2022年9月4日日曜日

やっちゃった!古代の港跡で座礁

皆さんこんにちは!Sailing Stamperウェラード里美がお送りする手作りカードとギリシャ船上生活レポの世界にようこそ!





9月2日午後にミコノス島からすぐ近くの遺跡の島デロスに移動したんですが、古代の港跡部分に乗り上げてなんと座礁してしまったのです!SATOMI号大ピンチ!!!


2日は風はほとんどない日だったので、ずっとエンジン走行でミコノスから移動しました。ヘッドセールも出さず、モーターボートのように走り続けました。こういうのつまんないなぁ。向かった先は遺跡の無人島デロス島です。遺跡のすぐ近くにアンカリングできる場所が数か所あるのですが、風があまりない日の方がいい場所です。ちょっとしたワーフもあるのですが、そこは入れ代わり立ち代わり観光船が来るので、夜遅くから翌朝までしか係留できません。

丁度1隻のキャタマランが出ていったところでした。観光船の通り道にもなっているので、あまり何隻もアンカリングできないので、着いた時、他に誰もアンカーしてなかったのでラッキーと思いました。

で、いつものように大きくサークルを描いて水深を確認したんですね。チャートにも示されていますが、古代遺跡の昔の港部分が現在は水面下になっているのですが、かなり出っ張っているのですよ。私はバウで確認していたのですが、前方にかなり浅いと思われる部分が見えてきたので「浅いと思うよあっち!」と主人に伝えました。主人もチャートを見ていたので場所はわかっていたみたいですが、それにしてもかなり接近しているなぁ~と思った次瞬間、「ドドド~、ゴンゴン」と大きな音がして振動と共に、止まってしまった!

やば~い!!やっちゃったよぉ~。古代遺跡の港跡に乗り上げちゃったよぉ~!!!どうもチャートで示されている位置よりもさらに出っ張っていたらしく、ギリギリを走行して水深をチェックしていたのですが、実際はもっと出っ張っていた!!

水深系はセロを指しておりました。SATOMI号のキールは2メートルですが、フルではないですがロングキールなんですね。なのでキールの下部分は結構幅があって平らなのです。なのです。大昔の石のワーフなので比較的平らみたいですが、それでももうしっかりはまってしまったようで、バウスラスターでポート側の深い方にバウの向きを変えようとしても全くだめ。エンジンを最高にふかして後進してもびくとも動かず。前進と後進を繰り返し、なんとか振動で動くかなって思って30分ぐらい奮闘しました。

でも結局びくとも動かず。風がないのは幸いですが、逆に風向きによってはセールを上げてその力とエンジンで横滑りさせる方法も考えられたのですが、あいにく風なし。あっても岸に向かって吹いていたので、もしこれが強風だったらもっとやばい状態だったと思います。ちなみにオーストラリア航海時代に前のヨットで一回夜中に座礁した経験があります。その時はアンカーしていてスイングした際にスターンが川の岸の方の浅い方に乗り上げちゃってついには横倒しになっちゃった!エーゲ海より干満差が激しいオーストラリアなので、その時は満潮になってくるのを待ち、自然に浮かんで真っすぐに戻るのを待ちました。それからセールを上げて風に押されて無事スターンも抜け出すことができたんですよね。

今回は海底が石畳みみたいな場所で、キールはロングキール。もし前のヨットのようにフィンキールのヨットだったら被害はもっとすごかったと思います。少なくとも、SATOMI号は横倒しにはならないし。調べたら、一番干潮の時間でした。満潮は夜の9時。それまで待っても20㎝ぐらいしか変わりません。午後3時ちょっと前だったので、他にフェリーとか観光船が数隻いたのです。なので、助けてもらえらる可能性がありました。夜9時まで待って自力で抜け出そうとした場合、それがダメだったら一晩中スタックしたままになっちゃいます。

やっぱり助けを求めよう、ということになり主人がテンダーで港の方に向かいました。

すぐに戻ってきて「黄色のラインを出してきて!」と言いました。スターン・トゥー用の浮くタイプのラインで60メートルあります。主人がそれをバウに付けていると、クラッシックなタイプの、漁船にマストがついたような形のボートがやってきました。「SATOMI号より小さいけど大丈夫なのかな。」と聞いたら主人が「きっとこれよりも重くて頑丈だよ。それに馬力が大きいモーターらしいから。」とのこと。

早速私達のバウラインを主人がテンダーで、その船に渡しに行きました。
バウをポート側に横滑りさせてもらうため、横から引っ張る形にしてもらったら、ガガガ―という音がして海面が茶色く濁りると、次の瞬間SATOMI号がふわっと浮き動き出したのがわかりました。その間5分もかからなかった!やった!!!成功。水深的には2メーター(SATOMI号的には0メートル)から4.5メートルにいきなり変わりました。
もう嬉しくなって、バウに出ていき「ブラボー!!エフカリスト!」と大声で叫びました。ボートの人も大きく手を振ってくれて「良かったね~」と言ってくれているようでした。

やっと自由の身になったのですが、気になったのはキールへのダメージ。
すぐにアンカーを落として、主人がダイビングの準備を始めした。とてもクリアな海水、アンカーが落ちた瞬間に砂地に埋まるのがくっきり見えました。

あのままあそこにスタックして私たちまで遺跡の一部になっちゃうところだった。ちなみに牽引してくれたボートの方には謝礼をお支払いしました。求められたわけではなのですが、ガソリン代だってかかるわけですからね。後でわかったのですが、そのボートは観光船で、丁度お客さんが遺跡見学をしていてクルーの方は時間があったのです。すごく快く引き受けてくれて「誰にでもあることだから、気にしないで。これからの観光を楽しんでくださいね。と、とてもすがすがしい方でした。

スキューバつけて、早速潜ります。


大丈夫かなー。どーなってるかな!

ものの数分で主人は戻ってきました。キールどうだった?と聞くと「底に引っ掻き傷ができた程度だった。」とのことで大安心。次にハードスタンドに上げた時にアンティファウルを塗り直せばいいだけです。(キール底部分にはコッパーコーティングしてないのです。)ラダーにも全く異常なし、ちょっと引っ掻き傷ができた程度だったそうです。ほっとしました。これがもしフィンキールのヨットだったらもっと深刻な状況になってたかも。今後はもっと慎重にいかないとね。

夕食は前日の残りのチリ・コン・カーンです。2日目は更に美味しいのだ!

夕方涼しくなってから、遺跡のワーフまで行ってみました。チケット売り場で聞いたら朝8:00~夜8:00まで開園しているとの事。翌日朝イチに見学する事にしました。

日が暮れてきた遺跡。
アンカリングしてるのは緑のアンカーマークの隣の青丸の場所です。

油断とリスクテイキングが行き過ぎた結果で発声した座礁でしたが、幸いダメージは深刻なものは全くなく、かすり傷程度だったので今後も安心してクルージングを継続できます。やはり慣れてきた頃が一番危ないね。気を引き締めて行かなければ。

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