2022年10月22日土曜日

ご褒美みたいな最高のセーリング&奇跡的レフカーダタウンハーバー係留

皆さんこんにちは!Sailing Stamperウェラード里美がお送りする手作りカードとギリシャ船上生活レポの世界にようこそ!






21日(金)は今シーズン最終レグといっても過言ではない、レフカス島レフカーダの街への移動でした。朝日を浴びた美しいギリシャの漁村を見ながらゆったりセーリングはまるでこれまでの努力へのご褒美みたいでした。さらに滅多に空きがないレフカスタウンハーバーに週末なのに係留できたのです。 

 10月21日(金):興奮していたのか、まだ暗いうちに目が覚めた私です。時計を見たらそれでも7時ちょっと前なのに、真っ暗。8時ちょっと過ぎてようやく朝になりかけてきた、という感じです。それもそのはず、あと1週間ぐらいでギリシャは冬時間になるので、朝8時とうのはまだ朝7時なわけです。テンダーをおろしていたので、8時半ぐらいから作業開始。一年半前2021年6月の頃にはテンダーの上げ下ろし作業にも慣れておらず、要領が悪かったので、つり上げ作業なんかは30分ぐらいかかっていたんですよねぇ。今ではものの10分ぐらいでできちゃいます。主人と私がお互いの役割がわかっているので、お互い「次は荒れして。」と言わなくても、それぞれ次の作業に進むので、全てが流れるように進んでいくのです。でもここまでくるのに、一年半はかかったなぁ。

テンダーを上げたらすぐにアンカーを引き上げ、9時にMitkasを出発しました。


午前9時過ぎなのに、やっとしっかり朝になったっていう感じでしょ。冬に近づいてるんですよね。朝日に照らされてきれいな街並み。

弱風だったのと、レフカーダに行く手前の運河の航路はセー走行禁止なので、ほんの少しの距離しかセール走行できないので、最初はエンジン走行でずっと進むつもりでした。でも急ぐ必要はないので取り合えずジェノアだけ出して様子を見てみました。

期待してなかったのですが、かろうじでジェノアは広がりゆっくり動き出したのです。

あそこがテンダーで入って行った小さな漁港。

3ノット行くか行かないの滑り出しでしたが期待してなかったので、セールで走っているだけで嬉しいかったです。

あそこぐるりとしたところに、到着日にいったタバーンがあるんですよね。

ゆっくりゆっくり進んでいきました。まっ平な海の上をすべるように。(スピードはジョギングしてる人と変わらないぐらいだったけど。)



さよ~なら~Mitikasの街(村?)!素朴なギリシャの何気ない街並みが本当に可愛らしかったです。

主人はここで朝ご飯代わりのチョコポップス(シリアルみたいなもんで、チョコレート味なのです。お子様用なのですけど。)を食べていました。

ぐるりと回ってきたら、5ノットを超えるスピードも出てきたのです。


本当に気持ちよく、平和な海をすべるようにセール走行できたので結構荒波にもまれたり、けがをしたり、いろいろ修理の手配で頭を悩ませたりと、これまでの苦労を労うご褒美のようだねぇ、と主人と話していました。

午前10時14分はこのあたりに。
午前10時40分ごろ、左にNydriの街が見えました。Nydriには2021年6月の私のお誕生日を過ごし、さらにウィンチのモーターの整備をやってもらったり、せっかく新調したドッジャーがカバーだけじゃなくフレームから作り直しとなり、2週間近くも足止めになった場所でした。初めてアンカーを下ろしてスターン・トゥーをした場所でもあったなぁ。その頃と比べたら本当に成長しました。私は特に。主人の場合は後進での操縦の腕がてきめんに上達しましたがそれは腕が、というよりSATOMI号を乗りこなせるようになったから、です。

