2022年9月16日金曜日

賛否両論クノッソス遺跡とヘラクリオンの街ークレタ島ドライブ観光Part2

皆さんこんにちは!Sailing Stamperウェラード里美がお送りする手作りカードとギリシャ船上生活レポの世界にようこそ!





クレタ島ドライブ観光第2日目の13日は、クノッソス遺跡があるヘラクリオンの街に移動しました。この遺跡、保存方法に賛否両論があるんですよね。というのは、当時そのままの形で保存しているのではなく、土台は当時のものだけどその上に、きっとこういう感じだったんだろうなって「再現」してしまった部分が沢山あるからです。それって考古学的には…?

クレタ島をドライブしていて、気が付いたところ。追い越し車線がない道路だと追い越したい人のために、譲りたい車は路肩にまたがって走行するらしい。山道なんかでどっちも一車線しかない道路でも、見通しがよければ反対車線にはみ出して追い越しをするのは、日常茶飯事のようでした。

ハニアの街からヘラクリオンまでは車で1時間半ぐらいかかります。朝食は最初からホテル代に含まれていたので、朝ごはんを済ませてから出発。今回の小旅行のハイライトの「クノッソス宮殿遺跡」についたのは12時近くでした。入口にはチケットを買う長蛇の列。私達も15分ぐらい並んだかな。この日は大型観光バスが20代ぐらい来ていました。大型クルーズ船が入港していたからでしょうか。

この遺跡は最古の文明と呼ばれるミノア文明の宮殿で、11日に見に行ったザクロス宮殿の遺跡と同じ時代のもの。ですが、この遺跡には考古学的な保存の仕方ということで、賛否両論があるんです。

当時の建物の土台が主に発掘されているのですが、そのままの形で残してあるものものあれば、きっとこうだっただろうなっていう想像でその上に再現、つまりレプリカを建造しちゃった部分があるんですね。

以下ウィキペディアより引用

クノッソスは、ギリシアのクレタ島にある青銅器時代最大の遺跡。ミノア文明下で、儀式や政治の中心であったと考えられている。宮殿の一辺は160m以上あり、部屋は1200個以上、部分的には4階建ての建造物すらもあったとされる。 ウィキペディア 引用終了




こことか、赤く塗られている柱は勿論建物はレプリカです。こんな切れな形では残っていませんでした。




ここもそう。フレスコ画は全て新しく描かれたもので、この後行った博物館に一部本物がありましたが、全然違います。雰囲気は出しているけど。それを知らずに見ている観光客はかなりな数だと思います。箇所ごとに小さく明記されていますが、目の前まで行ってそれを読むことができなぐらい混雑していたりするんで、これが偽物だとは気づかないわけです。紀元前6000年とかの建造物や絵画がこんなにきれいな状態で残っているはずはないんですけどね。博物館に行かないでここだけ見学すればいいっていう声が、チケットを買う行列の中で結構聞こえてきたので、そういう方達はレプリカだと気づかないかもしれません。



中央廊下っていうのかな。この遺跡の目玉のひとつ。

しっかり着色されています。




あれもそう。これまで数々の遺跡を見てきましたが、ここほど「手を加えられた」遺跡は初めてでした。ロードス島の十字軍騎士団の城とかでも修復された部分は勿論ありましたが、できるだけオリジナルに手を加えないようにっていう配慮が感じられました。ここみたいにコンクリートで柱を立てちゃってしかもフレスコ画とかペンキで新たに描いちゃっているとうのは初めて!なんか衝撃でした。トルコにもギリシャ時代の遺跡が沢山あり、エフェソスはトロイなど世界遺産になっている場所を見学しましたが、土台の上に再現しちゃうっていうのはなくて、「本来はこんな風でした」というイラストが看板に描かれていたのを見て、残っている部分と突き合わせて想像していました。でもそれだと、やっぱりインパクトに欠けるのかなぁ。


ザクロス宮殿の遺跡に行っておいて本当に良かったです。あちらは手が加えられていないのでかなり地味で、そのせいかあまり知られてなくて観光客がほとんどいない状態でしたが、本物の荘厳さを感じました。いつもはもっとじっくり見るのですが、だんだんつまらなくなってきて、30分も費やさずに出てきちゃいました。ヘラクリオンの街の中にここで出土したものやフレスコ画の本物が展示されているので、そちらの方に急ぐことにしました。

