2022年7月2日土曜日

動画:誰もいない小さな入り江でLong Lines Ashoreに初挑戦

皆さんこんにちは!Sailing Stamperウェラード里美がお送りする手作りカードとギリシャ船上生活レポの世界にようこそ!




6月30日朝レストランモーリンを離れ誰もいない小さな入り江で初めての、岩場にラインをくくりつけての係留に挑戦しました!

6月29日の夕方から、どんどんチャーターヨットがやってきて、さらにはフローティラという軍団でチャーターヨットが移動するグループまでやってきたので、レストランモーリンは大盛況。レストランが込むことが予想されたので、夕食は6時半ぐらいに行きました。
やっと主人が普通に食事ができるようになったので、この日はちゃんと2人前オーダー。

奥の方にオーストラリアの国旗を見つけました。
ラムチョップ。3つだけでなんと500リラ!オーストラリアドルだと50ドルだよぉ~。お店で一番高い料理だったんですが、食べたかったので。美味しかったから許せるけどねぇ。お食事しないでモーリン代だけ払う方が多分お安いと思うんですが、せっかくこういう場所に来てるんだからね。これも体験のうち。
デザートのスイカ。とってもみずみずしくて甘かった。


6月30日(木):朝8時半出発。昨晩主人と今後の予定を話しあったのですが、このあたりのアンカレッジはどこに行ってもこういう感じになるし、これからどんどん暑くなっていくので、これ以上南下せずにやっぱ北上しようってことになりました。フェティエみたいな超観光地からは早く逃れたかったので、フェティエの近くにあるギョチェックという場所はすっ飛ばし、進んでいくことに。

本日の目的地は、20マイルちょっとの近場です。この時点ではおおよその行き先だけ決めてました。この日は風が全くないことがわかっていたので、最初からエンジン走行。この先数日こんな調子みたいなので、セール出来る日を待つよりも、今のうちに少しづつ北上します。

海もまっ平。出会うヨット全てエンジン走行していました。メインセールを上げるほどの風もなくて、SATOMI号含めてどのヨットもセールを上げず、モーターボート状態でした。

お昼辺りから10ノットちょっとぐらい風が出るので、それを待って出発しても良かったんですが、前日の観光船の嵐をかいくぐって出発するのは面倒だったので(その周囲には人が泳いでるんで近くを走行するのはちょっと危険。)騒がしくなる前にさっさと離れたかったのです。移動中、今日は小さな入り江に入って、これまでやったことがないスターンラインを岸の岩場にくくりつける係留方法を試してみようっていう話になりました。とても穏やかな天気だし、狙っている場所は小さいのでチャーターヨットや大型観光船は絶対来ないと思ったんですね。もしスペースがなくても、近くに別の広いアンカレッジがあるので、大丈夫。

ということで、12時ごろ、Devil’s   Coveという入江にやってきました。実はこのすぐ隣に同じような入り江があって、最初そこに行こうと思ってたんですが入って行くと、すでに小さい観光船がビーチ付近に係留していました。SATOMI号サイズだともうスピースがないねっていうことで、第2案だったDevils Coveに移動。

ラッキー誰もいない!SATOMI号サイズだと他に誰かいたらここも無理っぽかったのです。それに、後ろを岸に固定するとは言え、なるべく真ん中あたりに係留したかった。というのは、入ってきてすぐわかったのですが、外からの波がぐるりと回りこんで、両側の岸壁に反響して横揺れを起こすタイプの波が発生するみたいなんですね。だから岸に近い位置にいるとその影響を受けやすそう。この日は翌日までずっと穏やかな天気で風も波もほとんどない予報とはいえ、初めての場所は用心に越したことはありません。

まずはアンカーを水深30メートルぐらいの場所から降ろし始めました。そのままどんどんチェーンを出し続け、これまで見たこともないカラー(チェーンの長さを把握するため10メートルごとに色分けしております。)まで出しても主人が「ストップ」って言わないんです。残りのチェーンがあと5メートル残っているかどうか、まで来て心配になってきたところで、主人がでっかい声で「ストーっプ」と叫びました。

その後、後ろのラインを岩場に結び付けます。簡単それだけのことなんですが、主人が一人でラインを付けにいくので、結構時間がかかります。それにどれぐらいまで岸に近づけたいかとか、ラインの長さが十分到達するのかっていうのも、初めてだから最初からはわからず、取り合えずアンカーのチェーンを長めにしておいて、ラインも長めにしておいて、つないでから調整しようってことに。

