2024年4月22日月曜日

今頃はマルタのはずなのにーオートパイロットが壊れたのだ!

皆さんこんにちは!Sailing Stamperウェラード里美がお送りする手作りカードと地中海船上生活レポの世界にようこそ!






本当だったら今頃「マルタに着きました!」と書き始めてるのですが・・・なんとオートパイロットが作動しなくなってしまったのです。修理の事を考えるとマルタよりもまだイタリア本土に近いシシリー島の方が有利かな、と思い、出戻ってきました。

4月20日(土):11時ちょっと過ぎ、一週間滞在したMarzamemiのマリーナを出て2.5マイル先にあるアンカレッジに向かいました。10時を過ぎた頃から急に風が出始めたのですが方角も良かったのでジェノアだけちょっぴり出してセール走行できました。

15ノット程度の予報でしたが、外に出たら最低18ノットでした。

なので三角波もたち始めていましたが、午前中は風がなかったのでまだそれほど大きくはなってなかったので、不快なほどではありませんでした。


この時からオートパイロットが変だなぁと思っていました。いつもならもっと敏感に反応するはずなのに、作動し始めるのに時間がかかっていたのです。でもこれまででも、横波が強かったり突風が強かったりするとオートパイロットが迅速には反応できずコースを外れることがあったので、特には気にしていませんでした。横波や突風への対応はマニュアル操船にかなうものありませんから。

ブルーの碇マークがマリーナのある場所で、目指しているアンカレッジは大きな緑の碇マークの場所。夏のシーズンには海水浴場としてにぎわう場所です。

風は予報よりどんどん強くなり、三角波も目立つように。




20~26ノットの間をいったりきたり。

ちょっぴりジェノアだけでなんと7ノット越えのスピードが出ました。

12時20分、目的地に到着。ここで一晩過ごして翌21日の早朝マルタに向けて出発です。



相変わらず風はまだ吹いていますが、岸側からの風なので波の影響はあまりなし。快適です。こういう場所は、風が強い方がウネリの影響を受けないのです。風が弱い時は横揺れが激しいアンカレッジのよう。


ビーチには波がブレイクしている。アンカリングした場所が水深4メートルぐらいなので遠浅のいい海水浴場だと思います。

夜になっても風はこんな状態でした。夕方6時、予報では18ノットですが実際はまだ20ノットは超えているだろうな、という風の音。でも砂地なのでアンカーの効きは良く、そういう場所ならロクナアンカーは断然信頼できます。ギリシャに居る時、メルティミの洗礼をさんざん受けていたので、25ノット程度はへっちゃら。アンカリング中に40ノットとかありましたから。

ディナーはギリシャコーフ島のスーパーで買ってきた冷凍餃子にご飯とお味噌汁の和風。コーフタウンの真ん中にあるイオニアスーパー、ギリシャでは珍しく日本食があって、そこには冷凍餃子もいつもあるんですよね。夏には枝豆もあったと思う。ごま油やキューピーマヨネーズもありましたが、今回はごま油だけ買っておきました。

夕方になって気が付いたら、次のアンカレッジに一隻碇泊しているのが見えました。あそこは二つの島の間の浅い場所の両側にアンカリングできて人気の場所。

翌日は朝4時起床なので、夜は8時頃には寝る準備をしました。夜中に風が収まったのですが、その割にはウネリはなくずっと平和な夜でした。

4月21日(日):マルタ島に行ける興奮で、私は目覚ましが鳴る4時よりも前に目が覚めていました。午前2時からずっと眠れなかったのです。主人も3時半ごろトイレに起きたので、そのまま出発準備開始。アンカーをあげたのが4時でした。予報では一晩中吹くはずの風は夜中から止まっており、出発時にもまだ風がありませんでした。でオートパイロットのスイッチを入れた時から、主人はすでに異変を感じていました。出発する前でもオートパイロットのスイッチを入れた途端にモーターの音がするはずなのですが、それがきこえなかったのです。でもかすかな音なのでそういう事もあるか、と思い、アンカーをあげました。