ヘラクリオンの街にもハニア同様、ヴェネツィア統制時代の要塞が港にあります。

まずは港付近でランチ。これ以外にカラマリフライをオーダーしました。


残念ながら城塞は火曜日が休館で中には入れませんでしたが、こういう城塞関係はすでに何個も見たので外観だけで満足。




ヘラクリオンも寄港するかも、と思い下見したのですがこの一番奥にあるマリーナには、ビジターボートは入れてもらえないそうです。空きスペースがあっても断られるとのこと。

ビジターが係留できるのは外のハーバーのポートポリスのワーフらしいのですが、湾の外からの波の影響を一気に受けるのと、大型キャタマランが入港している時に起こす波が物凄いらしく、ワーフから最低2メートルぐらい離れておかないとスターン(船の後ろ)が衝撃で岸にぶつかってしまうそうです。お~こわ~。そのため、よほど長いパッサレルを持っていないのと岸に乗り移れないので、たいていは上陸用テンダーを間に挟み、そこからワーフに登るということでした。でもワーフの高さが2メートルってことだから、私は登れないよね。
それよりも、メルティミから全然守られていない港なので、どうしてもという理由なければ寄港したくない港。噂にはきいてましたが実際に見てみて、納得。お迎えに島があるんですが、そこのアンカレッジの方が安全なので、今回観光しておけばもう来る必要はありません。

さて、待望の博物館に向かいました。結構街の真ん中にあり、港からも5分ぐらいで行ける距離でした。2階建ての大きな建物。

クノッソス遺跡からだけではなく、ザクロス遺跡からのものや別の場所からの発掘物も展示されているかなり大規模な博物館でした。ミノア文明以外にも古代ギリシャ時代の像などもありました。

このアクセサリーかなりおしゃれ。ミノア文明はファッションも結構素晴らしかったそうです。


紀元前6000年から1900年までのブロンズ時代の埋葬物だそうです。デザインがとても洗練されてますね。単なる器ってい感じじゃない。




これはシール。つまりハンコみたいなもん。


BC1900年から1450年頃までの器。装飾が見事。


これは日常生活で使われていた食器類。こういうデザインのカップ、今でもおしゃれ。こういうのあったら買ってたなぁ。

これは建築様式の部屋にありました。軒下の飾り?

クノッソス宮殿の再現モデル。

これは太古のボードゲーム。ここで、ちょっと??と思ったのは、この青色、鮮やかすぎない?ってこと。これあとから着色したみたいなんですよね。博物館にあるのは全部実物で手を加えてないものだと思ってたんだけどなぁ。

ツボ。形が本当に洗練されている。



これは調理器具。串焼きを乗っけるグリラーだ。スブラキ(ギリシャ料理の肉の串焼き)を焼くのにぴったり!


これは斧ですね。

宗教的な儀式に使用されたものだそうです。

これは棺桶とか埋葬品を入れていた箱。


さて、2階に進むとフレスコ画の「実物」が展示されていました・・・がこれにも手が加えられていた!こんな完璧な形で発掘されたのではなく、実物はほんの一部でその隙間を埋めて付け足しされているのです。

ぼこぼこしている部分が実物で、それ以外の部分はそこから想像して付け加えて完成品にしているんですよ!これって実物って言えませんよね。レプリカです。でも、これを本物と思う人は本当の多く、グーグルで見つけたクノッソスを紹介するサイトにも、このフレスコ画が「本物」として紹介されていました。さらに「立体的な部分が加えられていた。」なんて書かれてありました。立体部分実物で平らな部分は後から付け足しされたレプリカなのに。

これなんか大半が「レプリカ」ですよ~。全体的にはしっくり完成図になっているので、そういう意味では再現力は高いですよね。でもな~なんか違和感があるなぁ。

これも上の部分はレプリカ含み。下はこれだけの破片では全体像がつかめなかったのかな。私的には実物には手を加えず、その隣に「きっとこういう感じだったと思う。」というイラストを展示しておいてくれた方が価値がある気がしちゃうんですけどね。


これはうんと新しい時代(それでも古代ギリシャですけど。)のモザイク。これはさすがにそのままなんじゃないかな。

フレスコ画、物凄く期待していたので、そこにも「付け足し」があったのがちょっとショックでした。博物館って通常、より実物を保存し続けることに最新の注意を払っていると思ってたので、触ってはいけない、とかカメラのフラッシュを使ってはいけないとか、規制がありあますよね。でもこの博物館みたいに実物につなげて新しく絵を描きたしちゃうっていうのは、塗料の成分とかが実物にとって汚染にはならないのかしら?

