2022年10月10日月曜日

せっかくなら船でしか行けない場所の方がいいねーSapientza島

皆さんこんにちは!Sailing Stamperウェラード里美がお送りする手作りカードとギリシャ船上生活レポの世界にようこそ!




10月8日にカラマタマリーナを出て、プレべザを目指すイオニア海北上クルージングを再開しました。ドライブ旅行で見に行ったMethoniの港に向かう予定だったですが、せっかくなら船でしか行けない無人島のアンカレッジの方がいいなってことで、ちょっと手前のサピエンザ島に目的地を変更!

10月8日(土):最近8時ぐらいにならないと、朝っていう感じがしないんですよね。今月の終わりにはサマータイムが終わるのですが、1時間時計を早めるので現在の8時は7時になります。納得。パッサレルをしまってエンジンをかけたのは8:45でした。

最近、私がヘルムする訓練をしているので、この日もバースから出す時は私が担当しました。バウのモーリンを外すと右隣のキャタマランに物凄く近くなってたので、その部分だけは主人がやってくれて、体制を整えてから交代。マリーナの出入り口まではほぼまっすくに進めばいいんですが、出入り口付近で物凄く浅い部分があるので(SATOMI号にとって。一番浅い部分はキール下30㎝でした。)、そこを気を付けていきなり鋭角に右に曲がらないといけません。下は曲がった後の状態。ブレークウォーターの周囲もすごく浅いので、チャート上で深い場所を選んで通行しました。

外に出テラ、メインセールを上げます。いい風が吹いていました。予報より強いぐらいで丁度いい。

風の方角も、前方にアンカリングしていた2隻の貨物船の間を通りぬけられる、いいコースでした。後方120度から吹いている方角です。

バイバイカラマタ!もうこれで最後だね。

でっかいメッシーナ湾ですが、地中海全般の特徴、15ノットぐらいですぐに波がとがっちゃう状態に遭遇。陸に近い位置だから余計に波が乱れているのかも。白波が飛んでますが風は15ノット前後しか出てません。でも波の高さはそれほどでもないし、これぐらいなら全然影響なしです。





平均で7.5ノット、時折8ノット近くまでスピードがでました。最初のWay Pointは丘の上に大きな城塞&修道院があるKoroniの街。そこまで一直線で行けそうです。午前9時45分ごろ。

30分もたつと、どんどん真後ろに近くなってきてましたが、まだなんとかセール走行できていました。が風は徐々に弱くなり11ノット前後になってきたので、スピードは6ノット台。でもこれなら予想どおり。

時折白波も見えますが、出発してすぐの時と比べたらかなり波は穏やかになってきました。

Koroniの街に続く陸側が右に見えます。


ここでちょっと面白いなって思ったのは、こんだけダウンウィンドだからジェノアをもっと横一杯に出した方がいいんじゃないか、と思ってやってみたんですが、それだとスピードが遅くなってしまったんです。でっかいメインセールがフルに出ているんで、ジェノアがその陰になってしまうからかな。スピードを見ながらジェノアを引き入れていきました。なんか前方90度ぐらいから吹いてくる時みたいな位置にした方が一番早いスピードになりました。

その後時間と共にどんどん風は弱くなり、30分後ぐらいにはとうとうジェノアがバタバタし始めました。

午前11時仕方なくジェノア巻き入れて、エンジン走行に切り替えました。

とがった波もなかったので、スピードは常に7・5ノットを超える快走でした。エンジン走行するのは音がうるさいのであまり好きじゃないんですが、最近夕方がめっきり涼しくなってきているので、水のシャワーはつらくなってきました。エンジン走行のメリットはお湯が沸くこと!アンカレッジに着いてから夕方でも熱々シャワーが浴びれるのが嬉しいです。

遠方にKoroniの街が見えてきました。ここの港では昨年アンカリングで数日滞在し、その後カラマタマリーナに移動したんですよね。

あれがKoroniの城塞あととその中にある修道院。ここから半島をぐるりと回る形になります。

12時ちょっと前はここにいました。ぐるりと半島を回ると、前日ドライブ旅行でいったMethoniやPilosがあります。最初はMethoniに行こうと思っていたんですが、そのお迎えのSapientza島のアンカレッジが、海がとてもきれいだとPilosのホテルのオーナーさんに聞いたので興味があったんですよね。Methoniは観光したので、もう街には上陸しない予定だったので、どうせなら海上からしか行けない無人島のSapientzaの方が面白いかな、と思い行先を変更しました。もし居心地が悪ければ着いてからMethoniに移動しても30分もかかからないし。

上の地図は、実際にはこんな景色です。
12時13分、右前方がMethoniがある本土で、左前方がSapientzaの手前にある島。


体感風速5ノットで、船のスピードが7ノットだって!よっぽど風ないね。

半島をぐるりとしてから、進行方向に向かって前方に風向きが変わりましたが、その後ちょっとずつ風が強くなってきたので、再度ジェノアを出してセール走行してみることに!スピードはエンジン走行より落ちましたが、目的地はもう目と鼻の先でまだ12時47分だったので、急ぐ必要はありません。