動き出しても結局オートパイロットが動かないことが判明。で、まだ夜が明けていない真っ暗な中プカプカ浮きながら、主人は急遽スターンバースの扉を開けてオートパイロットの本体が付いている部分を確認していました。なにやらプラグみたいなのを外したり、電気が通っているかを確認する計器でいろいろ「ピーっ」とやっていたのですが、午前5時、出発をあきらめることに。マニュアル操船なら問題ないのすが、マルタまで60マイルちょっとあるから6ノットでも10時間はかかります。それとマルタは共和国といえでも小さな島国。シップヤードもありますが、もし故障部品の交換などがあった場合、タイムリーにそういうのを手に入れられるかどうか不明。さらに専門のメカニックがいるかどうかも不明。そうなると、いくら島とはいえイタリア本土にすぐ近くのシシリー島にいる間に修理した方が賢明だと判断。暗いなか、またアンカーを下ろして出発を延期することにしました。

午前5時15分、21日の風向きを確認。午後から風向きが変わるのでこの泊地から離れないといけないことがわかりました。またMarzamemiのマリーナに戻るしかありません。特に月曜日22日はまた風が強くなるし。基本この辺りはいつも風が強いんですよねぇ。
まだ暗かったので、再び寝ることにしました。

8時半ごろ目が覚めました。朝ごはんも取らずに主人はまた早速オートパイロットの故障原因を探し始めます。電気系統の確認をしていました。ポート側のバースの奥の扉を開けるとラダー付け根の辺りにアクセスできるようになります。



ポート側のスターンのロッカーの下から主人の頭が覗いています。

幸い風はとても穏やかですが岸側から吹いていたので、横揺れ全くなし。


狭い所に潜ってご苦労様です。
チェックの結果、オートパイロットの電気系統には問題はないようで、ラダーを動かすハイドロモーターが作動しないことが原因のようだとわかりました。専門のメカニックに見てもらう必要があるのと、夜になるとこの泊地は安全でなくなるので、元いたマリーナに戻ることに。すぐに電話をして故障の事を告げ、メカニックに心当たりがあるかどうか聞きました。すると「いますよ。でも今日は日曜なので明日以降になりますけど。」ということだったので、ではこれからマリーナに戻ります、と連絡。再びアンカーをあげて移動、と思ったらマリーナから電話がかかってきて、「メカニックに連絡したら月曜日はシラク―サに午前中行く用事があるけど、それが終わったらやってくる、という事でアポイントを取りました。」というではないですか!何という良心的。日曜日だったら当然月曜日にならないと事が始まらないのはわかっていましたが、マリーナの人がメカニックに連絡してくれるとは思ってもいませんでした。最初に間違ったマリーナに入ってしまったにもかかわらず、別のマリーナと同じ値段でOKしてくれて、さらに出発時には一日無料にしてくれて、いい場所だなあって思っていましたが、まさかここまでやってくれるとは夢にも思いませんでした。出発を延期して本当に良かった。

午前10時44分、マリーナに向かいます。

中に入っていくと、テンダーに乗った人が迎えに来てくれていて・・・(前日の出発時にもテンダーでお見送りというか、「バウを押そうか?」ってアシストを申し出てくれたのです。バウスラスターがあるから大丈夫ですよってお気持ちだけいただいておきました。)
さらにポンツーンにも二人の男性が待ち構えていてくれました。前にいた場所と同じポンツーンでしたが、反対側に付けることになりました。これはおそらく風向きからだと思います。11時25分接岸終了。一番外なのでお迎えがないので、前よりもっと楽々でした。

せっかく修理したスターンにまた傷がつくといけないので、スターンには二つのフェンダーをぶら下げ、さらに距離もプランクが届くギリギリまで話しておきました。夜にかけて風向きが変わるのです。入った時はスターン側から風が吹いていました。

凄く期待していたマルタ行きが延期になって、しかもオートパイロットの故障ということで、修理までにどれぐらい時間がかかるかわからず・・・かなり憂鬱な気分でした。主人は朝起きた時からずっと故障の原因を考え続けており、取り合えずオートパイロット本体自体には異常がないことだけはわかり、おそらく原因はハイドロポンプのモーターの部分だろうということは見当を付けました。そのため精神的にはかなり疲弊していたようで、着いてから一旦お昼寝。午後1時近くになってから起き出してきて気分転換にランチにでかけることに。

オートパイロット自体は2020年に新しく購入したものですが、動きをラダーに伝えるハイドロポンプやモーター部分は30年ものなので、そろそろ故障してきても不思議ではありません。むしろこの時点で壊れてくれて良かったです。大西洋の真ん中でいきなり動かなくなったらとんでもないこと。これも不幸中の幸いってやつかな。

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