2022年9月29日木曜日

スムーズナイトで14時間到着したらレインストーム! 

皆さんこんにちは!Sailing Stamperウェラード里美がお送りする手作りカードとギリシャ船上生活レポの世界にようこそ!






9月27日午前10時、14時間の長時間セーリングの後無事カラマタマリーナに到着しました。今回は波をほとんど感じないスムーズオーシャンで、タックを4回を繰り返して風がある限りセール走行を粘りました。だから時間がかったんですけどね。


カラマタマリーナー一番奥は便利なのです。

9月27日、夜7時から出発準備開始。明るくなってからカラマタに到着するには夜8時に出発すればよかったんですが、まだ日があるうちにメインセールををあげたかったので7時32分、離岸しました。

港を出て直ぐにメインセールを上げて、しばらくはエンジン走行。私は夜10時からのウォッチ当番に備えて、すぐに休憩に入りました。8時45分にはエンジンが止まる音がしてジェノアを出してセール走行に変わりました。本当だったら寝てないといけないんですが、午後にお昼寝もしていたので、眠くならず、ソファに横になって休んでいました。外の様子はわかりませんですたが、前回のナイトセーリングより全然スムーズなのがわかります。船内の方が外より揺れを感じやすいんですが、もう段違いに穏やかだった。

夜10時、私のウォッチ当番開始。30度の風向きになるように走行し続けるように設定してあるそうです。その場合、多少ペロポネソス半島の外側を目指す進路になったとしても、後で変更すればいいので、そのまま気にしないようにと指示を受けました。それとさすがに本土日近づくので海の交通量も増えており、シャート上に現れている船舶の数がこれまでと比べて格段に多かったです。

10時30分、このままだったら、タックせずに半島の左側に行けそうだなぁ。スピードは常に5ノット台を保っていたので、いい感じのスタートでした。

夜11時17分、注意すべき船舶は特にすぐにはないみたい。でも個人のセーリングヨットなんかはAISを持っていないものも結構あるので、目視での確認は怠れません。幸い、曇りがちながらも、雲の切れ目もあるようで、星も結構出ていました。

海がスムーズなので、とっても快適で、ウォッチしながらごそごそしました。さすがに夜だから写真を撮るとこんな風に真っ暗になってしまいますが、ふと思ってフラッシュをたいてみた。

すると、お~結構映るね。携帯のカメラで撮影しておりますが、かなりはっきり映ります。

では海の様子も撮れるかなって思いましたが、さすがにフラッシュが届くのがこの程度。波はほとんどないのです。全然ないわけじゃないですが、予報によると0.5メートルの高さの波が4秒間隔でくるということでした。これは前回のオーバーナイト時の半分ほどの規模。本当に前回はしんどかったなぁ。後で主人と二人で「今後はああいう波の状況はオーバーナイトはしないことにしよう。」と決めました。船的には全く問題ない範囲でもそれに乗っている人間には問題ありでしたから。

時間がたつにつれて、角度を30度ちょっとに保って進んでいるうちにどんどんスターボード側に進路が変わってきて、そのまま進んでいると半島の右側になってしまい岸に衝突しちゃうので進路変更が必要になったので、主人を起こしました。午前0時16分、1回目のタック。

0時56分、2回目のタック。チャート上だと後方にいる船舶がすぐ近くに見えますが、実際はかなり距離が離れています。

午前1時34分、3回目のタック。2回目のタックの際半島の左側に入ることができましたが、そのまま岸に向かって進んじゃう形となったので3回目が必要になりました。これなら4回目のタック後は目的地のカラマタめがけて一直線になるはず。ということで、4回目は私がウォッチを終了する午前2時前に行いました。この時、AISにはなかった位置に明かりが見えたので、主人に報告。私達の左前方に赤ライトと白いライトが横一列に見えたので、相手の船舶の左横が見えていたわけです。つまり私達のバウを横切って通過したわけですね。距離は十分あったので危険はありませんでしたが、もしもっと近かったら何か対処が必要だったかもしれないので、目視の重要性をあらためて認識しました。

さすがに疲れていたので、ウォッチを終了してほっとしました。うとうとしているうちにエンジンを付ける音がしたので、メッシーニ湾の中の方に入ってきたんだなと思いました。内側に行けば行くほど風が弱くなる予報だったのです。この日は湾の反対側の北の方では25ノット以上の強風が吹き荒れている予報でした。

