。外にいた主人にも聞こえたらしい!

縫ってる間に破傷風予防の注射もしてくれました。そっちは全然痛くなかった。その後レントゲンを撮り骨折などが無いことを確認。

全て終わる前にタクシー運転主は戻ってきてくれてました。治療代はこの病院でも請求されませんでした!ギリシャって国民だったら医療費タダなのかな?多分離島だからだと思います。私達、ギリシャのレジデントビザを持ってますが国民じゃないので無料対象じゃないんですよね。でも前に下痢した時のPsara島の診療所でもビザの事とか一切聞かれずに無料で診察してもらいました。

必要な薬の処方箋をもらい、薬局へ。破傷風防止注射だけ薬局で買ったものを病院に返してくださいと言われたので、また届けにいきました。


全部終了してヨットにもどり、タクシー料金はメーターがあって70ユーロでした。これが高いのか安いのか?片道30分ちょっとかかり帰りも待たずにお迎えに来てくれて、薬局までいってまたビザに戻り、という事を考えてると安いもんだと思いましたよ。この日はちょっとしたお祭りがあり最初にタクシーを呼ぶのも時間がかかったので、いちいち別のタクシーを呼んだらこんなスムーズにことが運ばなかったでしょうし。月曜日26日に、もう一度病院に戻る事になっているので、同じ運転主さんにお願いする事にしました。








綺麗な可愛い港ですが、指が痛くて何をする気にもなれず、24日はずっと船内でぐったりしてました。



25日はぐっすり眠って爽やかな朝を迎えたのですが、天気予報を確認していた主人が、「月曜日に出ないとヤバいぞ」と言い出し、今後のスケジュールの作成会議が朝からスタート。火曜日に出発だったのですが、予報がかわり火曜日はさらに波が高くなり、しかも水曜日は西風に変わってしまう!つまり風に逆らって進むわけです。この港は南風や西風からは守られてないのでここにいるのは非常に不快。さっさと移動しなきゃ、という事になるました。月曜日、病院の予約が9:30なのでどんなに早くても出発はランチ時間帯。ペロポネソス半島端っこのPort Kaigoが6時間ぐらいで行けるのでそこにしようかと思ったんですが、そうなるとそこにしばらく足止めになるんですね。水曜日から風向きが変わるし20ノット弱がその辺には吹きます。Port Kaigoには昨年行った事があるんですが、海底があまりよくなくアンカーの効きが悪い範囲があるので何回もやり直した場所。主人はすっかり行ったことすら忘れてましたが、私はブログにアンカーの事を書いてたので覚えてました。それに狭い谷間から集中した突風が吹くので湾の外より強風になるのです。昨年も1泊しかしませんでした。議論の結果、午後出発ならまたオーバーナイトで本土のカラマタマリーナを目指し、冷蔵庫とバウスラスターチャージャーの修理をしよう、という事にしました。カラマタならしばらく足止めになっても退屈しないし、10月に入ると滞在費が半額ぐらいになるんですよ!

冷蔵庫はプレベザについてから修理、と思いましたがあとまだ1ヶ月半あるクルージング生活、冷蔵庫なしはキツイなって事でその前に修理する事にしました!  

という事で本日26日は、またディナー後からゆっくりと出発し、オーバーナイトで翌朝カラマタマリーナに到着するように出発することにしました!

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