2021年10月14日木曜日

30ノット超え対策も万全&越冬地Chios島に決定しました!

皆さんこんにちは!Sailing Stamperウェラード里美がお送りする手作りカードとギリシャ船上生活レポの世界にようこそ!




Chios島に来たのは南下の途中地点だというのも理由の一つなんですが、第一目的は越冬するためのシップヤードを視察することでした!実際に訪問して、運営している人たちに会って話を聞いた結果、いっぺんに気に入りこの島でお世話になる事を決定しました。


10月12日(火):木曜日の夕方から金曜日の夜明けにかけて、南から最大で30ノットちょっと超えるメルティミが吹いてくるので、その対策の一つとして、主人はロープのすり減り防止カバーを作りました。頑丈なコンクリート桟橋ですが、ラインだけで繋がっているので、それが切れたらおしまいです。金属のわっかにこすれてラインがカットされないよう、穴が開いて空気が漏れてしまい使えなくなっていたフェンダーを切り刻み、ラインカバーを作ったのです。さらに、前日になったらラインを増やし、ブームもロープで固定する予定。

私たちが係留している側は南からの風が吹いても、波の影響は受けません。反対側のスウェーデンの方のヨットは、すでに押し寄せる波でかなりゆらゆらしていました。

とても美しい形をしたヨット。ブームが2つ重なっているように見えて、不思議な形でした。聞いてみると、上に乗っかっているブームは本来もっと上にあがっていて、セールが四角系だそうです。オランダの船だそうです。33トンの重厚感は見ただけでも感じました。でも操船は結構難しいらしく、この場所で波を受けちゃうので、別の場所に移動したいと言われていましたが、風によって岸に打ち付けられている状態。しかもバウスラスターがないので動けないのです。移動する際はお手伝いしますよ、と声をかけました。

この日は、午後からお天気が悪くなってきて、雨模様の空。午前中にスクーターを借りていたんですが、これから数日は金曜日にかけてお天気が崩れていくのでスクーターを車に変えてもらいました。予めそれも確認しておいて差額だけでOKということだったので、すぐに交換。トヨタ車でとっても可愛い車、一日20ユーロです。

午前中ゆっくりしていたし、メルティミ対策で主人が工作をしていたので、行動を開始したのはすでに午後3時近く。せっかくレンタカーをゲットしたので、ドライブに出かけることに。主人は小腹がすいた!とのことでChiosメインポートに行きました。


ここのタウンバースはこの季節、ガラガラに空いてます。大型フェリーや漁船も来るのでビジターが係留できる場所は決まっていますが、かなり余裕がありました。

このあたりにビジターが係留します。30ノット越えのメルティミ避難としても、風の方角的は守られていますが、フェリーが起こす波の影響はある、というのを係留していた方に聞きました。今まさに出航したヨットはトルコの国旗を掲げていました。面白いことに、このヨットの向こう側4隻とも全てトルコ国旗のヨット。だって、ほんのお迎えがトルコにCesmeなのです。この港からも見えるぐらい近いのです。レスボス島に行くより近い!

無料マリーナは風が起こす波の影響は受けない場所なのですが、風はかなり受けると思うので夜中にかなりうるさいでしょうし、船体も少し揺らされると思います。それでこっちの方に移動することも視野にいれて視察したんですが・・・・タウンバースの場合、前方はアンカーを打って固定、後ろを岸とラインでつないで固定となります。風向きにもよりますが、当然船体は多少左右に揺さぶられるんですね。アンカーはできるだけ遠方に落としてチェーンを長くしておけば流れる心配はないのですが、風からは守られてても、大きな港内にあるタウンバースは位置的に風が起こす波の影響は避けられないのです。さらにお向かいのスウェーデン人の方からきいたんですが、このタウンバースにいたのですが、フェリーの立てる波が気に入らなくて、無料マリーナに移動したとのことでした。ま超強風時にはフェリーは運航していない時間ですが、それでも波の影響は無料マリーナよりも激しくなるはず。いろいろ考えた結果、頑丈なコンクリートに横付けしている今の方が安心、と判断し、移動するのはやめました。

軽くランチ(主人だけ)をした後、問い合わせをしたシップヤードを下見に行きました。レンタカー屋さんに聞いたら、その辺りまで車で1時間弱かかるとのことでしたが、グーグルマップで見たら25分ぐらいで着くらしい。な~んだ。結構近いじゃん。
最初は、一番南のクレタ島で越冬したかったんですが、SATOMI号サイズを持ち上げられるクレーンが島にはないと聞き、立地条件がいい場所にあるマリーナは人気で一年まち・・・であきらめ。次の候補はRhodes島でした。Rhodes島のマリーナの隣にあるシップヤードはプレべザのクレオパトラマリーナと同じような設備で、マリーナバースはクレオパトラの何倍もの大きさです。豪華パワーボートも持ち上げられる大型クレーンがあり、マリーナ内にジムやレストラン、スーパー、診療所まであるのです。街の中心にも近くとっても便利なんですが、お値段は結構はります。ま、クレオパトラの時とそれほど変わらないんですが、ギリシャの水準からいくとクレオパトラはお高い方。勿論その分設備が整ってますけどね。さらに、クレオパトラと違ってRhodesの方は、自分で修理ができないんです。つまり全てお金を払ってマリーナのメインテナンス部門におまかせしないといけない。
ん~どうしようか。Rhodes島は観光地で都会だから冬ごもりするのに退屈はしなさそう。国際空港もあるし。ハードスタンド上にあるうちは、アパートを借りる予定なのですが、物件が沢山ある分、いい場所がオフシーズンはお値打ちに借りられるんですね。Chiosの方は、レンタル物件自体が少ないので、え?こんなのがこの値段?って言う感じだったんです。いくらハードスタンド上に保管する金額が安くても家賃が高かったら同じかなぁ。それに島の規模も小さいし国内空港しかないし・・・とあまり乗り気でなかったのです。