レフカス運河内は浅いので航路の中を通過しないといけません。前がよく見えるように、暇に空かせてドッジャーの窓部分をお掃除するキャプテン・ロブ。この頃には、風が真正面にになってきて、しかもたったの3ノットという超微風だったので、ジェノアをしまいエンジン走行に切り替えていました。どうせ、航路内はエンジン走行しないといけないしね。

はい、この先この赤と緑のマーカーの間を通行します。反対側から船が来たら、左側ですれ違います。つまり右側通行。


あれ?あんなところにシップレック?!前に来た時は気が付かなかったなぁ。
そのちょっと先にもまたありました。航路の外側なのでかなり浅い場所です。座礁しちゃってそのまま放置なのかしら。



航路内はアンカリング禁止という看板。当たり前ですけど。
運河の航路内はセール走行禁止で、基本的にセールも全部下ろすのが常識なのですが、途中すれ違ったヨットはメインセールを出していました。勿論エンジンは付けていましたけどねぇ。風がほとんどない穏やかな日とはいえ、狭い航路なのでメインセールが出ていると、突風があったりなんかしたらコントロールを失うかもしれません。だからここでは「セールを出さない。」が常識なんだけどねぇ。レンタルヨットの方達かな。その1隻以外はどの船もセールを出していませんでした。

午前11時40分ごろ、この位置。上の写真はここです。運河の航路としては終点かな。引き続きマーカーはありました。マリーナもあるし、交通量が激しい場所なので、通過するならやたらにあちこち通ってはいけないのです。



あれがレフカスマリーナ。ここ物凄く高いんですよね。でも設備もいいし確実に係留したいと思ったらここに入るしかないんですが、今回は、一か八かでタウンハーバーを狙っています。すでにシーズンオフだし、エンジン技術者の方とずっと連絡を取っているんですが「最近は結構すいているよ。1隻ぐらいは多分いつも大丈夫だと思う。」との言葉を信じて、やってきました。

レフカーダの街は、チャーターヨットの基地となっていて、マリーナ内には大手チャーター会社の「サンセイル」が入っていますが、その他に地元のチャーター会社や自分のヨットをチャーター用にしている個人事業の方達は、みんなタンハーバーに係留しているんですよね。かなり大規模なタウンハーバーで、しかも昨年にはなかった、新たなポンツーンも設置されているというのに、そこは全てチャーター用ボート専用となっています。タウンハーバーに近づいて見てみると、バウがモーリンを使っているもの、自分のアンカーを使っているもの、といろいろありました。それにモーリンもあちこち浮いていて、それがおそらくバウモーリンの根本を示す場所だと思われたので、その辺りにアンカーを下ろしたらとんでもないことになってしまいます。ゆっくり時間をかけて見ていき、プライベートヨットと思わる船の隣で空いている場所を見つけました。丁度SATOMI号がはまるぐらい。岸には特に誰もラインを受けってくれそうな人はいませんでしたが、もう慣れっこなので全然気になりませんでした。「よしあそこだ!」と場所を決めてアンカーを下ろすべく体制を整え、主人の合図でアンカーチェーンを足蹴りして振動でアンカーを落としました。どんどんチェーンが出ていき50メートル出たぐらいの時、振り返るとスターンが両側のヨットのバウを超える頃だったのでギアを締め、リモコンで引き続きチェーンを出しながら、私はコックピットに戻りワーフに乗り移る準備にかかりました。主人は最近、本当に後進操船の腕が上がっており、この日もちょっと横風がありましたが、最初にプロップウォークを利用しつつ方向を整え、それから要所要所でバウスラスターを効果的にふかし、見ていて安心感がある操縦でした。この頃には両側を挟まれているので、船体は揺れることなくゆっくり後進を続け、私は無事岸に乗り移り、スターンラインをリングに回し、すぐに端っこを主人に投げ返しました。一方を結わえたらもうあとは簡単。船体がしっかり両側のヨットに挟まれてるのでそれほど動きません。キツキツの場所に係留するメリットです。それから反対側のラインを受け取り、それもリングに通してから投げ返しました。その後、ワーフまでの距離を調整しながらアンカーチェーンを上げてテンションを強めて固定していきます。ここ数回、ずっと二人でやっているので、知らない人にラインを投げるよりも二人だけやるほうが手際よく係留できる気がしてきました。
下の地図の青丸の部分に係留しています!

