2023年8月18日金曜日

ジェノアだけだして軽々~のはずが・・・真っ暗な中ケファロニア島泊地に待避

皆さんこんにちは!Sailing Stamperウェラード里美がお送りする手作りカードとギリシャ船上生活レポの世界にようこそ!





やや強めの北風に吹かれて一気にギリシャ本土のコリントス湾方面まで移動しようと思ったのですが、夜中以降予想以上の大波に翻弄され続けたので、ケファロニア島に待避しました。真っ暗な中、すでに係留されている船を避けてアンカリングする場所を見つけるのは本当にひやひやものだった!

8月16日(水):この日でコーフ島は最後にして一気に本土のコリントス湾方面(実際の目的地はその手前のパトラス湾内ですけど。)までオーバーナイトでいどうすることにしました。時間的には5ノット平均で15時間ぐらいの走行になるので、日が登ってから到着するには、午後5時ぐらいに出発すればいい計算。でも午後3時ちょっと前からすでにちょっと強めの北西の風が湾内に吹き始めためので、スターンが小さい港のテンダーを付けたワーフの方にかなり近づいてきました。長時間移動だったのでテンダーをダビッドに吊り下げていきます。かなり風も強く海面も荒れる中、急いでテンダーを引き上げました。そしてやっと出発できたのは午後3時40分。

泊地を少し離れると風はまだそれほど強くありませんでした。高い山の影の泊地にありがちなこと。スピードは3・5ノットですが、予定より早く出発しているので丁度いいです。

風の方向は本当の角度は真後ろですが、体感では左後方120~150度の角度でいい感じ~!このまま一晩中こんな感じだといいなぁ。風予報的にはそうなんですけど。

後ろから風が吹いていると波も後ろから来るので、左右に横揺れになるのですが、比較的穏やかだったので、夕食の支度をしました。サーモンを生姜とお醤油でつけたものをレモン汁で蒸し焼きに。お昼ご飯を食べずに出発したので、午後4時半に夕食になりました。


午後5時、スピードは4ノット台。あと6マイルちょっとでコーフ島の端っこに着きます。

角度的には丁度いい感じ。


波はちょっとだけありますが、ある程度スピードが出て居ればつっきって走れるので影響されない程度です。

午後5時10分の時点ではこの青丸の場所にいました。コーフ島ともいよいよお別れ。

5時25分ごろ島の影にはいったからなのか風向き不安定&ちょっと弱くなってきたので、時々ジェノアバタバタするようになりました。

自然に反対側に移動しようとしていたので、タックすることに。こんな時メインセールを出していないというのは本当楽ちんです。

夕方5時25分。

風の方角もいい感じです。


午後5時半ごろ。スピードもちょっとずつ出てきました。

ジェノアはしっかり風をはらんできれいに膨らんでいます!

全く同じ形の観光船2台がきれいに並走しているのにすれ違いました。まるで2隻が真ん中で繋がっているかのように完璧にパラレルの走りを見せていました。

5時45分過ぎ、島の端に近づくにつれて風が強くなってきて突風時は15ノットを超えるように。

お陰でスピードが6ノット台を保てるようになりました。


午後6時ちょっと前。あれがコーフ島の端っこです。私はこれから夜10時まで仮眠に入ります。起きた頃にはコーフ島からは随分離れているだろうなぁ。



夜7時40分ごろ、すごく揺れが激しくなってきて外も波が船体にぶつかる音や風の音が大きくなっていたので何事か、と思ったら、コーフ島の陰から出ていたので外からの風と波をもろに受ける位置でした。しかもパクソス島の外側を通過していこうと思ったのでしばらく風が横90度ぐらいの角度にり、横波の影響をもろに受けていたのです。

イオニア海は風が15ノットぐらいでも、すぐに短い間隔の三角波が立ち始め、しかも見かけよりも非常にパワフルな波なのです。だからそれを真横から受けると本当に物凄い揺れとなります。ジェノアをかなり縮めていても高スピードになっているだろうな、というのは船内で休んでいる私にもよくわかりました。後方からの風でずっと走行すると思っていたので、テーブルの上にはパソコンを含め、結構モノが出ていたし、暑いからポートホールも開けていたのです、波が船体に打ちあがるようになっていたので、慌ててポートホールを閉めました。テーブルの上のパソコンもあやうく落っこちそうになっていた!とりあえず全てのものをメインベッドの上に移動させました。