いつの間にか眠っていたみたいで、気が付いたら外が明るくなってきたので、時間を観たら6時をちょっとすぎていました。私の休憩は午前6時で終了ですが、私が寝居てたから主人は起こさずにいてくれた模様。でも目が覚めたので外に出ていき交代しました

午前7時。目的地カラマタに続くメッシーニ湾沿いの岸が右手に続いています。昨夜にもまして湾内はさらに穏やかでした。
すでにジェノアは巻き入れてありメインセールだけを上げてエンジン走行していました。体感風速が5.2ノットで、船のスピードが6.5ノット!風より速い。潮の流れに押されているのかな。
7時ちょっとすぎ、主人も起きてきました。

8時54分、前方にカラマタ港への入港待ちの貨物船が見えました。カラマタは大きな貿易港なのです。
カラマタの街だ!日が昇ってからもお天気は曇りがちで、雨が降りそうでした。


メインセールを下ろし、フェンダーを設置してマリーナ入港準備開始。9時17分。

9時30分、マリーナは肉眼でもすぐそこです。無線でマリーナに予約していたSATOMI号があと10分ほどで到着することを連絡しました。ここには昨年7月に来たことがあるので、中の様子も広さも検討が着くので安心です。ホームポートを持たない私たちは、ほぼ毎回未知の場所に到着なので、同じ場所に戻ることは滅多にありません。なので、毎回ドキドキハラハラがつきもの。特にマリーナって中の広さがわからないし、どこに係留するのか自分で選べないから余計に緊張します。でもカラマタはわかっている場所だから全然平気でした。一度行った場所にまた行くのってこんなにリラックス状態なんだな。

指示された場所は入り口から一番奥でした。一直線なのでその場所が最初からわかっていたらずっと後進してったと思いますが、入るまでわからなかったので、途中で方向転換したんですが、それだと後進した時にプロップウォークの影響が収まるまでの距離がなく、バウスラスターを使えない今は、バックのままでは船体をまっすぐに保てなかったので、結構苦労しました。前進にギアを変えて方向を整えて、すぐに後進に変えて・・・と車で行ったら狭い駐車場にTの字状態で入って行くために切り返しをした感じ。バウスラスター不具合はもう昨年から3回以上発生していますが、全て違う要因なのです。今回はバウスラスターのバッテリーのチャージャー自体がダメになってしまい、せっかくソーラーパネルで充電しても、それが補充できていないのです。なので今バッテリーに残っている分を使い切ったら、今度はバッテリーがダメなっていまうので、使用できない状態、ということ。バウスラスター自体が故障したわけではないんですよね。

10時5分、ゆっくり時間をかけて体制を整えつつ、最終的に一番奥のバースにちゃんと接岸できました。風がなくて本当に助かりました!風があったら、マリーナスタッフにテンダーを出してもらいバウを押してもらわないといけないかなって思ってたので、予約の時にその旨を伝えてありました。一番奥のバースは、マリーナオフィスやシャワー、トイレの建物の真ん前で、とっても便利な場所。

チェックイン手続きを終えて、一息してからお迎えのカフェで朝ご飯に行きました。でももう11時近かったけどね。長かったなぁ今回。出発が昨晩7時半だったから、14時かかったわけです。でも海が穏やかだったから、気にならなかった。それに半分ぐらいはセール走行できたし。

ランチを終えてヨットに戻ったら、途端に雨が降り始めました。そのうちに豪雨状態になり風もビュービュー。マリーナ内でも結構ウネリが入ってきて揺れるようになりました。元々カラマタマリーナはウネリに影響されるマリーナで、今回の一番奥はかなりましなんですが、入り口近くのバースなんてすごい揺れるんですよね。南風だとかなり不快になります。
この豪雨は南風でした。

視界が悪くなるぐらい豪雨。走行中に捕まっていたら大変だったなぁ。風も20ノットは軽く出てたと思うし。地方の天気予報をチェックしたら大雨注意報が出ていました!数時間降り続けて夕方になってやっと止みました。