クレタ島の遺跡は、考古学的な見地よりも、観光的見地から、よりお客さんにアピールする路線が強い気がしてなりませんでした。

その後、この日の宿泊先に向かいました。主人は連日のドライブと日中の遺跡見学とでかなりお疲れみたいで、夕食時間までお昼寝してました。私もぐっすり眠ることはできませんでしたがうつらうつらしていた。

夜7時ディナーのためにまたヘラクリオンの街に戻りました。ホテルからは車で20分ぐらい。街の中は本当に都会なんですよ。だからレストランの近くの駐車場を探して、そこから徒歩で移動です。駐車場は小規模ですが結構あちこちにあります。中でも一番大きいいわゆる立体駐車場みたいのが街の中心にあり、その名も「セントラルパーキング」。迷わずそこに入れたら、偶然にもレストランの建物がすぐその裏にありました。


イタリアンレストラン。前菜にアランチーニとガーリックブレッド(というかガーリックピッタブレッド)をオーダー。アランチーニはリゾットのコロッケみたいなもんなんで、中身ご飯なんですよ。

それにラビオリをオーダーしていて、炭水化物オンパレードのディナーとなりました。これはトリュフとチーズの自家製ラビオリ。すごくいい風味で、クンクンしながら食べました。


食後、ぶらっと街の中心をお散歩。すっごい賑わい。

あ、アイスはデザート。


ヘラクリオンの街自体は港部分がヴェネツィア統制時代を思浮かべさせるぐらいで、あとは所々城壁が残っているという感じ。お店もアテネとかカラマタとかのギリシャの大都会のショッピングエリアを思い起こさせる感じで、特に「クレタ島特有の!」という部分はありませんでした。

ヘラクリオンはクノッソス遺跡と、都会のナイトライフという対照的な部分が混在していて、そいういう点では面白いなぁって思いましたが、ここにまたヨットでやってきてしばらく滞在したいっていう気にはなりませんでした。

クレタ島のメインの街、ハニア、ヘラクリオンを観光してみて、マリーナがあるアイ・ニコラスが一番ギリシャらしさが残っていていいなぁって思いました。それでも他の島と比べるとアイ・ニコラスでも「ここってギリシャ???」て感じたぐらいなんですよね。

ということは、クレタ島ってもうギリシャを代表する観光地ではなく、独自の観光文化を貫いている島なのかな。だって、他の島ではみなかった「クレタ島ご当地銀行」があったんですよ!レスボスでもロードス島でも、全国区の大手銀行しか見たことがなかったのに「クレタ銀行」があったんですよね。日本の地方銀行みたいな感じなんでしょうが、島なのにそれがあるクレタってすごい?!

もし私が初めてギリシャに行く方に「どの島に行くのがいいですか?」って聞かれたとして、2つしか選べないって言われたら、「ロードス島とサントリーニ島」って答えると思います。

ロードス島は、中世騎士団のオールドタウンは本当に素晴らしいし、それ以外にもいかにもギリシャを感じられる小さな街もあるし、サントリーニは「いかにもエーゲ海を代表する観光地!」なんですが、だからこそ、そこを押さえておけば「エーゲ海」を体験したことなると思うんですよね。あとは乗り換えでアテネ市内観光をしておけば遺跡もばっちり、かな。

クレタ島はでかいけど、そこだけの体験しかないと、ギリシャに来た甲斐がない気がしちゃいました。な~んて言うのはかなり贅沢だなぁ。こんなに沢山ギリシャの島々をめぐる事が出来たこと、本当にありがたいなぁって思います。

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