シーズンオフとはいえ、金曜日だったのでチャーターボートが次々と帰ってきて、他に開いていたスペースはどんどん埋まっていきました。最初どこにしようかなって探した時、その辺りは空いていてもモーリンラインがあったりしたので、おそらくチャーターヨット用だと思ったのと、チャート上では浅すぎるようだったので避けておいたんです。大正解でした。タウンハーバーだから誰が止めてもいいはずなのですが、こういうチャータービジネスが盛んな場所では公共のバースでもチャーター会社が「永久予約」していたりして、そういう場所に間違って入ると、チャーターヨットが帰ってくると「追い出される」のも珍しくないのです。だから夏のシーズン中だったらレフカーダのタウンハーバーに係留できるなんて奇跡的。シーズンオフの今でもより取り見取りではなく「ここしかないなぁ。」状態でしたから。何ででっかいマリーナがあるのに、タウンハーバーがいいかって?それはもうお値段の差が10倍だからです。マリーナなら一晩100ユーロ、タウンハーバーは10ユーロ。

手前にモーリンのブイがあり、それを避けた位置にアンカーを下ろしています。岸とそのブイのラインをまたぐと、多分アンカーがひっかかってしまうので。写真左端に見えるチャーターヨットはバウがモーリンで繋がれていたので、オレンジのブイがモーリンラインの大元と思われます。

しっかりはまり込んでおります。

左のお隣さんのアンカーチェーンが斜めになっていて真っすぐにアンカーを下ろしていないっぽかったので、私達はかなり遠方にアンカーを下ろしました。最終的に60メートルちょっとまでチェーンが出たので、多分大丈夫でしょう。それに私たちの方がおそらく先に出発するし。(お隣さんは長期的にお留守な感じです。)

12時半ぐらいに到着していて、それから主人がささっとシャワーを浴びてさっぱりいてから、ランチに行きました。バースのすぐ後ろぐらいのレストランがいい感じだったので、そこに即決。SATOMI号は駐車された車に隠れてわかりにくいですが、スターンの赤いフラッグが見えます。

お店の名前「マルガリータ」という名前がついたサラダ。
ロールキャベツ。これすっごく美味しかった!最近よくタバーンのメニューで見るようになっていたのですが、どのお店も「今日はない。」と言われ続けてきたので、念願かなってやっと食べれました。
こらはゴルゴンゾーラチーズとマッシュルームソースのニョッキ。歯ごたえモチモチ。

食事中に、ポートオーソリティ―らしき女性がワーフを巡回しているのが見えました。SATOMI号の前でも立ち止まっていました。そこで、ランチ後お散歩がてら、支払いに行くことに。ここも例のギリシャ特有のルール、一泊二日だと2日分係留代を取られるので、取り合えず明日出発します、ということにしました。土曜日は11時からエンジンを見に来てくれるので、午後に出発できるかもしれませんし。支払いに行ったとき「取り合えず明日出るつもりですが、もしかしたら日曜日になるかも。でもそうなったらまた支払いに来ます。」と言ったら「大丈夫気にしないで。」と言われたそうです。自分から支払いにいったからかな。窓口の女性はさっき巡回していた女性らしくSATOMI号の事を知っていたそうです。どうも午後に見回りに来るみたいなので、日曜日の朝出発すれば支払わなっくてもいい感触でした。

一か八かでレフカーダのタウンハーバーに来てみたけど、無事係留できたし、エンジニアの人も午前中に来てくれることになったし、思いがけず優雅にセール走行もできたし、一日が全部ご褒美みたいでした。

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