2023年9月11日月曜日

午前3時に急遽出港!泊地アプリに乗っていないアンカレッジに挑戦

皆さんこんにちは!Sailing Stamperウェラード里美がお送りする手作りカードとギリシャ船上生活レポの世界にようこそ!







10日は朝6時起床でコリントスを出発する予定でした。でもまだ暗いうちから船体の揺れと風が強くなってきた音で起こされ、さらに状況が悪化する前に午前3時、急遽出港することにしました!


9月9日(土):天気予報にはいろんな種類があり、今まで確認していたものはコリントスエリアのここ数日の状況を完全に外していたのですが、より実際に近いものを見つけました。ギリシャ気象庁の予報で、ここ数日の動きを正確に示していたので、それを信じることにしたのです。他の予報では、10日になってやっと風が収まるということでしたが、とんでもない!新しく発見した方によると10日のお昼ぐらいには30~35ノットぐらいまで風が強くなる予報になっていたんです。いい加減コリントスにも飽きていたし、2日間も防波堤を超える波しぶきに潮だらけになっていて、マリーナ内にいてもゆらゆら揺れまくっていたので、なんとしても10日には出発するぞ、と決めていました。

朝6時に起床ですぐ出発するために、前夜も夕食は外食にして片付けなどしないで早寝することに。港からすぐ道を渡ったところにあるカジュアルレストランに行きました。前からちょっと興味がありました。せっかくなのでコリントス最後の夜に試し見ることに。(そういいながらもうこれが3回目の「コリントス最後の夜」だ!!!)

一見ファーストフード系なのに、結構メニュー内容が豊富で、ベジタリアンオプションなんんかも充実していました。それとお値段が安い!スプリングロール(春巻き)とタブリサラダをまずオーダー。

メインは主人がビーフのトマトソース煮込み。お肉がすごく柔らかくて美味しかったですよ。私はポークスブラキ2本とタズキソース。スブラキは1本から個別にオーダーできて一本たったの2ユーロ。タズキも3ユーロしていなかったと思う。これにワイン2杯オーダーして全部でたったの35ユーロというのはかなりお値打ち。しかも美味しかった。タブリサラダは食べ切れずにお持ち帰りしたのですが、そのテイクアウトの容器が結構ちゃんとしたもので、こういうところにも結構気を使っているお店でした。最後の晩餐を飾るのに丁度良かった。

夜が更けるにつれて、風が弱くなってきたので、やっと静かに眠れるな、と思っていました。目覚ましを6時にセットして夜9時には眠りについたと思うんですが、夜中、船体が揺れ出したのと風の音(ここ数日お馴染みになっている。)で目が覚めたのです。丁度主人もトイレに起きていて、時計を見たら午前3時。おかしいなぁ~こんな早い時間からこんなに風が出てくることにはなっていなかったんだけど、もしかしたら早めに出て方がいいかなぁと思っていたら主人も同じ考えだったみたい。外の様子をのぞいていたかと思ったら「どうする?もう出発する?」といってきました。「はい、勿論!これを逃したら出られなくなると思う。」ってことで、急遽午前3時から出発です。なにせ、バウライン、スターンラインともに2重になっており、さらにスプリンガーも2本もつけてましたから、出発するにしても時間がかかります。幸い、港内はいたるところに街灯があって視界は良好。明るすぎて寝る時は天井ハッチのカバーをかけていたぐらいでした。

風の方向的にはワーフから引き離される方角なので、自然に離岸できるとは思っていましたが、後ろのトーマスさんが朝出て行ってから、夕方に違う船が入ってきて、さらに2つのT字ポンツーンにも船が入ってきていました。なのであまり自由に動き回るスペースはなかったのです。で作戦会議。スターンとバウラインそれぞれ1本づつにして、主人がまずスターンラインを全部はずし、そのタイミングを見ながら少しづつバウラインを緩め、スターンが斜めになったら完全にバウラインを外す、という作戦となりました。風で自然に横滑りに押し出されていったのでなんなく離岸できましたが、狭いうえに浅いマリーナ内、エンジンを前進させて向きを変えることができません。バウスラスターを駆使して方向転換してマリーナ出口に向かいました。外はすでにかなり荒れていたのがわかったので、ブレークウォーターを出る前に急いでフェンダーを船体の上に引っ張り上げておきました。でもいつもみたいにバウにあるフェンダーロッカーにフェンダーを入れに行くのは危険だったので、取り合えず船内に投げ入れておきました。


港の付近はかなり強風で、30ノットを超えていました!波も結構あったのですが、思ったほど揺れがなく、SATOMI号が力強く波を突っ切って走っていくのがとても頼もしかったです。

午前5時11分。コリントスの港周りを離れるにつれて風と波が穏やかになってきたのわかりました。やっぱりあのエリアだけ風が集中しているんだ。

16ノットだって!さっきの半分ぐらい。

午前5時48分、スパに行ったLoutrakiの繋がりの出っ張り部分を出るころにはさらに穏やかになっていたのです。

10ノットを切るぐらいまで弱まってきました。思い切って出発してきて大正解だった。今頃湾内にいる人たちはかなり不快な思いをしているだろうなぁ。でも皆さん、運河を通過するために仕方なくいるんだと思います。