予想以上に波が荒くなっていたので、パクソス島とアンティパクソス島の内側を通過する進路に変更。進路をちょっと変えただけで途端に穏やかになりました。風が後方に回る角度になったからです。ちょっと角度が変わっただけで大違い。


夜9時半過ぎ、アンティパクソス島をもうすぐ通り越すあたり。私の仮眠時間は10時まででしたが、結局寝付かれなかったのでおきました。

夜9時50分、ちょっと早いけど私のウオッチ開始です。これからは島もないのでイオニア海の波の影響をもろに受けることになりますが、風の強さが安定していれば後方からの波の影響もそれほどないはず。スピード的には8ノットも出ているじゃないか!速過ぎるぐらいです。


夜10時ちょっと過ぎ。この時点ではジェノアは全開でした。主人から風がコンスタントに16ノットぐらいになってきたらジェノアを縮めるので起こしてね、と言われています。時々チェックしてみると14ノット程度で収まっているようです。

この辺り、イタリアまで全く障害物がない位置のイオニア海なので、ちょっとの風でもすぐに波が荒くなるんですよ。今日は後方からの波なので、まだましですけど、それでもどこか捕まっていないと立っていられないぐらい左右に揺らています。湿気で海面当たりはあまり視界がよくなく星は綺麗に見えていましたが、ほぼ真っ暗な状態で、どっから波が来るか直前にならないとわからないので、バランスを崩しやすかったため、デッキ内では床に座っていました。

平均スピードは6ノットいいですねぇ。写真がぶれているのは、かなり船体が左右に揺れているから、手元が全く安定しなかったのです。

フラッシュをたいて写真を撮ってみましたが、波までは移りませんでした。

さて、この後どんどん状況が悪くなっていきました。というのは風が予報とは違い、どんどん弱くなってきたのです。レフカス島の外側を通り、ケファロニア島とレクサス島の間から本土に方に向かっていこうと思っていたので、レフカス島の端まではいい感じのダウンウィンドで吹き飛ばされていくと思っていたら、時間がたつにすれてどんどん風が弱くなってきたのですね。それにつれて平均6ノットを保っていたスピードも5ノット半ばに落ちてきて午前1時ぐらいにの時は4ノットぐらいしか出なくなってしまいました。スピード的には全く問題ないのですが、何が問題か、というと、風が弱くなる→スピードが落ちる=波の影響を盛る受け、となるのです。イオニア海あるある、で風が収まっても複雑な海底地形が引き起こしたら乱れきったパワフルな波はしばらく収まらず、風がない分、三角のとがった間隔の短い波にまるで木の葉のように翻弄されてしまうのです。ある程度スピ―ドが出て居れば毎回の波を受けるのではなく、突っ切っていけるし風も強ければジェノアも膨らんだまま。でも風が10ノットを切るようになってから、波に押されて船体が傾くたびにセールがへたり、反対側に船体が押されるとまたバーンとセールが音を立てて元に戻る・・・を繰り返すんです。そのうちジェノアシートが切れてしまうんではないか、と不安になるぐらい強い力。主人を起こしたくなかったのでなるべく我慢してたのですが、午前1時半過ぎ、音で主人も起きてきました。それでジェノアを巻き入れ、エンジン走行に切り替えました。ウオッチ担当時間のほぼ半分以上、激しい船体の揺れで、立ち上がるたびあっちこちに体をぶつけたりして、かなり疲労していたし、ウォッチも早めにスタートしたので、午後2時前に主人と交代。
その後はうとうとしながらも眠ったようです。エンジンの音と相変わらず船体の大きな揺れは感じていましたが、疲れていたので気になりませんでした。



まだ外は真っ暗な中、主人が「起きて、アンカリングするよ。」と起こされました。あれ?もう着いたの?予定より早かったのかな、まだ暗いし・・・・と半分寝ぼけた状態で外に出て行ったら、なんと小さな港内みたいな場所にいます。スターン・トゥーしている船やアンカリングしている船もいて、かなり狭い場所。いったいここはどこ??????