雨の中でも、外で作業開始の主人。キャノピーは防水なのでここは濡れません。何をやっているかというと、Ray Marineのこの丸っこい部分を取り外しているんですね。ここがチャートプロッターの頭脳の部分。ソフトをアップグレードしたら不具合発生になり、Ray Marineに送り返して調整してもらわないといけないのです。パソコンがアップグレードしたらクラッシュしたみたいな感じ。
後ろに穴があいているから、不格ですがビニール袋をかぶせて保護。この後すぐにクーリエ会社に持って行って発送しました。

もう一つ早速取り掛かったのは、ストームジブ用のハリヤードを固定していたひもが切れてゆらゆらになっていたので新しいヒモで固定。走行中に切れてたそうです。
これはヒモじゃなくて針金のハリヤード。古いタイプのシステムだそうです。

スピニカハリヤードと共にいつもここに引っ掛けて固定していました。

その後、マリン冷蔵庫の技術者の人が見に来ました。カラマタに来ると決めてからすぐに主人が手配したのです。カラマタのいいところは、ここ。船舶関係の故障やメンテナンスに関しての専門技術者が見つかりやすいのです。しかもカラマタは観光産業で栄えている都市ではなく普通のギリシャの大都市なので、マリーナにある船舶もチャーター船や観光船はほとのありません。(1隻チャーター用らしきヨットは見たけど。)だからマリン関係の技術者も常にプライベートオーナーを相手に仕事をしているので、妥協を許さない仕事ぶりが要求されるているのではないかな。冷蔵庫を見てもらい、どうもコンプレッサーが原因らしいとここと。もう古い型式なので、部品を取り換えて修理、ということは無理でコンプレッサー自体を新しいものにする必要があるようです。でもそれ以外の部分は今の物でも大丈夫だということで、堅実な診断をしてくれました。ただ、あまりやりたくない仕事みたいで、次にハードスタンドに上げた時にやればいいと最初半ば断られたようだったのですが、主人が「それでは次の1カ月半冷蔵庫無のままで過ごさないといけない。」と言ったら、様子がが変わり「じゃあ、明日見積もりを出します。」と気持ちを変えてくれたそうです。それを見て主人は、この人は信頼できると感じたそうです。単なるお客ではなく、私達が不便な状態でセーリングを続けることになるということを理解してくれたわけです。

冷蔵庫を見てもらった後夕方6時過ぎ、チャートプロッターの「頭脳」の部分を発送するため、街にあるクーリエ会社に行き、その帰りにマリーナの反対側の奥の方にある、レストランにディナーに行きました。昨年マリーナに来た時にとても気に入っていたお店です。

まずはタコのカルパッチョ。タコ自体はあまり好きじゃない主人ですが、これはとてもおいしくて予想外に気に入ってました。私としてはちょっぴり誤算。少ししか食べないだろうから私がたらふく食べようっと思っていたからねぇ~へへへ!

メインはここに来た理由のステーキ!ギリシャでは一番ここのお肉が焼き加減といいお肉といい、最高です。勿論私たちが行ったことがある中では、ということですけど。私はマッシュルームソース。
主人はブラックペッパーソース。私はお肉がデカすぎて食べ切れなかったけど、主人はきれいに全部完食していました!

サービスで出てきた甘いもの。リンゴに蜂蜜がかかっていました。香りがとってもよかったのでシナモンとかもかかっていたかも。美味しかった!今日のディナーは主人がワインやウィスキー、カクテルまで飲んでいたので、いつもよりちょっとお高めでしたが、14時間のロングセーリングを終えた自分達へのご褒美です。

カラマタマリーナにはとりあえず一週間いますが、観光など遊びに行くことはあまりないと思います。なんといっても修理リストが山積み。主人が自分でするものはバウスラスターのチャージャーを変えることぐらいなのですが、専門家に依頼してやってもらうべきことが冷蔵庫以外にも数点あるので、それに明け暮れる毎日になることでしょう。でも私も今週末に日本のクラフト仲間とのオンラインイベントがあるので、全然退屈しません!あ、それに指の怪我の抜糸のためにメディカルセンターにも行かなきゃいけないし。あと1回ぐらい行くぐらいでは治りそうもない状態だしねぇ。カラマタに来ていろんなことを進められるので本当に良かったです。

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