主人が「寝てきてもいいよ。」と言ってくれたので、お言葉に甘えてリビングのソファで眠ることにしました。1時間ぐらい寝たかな。気が付いたらまた風の音と、エンジンがうなる音で目が覚めました。7時半ぐらいでした。

最近日が昇るのがどんどん遅くなってきています。外に出たらこんな感じだった。

20ノット超えてきたね。でもこの辺りはまた少し風が強くなるとわかっていました。ちなみに本日の目的地は、コリントスに来る前までいたIteaの街です。コリントス湾、そしてパトラスの端の反対側まで、湾の形にそって風が吹き荒れるんですが、風の通り道からちょっと奥まったところにIteaはあるので、この辺りでは一番強風の影響が少ないんです。それにアンカーの効きがいいのもわかっているし。

突風時は軽く25ノットを超えてました。波もとがった間隔の短い波が押し寄せてきて、時折ドッジャーの上を超えるぐらいの大波がきます。

ドッジャーはもう一面びしょ濡れ。おかげ様で私達は濡れずに済んでます。でも横から波しぶきをかぶるので、防水ジャケットを着用。

スターボード側はバウから流れてくる海水で川みたい。


この位置です。

ちなみに、ずっとエンジン走行しています。港を出た時は真っ暗だったし強風だったので。日が登ったらまたセールをあげるとかどうか考えようと思っていました。でもそうなったら、また30ノットの突風エリアに来ちゃったので、セールをあげるのは止めてエンジン走行でいくことに。今回はライフジャケットも着用しております。

時折、背の高い波が横からジャバーンとコックピット内を水浸しにします。

やっぱ30ノットいってたか!突風時がこれでそうでない時でも24~27ノット辺りをうろうろ。

午前8時30分。Iteaの街にへの湾に入る手前。こういうとがった場所を回る時はまた風が強くなっているのです。




チェックしていた中では、本日の最強風速32ノットでした!

相変わらず水しぶきがあがっておりますが、湾内に入ったらもっと穏やかになるはず。

今回はIteaの街やその奥のアンカレッジとは別の場所を試そうと思いました。同じ湾内でも風の強さに違いがあり、一番弱風エリアの場所に行こと思ったのです。下の画像で、青丸の右に見えるくぼみにの部分。

湾内はかなり穏やかだったのですが、アンカレッジのある小さな湾の奥に入れば入るほど、つまり岸に近づけば近づくほど反対に風が強くなっていったのです。高い山に囲まれたアンカレッジに「あるある」で山から駆け下りてきた風が集中するんですよね。山の上には風力発電の巨大プロペラが立っいました。道理でね。ここ風の通り道なんだ。

その湾の外側はこんなに穏やかなのに。ということでこの泊地は却下。

午前9時半になっていました。結局Iteaの街のアンカレッジの方に行くことに。でも前とは違う場所に行きます。下の地図でIteaの街から陸続き右側の角に近い場所。

10時半、無事アンカリング終了です。ここは泊地アプリにも乗っていなくて、チャート上でも泊地という印はありません。でもビーチ前だしこの辺りの陸地は砂地で深さも丁度いいのです。しかも風予報ではこの湾内では一番弱風エリア。右手の山の方から風が吹いてくるのですが、岸からの距離が結構あるのと、高い山に囲まれているのではなく、山が重なっている感じなのです。アンカーは下ろした瞬間、チェーンの引き出され具合から効き始めたのがわかりました。水深キール下7.4メートル(実際はプラス2メートル)ですが、チェーンは60メートル出したので深さの6倍です。もうこれなら絶対安心。しかも、万が一アンカーが流れても深い方に流されていくだけだしね。


海水もまあまあクリアで、海中のチェーンの黄色のペンキも見えますが海底が見えるほどクリアではありません。


Iteaの街はあっちの方。


これがギリシャの気象庁の予報図で、コリントス湾は湾の形にそって黄色からオレンジに近い色(つまり最低でも25ノットぐらい。)ですが、私達がいる場所はブルー。つまり15ノットぐらい。実際はもう少し強くなるかも、ですが、スタート地点が25ノットと比べたら断然まし。

朝ご飯を食べていなかったので、落ち着いた船内でゆっくり料理をしました。すでに11時ちょっと過ぎだけど。

この日は午後3時ぐらが強風のピークということでした。たしかに午後になったら時折突風が20ノットを超えたりしましたが、波が全然立たないので快適そのもの。これを書いているのが10日の午後4時で、この時点では風がピタッと止まっています。予報でも夕方になるにつれて風が弱まるということだったので、いずれにしてもコリントスにいた時と比べたら段違いに穏やかです。

夜中の3時に急遽出発をし、天気予報と地形を見て泊地アプリに乗っていないアンカレッジをを試したりして、なんかすごく達成感があり、早朝起きの疲れを感じません。


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