島の陰になったら、ちょっとスピードが落ちてきましたが平気平気。急がなくていいから。

午後1時12分、タックしないとセール走行できなくなったのでタックしました。
後方から二人乗りのホビーキャットがやってきた!小さいけどスピードはすごく出るんですよね。SATOMI号はこの時6ノットぐらいで走ってましたが、どんどん追いついてきてほぼ並んで走行していました。

タックしてから、ラッキーなことに徐々に方向調整しながら目的地のSapientza島のアンカレッジまで一直線に進むことができました。良かった!最後のほんのちょっとだけだったけど、エンジン停めてみて。

前方正面がMethoniの街の湾で、左に見えるのがSapientza島です。

青丸の所が島のアンカレッジ。Methoniは本当にすぐそこ。

午後1時40分セールを下ろしてアンカレッジを目指します。

午後2時20分、いつも通りぐるりと回ってどの場所にスイングしても十分水深があることを確かめて、アンカーを下ろしました。ここは場所によっては砂地の下が平らな岩になっていてアンカーが刺さりにくい場所があるとのこと。この日の夜から9日にかけて、ほとんど風がない予報ですが、念のためギアをバックに入れてエンジンをふかしてアンカーがちゃんと効いていることを確認。大丈夫でした!アンカーを落とす時も、砂地をめがけて足でチェーンをキックして落とすピンポイント技法でやったし、海水が透明なので砂地の上にドスンと着地したのが見えたんですよね。だから大丈夫だろうなって思ってましたが、確認は怠りません。水深9メートルの場所でチェーンは45メートル弱出しているので、完璧。

海底まで見える!すっごい透明度。

朝ご飯も走行中に食べたし、ランチもチーズトーストを食べていましたが、すでにお腹が空いていて、午後3時半には早めのディナー。前日主人が作った「コカ・ビン」を温め直しました。煮込みものは2日目が物凄く美味しいですよねぇ・・・はい、一日目も二日目も美味しくいただきました。もうレストランで出してもいいぐらいの美味!レシピにはチキンストックが必要って書いてあったらしいのですが、それは使わず、アンチョビーや干しシイタケやカラマタオリーブで美味しいダシが出ていたみたいでした。勿論チキンドラムスティックも煮込んでいるからそっからチキンのだしは出てますね。お肉がほろりときれいに骨から剥がれ落ちました。あ~考えただけでまたお腹が空いてくる。

本当にきれいだなぁ。たまらなくなって、後ろからドボン!でも私は指をまだ完全には濡らしたくなかったので、片手を上げた状態で後ろのスイミングラダーに捕まったまま「浸かってました。」水温が気温と同じぐらい?と思うほど暖かいので、本当に気持ちいいのです。10月なのにねぇ、驚き。

シーズンオフだから、他には誰も来そうにありません。というかこの時期クルージングしているヨット自体がすごく少ないです。すでに今シーズンのクルージングを終えて越冬に入っているのでしょう。ここも7月とか8月だったら、もっと混んでいたのかも。


観光船も来ない、他に誰もいないっていうアンカレッジ、私は大好きです。

風がないから波は全然ないんですが、小さなウネリははいってきます。でも気になるほどの横揺れではありません。だいたいギリシャの島のアンカレッジって、風がない時の方がウネリの影響があって横揺れしやすい場所がほとんどなんですよね。(特に数日前に外側で吹いている時だと、その残りがウネリとなって入ってきたりします。)だからもう慣れっこになっているのでかなりな横揺れでも気にならなくなった私達ですが、ここは、慣れてない人でも気にならない程度だと思います。海流があるみたいで、一晩中360度グルグル方向を変えてました。なので時々横揺れ状態がやってきて、あ~また回っているなぁって思いましたが、ゆりかごに揺られているような感じで気持ち良かったです。



ここでの滞在は1泊だけで9日にMethoniに移動しようかなって思ってましたが、他に誰もいない解放感と静けさが気持ちよく、9日も滞在して2泊することにしました!

でっかい大陸のオーストラリアは、ちょっと行くと「他に誰もいないアンカレッジ」というのは珍しくなかったし、湾もでかくて広々としていたのでお隣さんがすぐそこっていうアンカレッジもあまり経験しませんでした。(チャーターボートメッカの場所以外は。)なのでギリシャに来てから、アンカレッジの小ささや夏のシーズン中の込み具合に、最初はすごく戸惑っていたんですよね。だからギリシャではこういう「他に誰もいないアンカレッジ」はとても希少価値があります。最も今はセーリングのシーズンオフだから、というのが空いている一番の理由だと思いますが、真夏じゃなくてもまだまだ十分昼間は泳ぎたくなるぐらい暖かいし、海水温も十分暖かいです。真夏は暑すぎて、どこも混んでて係留代も高いことを考えると、9月から10月にギリシャをクルージングするのって、結構穴場なタイミングだなって思いました。

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