そうこうするうちに、船体がうねりにおされて横向きに移動していきました。通常スターンラインを岸に繋げて係留する場合、流れもなく穏やかな場所でやるみたいだし、私達が見たそれをやっている船には3人以上乗っていて人手があるので、同時に二人がラインを岸に運んでいったりしていました。二人だけでやっているのを実際に見たことがなかったので、とにかくやってみるしかない、という状態。まずは船体をアンカーを下ろした位置にまっすぐになるように戻すため、スターボード側(右側)のラインから固定することにしました。最初は私が引っ張っていたのですが(主人はテンダーでくくりつけてにいってたので。)どんどん重くなっていき、最終的には主人がもどってからウィンチして、位置を立て直し。これで取り合えずアンカーを入れて2か所固定できました。

次に、ポート側(左側)のラインを小さなビーチのあの岩に固定します。でも長さが足りなかった!このライン60メートルあるんですけどね。

で、ヨットに繋げている方に別のラインを付け足し。それでやっと岩にくくりつけたチェーンのわっかに繋ぐことができました。その後、ヨット側のラインをまたウインチで引き戻し、同時にアンカーをチェーンを引き上げたりまた出したりバウを固定させます。


1時間ちょっと奮闘したかな。やっと出来上がり!!!

まだ午後2時前ぐらいだったのですが、ランチがまだったので早めの夕食も兼ねてカレーを仕込み始めました。

最初にラインを付けた位置が、入り江の真ん中にある岩の出っ張り右側が近くて、そのため跳ね返ってくる波の影響で少し横揺れが発生していたんですね。それで、主人が「場所をずらした方がいいな。」って言い出して・・・私は内心もうめんどうだったから無視して料理を続けてました。

カレーを煮込み始めてから外に出ていくと、なんと位置が少し変わっていた!もともと左側のラインを付けていた場所に右側のラインが着いていて、左側は左の岸壁に飛び出てる岩に着いていました!主人が一人で移動させてたんです。「2回目だったし、1個づつ移動させたから最初より要領よくできた。」とのこと。

これで、入り江の真ん中に近い場所に移動しており、アンカーを起点にいい感じの三角形になり、ますます安定しました。入ってくるウネリに対してもより正面に近くなり、揺れがほとんどなくなりました。

その時の動画です!ぐるりと回りを一周お見せしているので、どんな場所にいたかわかっていただけるかな。

 


午後3時、遅め&早めディナーのカレーライス。日本食、久々だなぁ。っていうかディナーを料理したのが久々です。

アンカーもチェーンがまっすぐに伸びてしっかりテンションもかかっています。

海水がとてもきれいで、ヨットの後ろからドボンと何回も入って涼みました。主人は岸まで泳いで戻ってきた!

夕方になって、テンダーで入り江内を偵察。

小さなビーチに上陸だ。シュノーケリングマスクを持参しました。

入り江の真ん中に左のこのでっぱりがあり、もう一つ小さい入り江があるんです。


でっぱりの反対側からみSATOMI号


この岩に右後方のラインを付けた鎖のわっかをひっかけています。

水が本当に透明。それと砂利ビーチのすぐ近くまで結構深くて、私は足がつきませんでした。


初めて、しかも二人だけで長いラインを岸に繋げる係留方法をやってみて、達成感特大!普通にアンカリングすることもできますが、SATOMI号サイズだと安全にスイングするだけのスペースはないので、後ろを固定しない限り、ここに碇泊することは無理でした。誰もいないとても静かなきれいな入り江、今までだったら諦めていたタイプの場所でした。でも一度やってみたくて・・・・今回思い切って挑戦してみて、本当に良かったです。これでなんとなく要領がわかったし、時間はかかったけど2回目はもっと上手にやれると思います。

この後平和に夜は更けていったのですが、夜7時半を過ぎたぐらいから、潮の流れが変わる時間だったのか、昼間よりも大きなうねりが入ってきて、横揺れを始めました。それでも危険を感じるような揺れではなく、時々大きく揺れるので、うっとうしいな、っていうぐらい。眠れないほどの揺れではなかったのですが、残念なことに、念のためアンカーウォッチのアプリを設定していたら、衛星のGPSが回りの岩に反響してからかエラーがに発生してアラームが鳴り、起こされてしまうことが数回あったんです。アンカーはびくとも動いていないのに、アンカーウォッチ上だと設定範囲を超えて、まるでアンカーが流れしまっているかのような軌跡を示してました。でも実際は全然動いてないんですけどね。だからアラーム設定しなくてもいいんですけど、主人は「やっぱ念のためセットしておきたい。」とのことで、アラームが鳴ると都度起きていって確認していました。

もし、後ろを固定していなかったら、きっと狭い入り江ないをスイングしてしまい、岸壁に近づきはしないかと、一晩中ハラハラドキドキで不安な夜だったと思います。

夜明け前ぐらに揺れがほとんどなくなり、その後はおひさまの暑さで目が覚めるまでぐっする眠ることができました!涼しいそよ風が吹いていて、本当に気持ちよかった!

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