ケファロニア島の上の方、Fiskardoというアンカレッジでした。ワーフにスターン・トゥーしていたのはワーフではなく細長く入り組んだ岸にラインをつないでいた船たち。その真ん中に何隻かアンカリングしていたのです。Fiskardoは2021年にギリシャクルージングをスタートさせたばかりの時、車で見に来たことがあります。ケファロニア島ではタウンバースに係留して島をドライブ旅行したんですね。Fiskardoはとても人気なのですが、深さがあるので岸にスターン・トゥーしないと係留が難しい場所で、タウンバースもあるんですがチャーターヨットもそこから出るので、夏場はいつも物凄く混雑しているのです。昼間だって係留するのが難しのに、真っ暗な中、こんなところでアンカリングなんてありえない!
私のウォッチが終わってからエンジン走行はしていたものの、物凄く波が荒くなっていてそれを4時間耐えていた主人はこのままエンジン走行し続けるよりも、途中下車で一旦休憩した方がいいと判断したそうです。島の内側は非常に穏やかになっていました。

で真っ暗なのですが、なんとか隙間を見つけていったんアンカーを下ろしました。仮眠して明るくなったら移動するつもりだったので、いつもより近くに隣の艇がいてもしょうがないと思っていました。でもエンジンを切ってアンカーアラームを設定して・・・と一息ついたことに後ろを見たら、まじかに後ろの艇がいたのです。風がないため、各艇がそれぞれ違う方向にスイングしているので、SATOMI号と後ろの艇がT字型になっていまし。私達が縦の部分。このままででは接触する可能性もあるので仮眠どころではありません。またやり直しだ!

Fiskardoはケファロニア島の上の方です。

で、視界が悪いので私がバウの方に立ち、アンカーライトを付けていない船がいないかどうか見張っていました。あちこち細長い湾内をさまよったのですが、深すぎたり、スターン・トゥーで岸に繋がっている艇のアンカーをクロスしてしまったり・・・・と丁度いい場所が見つからず。おそらく到着時は午前5時半ぐらいだったのでしょう。アンカリング場所を探しているうちにだんだん空が薄明るくなってきました。

で結局Fskardoは諦めました。次に隣の湾に移動してアンカーを落としたのですが、海底が砂地と海草地の場所だったので、真っ暗だったから適当にアンカーを下ろすわけです。砂地に当たらなかったみたいで、全然アンカーはきかず。諦めて次。最終的に3か所目でなんとか水深10メートル程度で、スターン・トゥーの船(この辺りどこにいってもみんなその状態。)のアンカーをクロスしないで安全にアンカリングできそうな場所を見つけました。青丸の位置。

チェーンは50メートル出しました。完全には効いているのかとちょっと不明な部分もありましたが、アンカーチェーンにはテンションがかかったのが見えたので、良しとしました。少なくとも翌日ランチタイムまでは風がほとんどないので、仮にアンカーが効いて無くてもチチェーンの重さでなんとなるでしょう。それに流れても周りが深いので所外物はありません。

午前6時29分、やっと落ち着いた。

岸までもかなり距離があるし、そのうち反対側にスイングするので心配なし。とても穏やかだったのでぐっすり眠り、気が付いたら10時半過ぎていました。

翌日17日は移動せず、このままここにいることにしました。午後2時ぐらいから風が出てきましたが、波は全くなく快適そのもの。ただアンカーが気になっていました。数回アラームがなりましたが、設定半径を狭くしておいたのでスイングするとなるんです。調整してからは一度もなりませんでした。

右側がイサカ島。


当初の目的地はPatras湾内入り口付近の泊地でしたが、翌日以降ゆっくり目指すことにしました。


17日はテンダーも下ろさず、お昼寝をしたりして船内で前夜の疲れをいやしておりました。心配していたアンカーも、一時「お流れたか?」と思った時もありましたがチェーンを見にいったら風で押された後ちゃんとチェーンが引っ張り戻していたのを見たしアンカーアラームも設定範囲を調整した後は一度もならなかったので、大丈夫だったようです。それに夜はまた風がなくなるしね。

この日もお家ごはんです。ナスがあったので、乾燥高野豆腐と煮びたしにしてみました。前夜の残りのご飯をチャーハンにし、お肉がないとご飯じゃないと思っている主人のためにチキンをオリーブオイルで塩焼きに。あり合わせなので変なコンビネーションですが、主人は「美味しいね。」と喜んでいたので、よし。

我ながら結構おいしくできたなと思ったナスと高野豆腐の煮びたし。ポン酢と生姜煮ただけで、簡単でした!

時折通過する船が立てる波で揺れますが、湾内に入るウネリもそれほどなく、平和に過ごすことができました。


さて、本日18日は、当初の目的地に向かいちょっとだけ移動します。昨年プレヴェザに戻る途中に寄ったことがあるレストランモーリンがある湾。グリル魚が食べたいのだ!



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