シップヤードに着いた時は夕方5時を過ぎていて、事務所には誰もいませんでした。
かなり辺鄙な場所で・・・この時点はあまりいい印象はなかったのです。

街にもどり一旦SATOMI号に戻ってちょっと休憩してから、夜7時頃またおでかけ。ディナーのお店を探しに行きました。港沿いから一本奥まった通りにパスタのお店を発見。メニューを見てみたら、結構いい感じ。



前菜はマッシュルームとゴルゴンゾーラチーズ!私の大好きなポルチーニマッシュ―ルームも入っていて、グリルするとまるでお肉のような食べ応えで美味しいのです。

私のメインコースはビーフのゴマ醤油マリネ焼き。アジアンテイストです。やっぱトルコとの行き来が、レスボス島よりさらに気軽だからかな。

主人はポークのシトラスソースと野菜グリル。こちらも美味しかったです。パスタのお店なのにそれ以外のもので、おしゃれな料理があるのが一度に気に入りました。島の規模はレスボスより小さいけれど、街の中をさっとドライブした印象ではレスボスのMitliniより開けているんです。少なくとも1つはお気に入りのレストランが見つかり、Chios島に対する印象がかなりアップしてきました。

10月13日(水):この日は一日とても穏やか。嵐の前の静けさでしょうか。午前中主人はオーストラリアの政府機関に電話、私はギリシャに日本大使館に電話して、年末近くに入国する際に必要なことを確認しました。日本の場合は、私だけなら到着後の検疫とかもありますが無理ではないのですが、日本人でない場合は現在ビザが必要になっているんですね。日本人の家族と一緒に帰国する、など特殊な理由以外入国が認められていません。そこで主人がビザを取得するために必要な書類を確認しました。オーストラリアの場合は、現在入国時に一人3000ドルの検疫ホテル代がかかります。11月1日以降はそれがなくなるという噂もあり、徐々にシドニーがあるNSW州もロックダウン(いまだにやっておるんです。)が完全解除になる日も近いということで、それが今後どうなるのか、さらに一旦オーストラリアに入国した後、ちゃんと出国できるのかを、ギリシャにあるオーストラリア領事館に問い合わせていたのですが、それはNSW州の保険局に聞いてという返事でした。日本、オーストラリアとも、里帰りできそうな兆しが見えてきました。

その後、前日見に行ったシップヤードにもう一度いくことに。

今日は営業中だったので、あちこちで動きがあって、活気がありました。シップヤードのリフティング担当の方に、どうやってハードスタンド上に上げるのか質問。

クレーンではなく、このスタンドが水の中に入っていってヨットをすくいあげる感じになるのです。SATOMI号の重さ、サイズは全く問題ない、とのこと。湾内に浮いているSATOMI号にこれが下から入り船体の幅に合わせてサイズを変えてSATOMI号を固定してから陸に移動させるそうです。水陸両用車?!
倉庫みたいだったのはワークショップで、中では木工作業もできるようになっていました。ニスが塗られた美しいウッドパネルが何枚も並べてあり「お宅でこの作業もやれるんですか」と聞いたら「はい、なんでもやれますよ。」とのこと。プレべザの大工さんよりいい仕事みたいだった。

スケジュールがまだはっきり決まっていないので、どれぐらい事前連絡をすればいいのか、と聞いたら「一週間前に連絡をしてくれれば大丈夫」とのことでした。その後事務所のお姉さん(ここで働く唯一の女性だそうです。)に会いに行きました。すでに問い合わせをしていたので、名前を言うとすぐにわかってれました。料金表を見せてくれて、連絡は数日前でも大丈夫よ、とのこと。とてもフレンドリーで技術担当の方も気さくで、とにかくとてもウェルカムっていう雰囲気が伝わってきたんですね。さらに、滞在中はアパートを借りることになると思うけど地元の不動産屋さんとかご存知ですか?と聞いたら「不動産屋との繋がりはないんですが、私の方でリサーチしておきますよ。ホテルがいいですか?アパートがいい?1ベッドルームでいいんですよね。」と快く引き受けてくれたんです。もうこれで完全に決まり。

その後、下の写真の後ろのヨットの方にリフティングは実際にはどんな感じだったか聞きましたが「安全にしっかりやってくれましたよ。」とのことでした。主人はどうやって持ち上げるかがすごく気になっていたので、それがわかって納得できたそうです。

帰り道の車の中で「決定だね。ここ、いいよね。お値段も激安だけど、何より働いている人たちが信頼できるいい人たちだね。」となりました。島の雰囲気もとても気に入ってきたしもともとフレンドリーなギリシャの人たちの中でも、さらにフレンドリーな感じなのです。
本土のプレべザよりも、この島の方がおしゃれなお店が沢山あるってのも不思議!

ということで、今年の越冬地はChios島に決定しました。オーストラリアや日本への帰国がどうなるか、によって早ければ11月にはハードスタンド上に上がることになり来年3月までセーリングはお休みとなりますが、里帰りができなければ11月一杯までは、このあたりをウロウロするつもりです。

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