2022年9月6日火曜日

メルティミが戻ってくるので次々移動 Rineia島 - Naxos島

皆さんこんにちは!Sailing Stamperウェラード里美がお送りする手作りカードとギリシャ船上生活レポの世界にようこそ!



このブログが更新される頃は25ノット平均でメルティミが吹き荒れている頃でしょう。安全に待避するために、3日の午後から毎日場所を移動しました。

9月3日、午前中遺跡を見学した後、すぐお迎えにあるRineia島に向かいました。
あっち側はお客さんを遺跡に送ったセーリングツアーのヨットが数隻係留しているので、岩の反対側を通過することにしました。
きれいな海!
こんな微風ですが、後方からだし、急いでないのでジェノアだけ出してセーリング移動。
遺跡で一緒だったクルーズシップのお客さんはあれから送られてきておりました。フランス船籍のクルーズシップだった。どうりで皆さんフランス語だったわけだ。

島をぐるりと回る時にタック。ジェノアだけだから主人一人で楽々こなしておりました。

角度が前方からの風に変り、スピードアップ。

11時ちょっと前に出発して、45分ぐらいでアンカレッジの近くまで来ました。

画像右下がデロス(Delos)で青丸の場所に向かっております。

アンカレッジに近づくにつれて、かなり前方に風の位置が変わってきました。(というか私たちの位置が変わっているからですけど。)5.6ノットのスピードで快適セーリング。
11時54分、湾に近づきヘッドセールをしまいました。ここは3つに湾が分かれており、一番右端が一番広いのでそこに最初入ってみたのですが、風の影響を受けやすいのでその隣の二番目の湾に向かいました。
小ぎれいなビーチがあり、何隻かパワーボートが係留していました。私達がアンカリングした場所よりも後方に、60フィートぐらいの大型セーリングヨットがアンカリングしていました。今晩からメルティミが少しづつ戻ってくるので北からの風と波の影響を受けにくいこの場所は最適です。でもおそらく一晩中いる船はほとんどいないと思います。皆さんデイ・ツアーのチャーターヨットとか、レンタルのパワーボートという感じだったので。

スナッバーを付けて落ち着いた時もまだ12時半でした。海もとってもきれいです。双眼鏡で岸を見てみたら、ビーチ沿いに石垣が続いており数メートルぐらいのビーチの幅以外は陸に上がれないようになっていました。丘の上に家があったので、そこの所有地なのかな。ということで、上陸してもお散歩する場所がないね、ということでずっと船上にいることに。

ランチを食べていなかったので、ランチ兼夕食を4時ちょっと前に済ませした。主人のお誕生日ディナーなので、好物のステーキ!と思ったら、これビーフじゃなくてポークでした。ギリシャのポークは通常でも柔らかくて美味しいのですが、このお肉は特にテンダーで美味でした。ビーフでなくても主人も大満足。

午後になって2隻のセーリングツアーらしきヨットが入ってきて、ラフティングしていました。でもこのうち1隻は6時過ぎぐらいに出発していきました。半日ツアーだったのかな。もう1隻の方は夜が更けてもいたので、宿泊ツアーなのでしょう。なぜそう思ったかというと、こんな風にアンカリングしながらラフティングするっていうのは観光ツアーのヨットしか通常はしないからです。それに「こんなに沢山人が乗ってたら寝る場所ないよね。」ってぐらい乗船していた!

9月4日(日):夜になって若干風が強くなったのはわかりましたが、揺れることもなくとても平和でした。前日遺跡観光で沢山歩いたので疲れていたのか、8時ぐらいに寝てしまい、その結果朝暗いうちから目が覚めてしまいました。まだ4時ぐらいだったので、二度寝したのですが、その前にハッチから顔を出して外を見たら、3つぐらいアンカーライトが見えました。でも朝7時半に起きた時には、すでに私達だけで、他には誰もいませんでした。暗いうちから出発したのかな。

この日の目的地はナクソス(Naxos)島の南側にあるKalantosという湾。昨年7月にもメルティミ回避のために滞在したことがある湾です。今回もそこでメルティミをやり過ごす計画。だいたい40マイルぐらいなので、6時間ぐらいの距離です。8時ちょっと前にはアンカーを上げてジェノアを出してセーリングを開始しました。
朝ご飯は簡単にミューズリーの上にヨーグルトをかけたもの。このミューズリー、6月にロードス島で出会った日本人セーラーのグループの方に頂いたものです。ボートチャーター用に買い出した食料品の余りをごっそりいただいたのですが、日持ちがするものはまだまだ残っていて、今でも食べるたびに、その方達の事を思い出しております。
真後ろに近いぐらいの風なので、ジェノアを目一杯膨らませております。

最初は5ノットいかないぐらいのスピードしか出ていませんでしたが、島の影から離れたせいか、30分もしたら風もいい具合になり、スピードも7ノットを超えるように!これなら到着時間が、予想より早くなるかな。この時後方150度ぐらいで13~15ノットぐらいの風でした。

多少波はありますが、後ろからの波なので気になりません。ヒールしないしね。

前方に見えるのがナクソス島の隣にあるパロス島です。このあたり、ちょっと波が三角形にとがり始めていました。
さらにパロス島に近づくにつれて水深が40メートルぐらいで、間隔の短い三角波が沢山現れましたが、不快なほどではありませんでした。


パロス島の陰に入ったらすぐに穏やかになったので、時間的にも11時半、ランチの時間。ハムエッグとマッシュルームをフライパンで炒めると、主人はそれを自分でサンドイッチにしてました。

私は別々。

とってもスムーズな海になっていたので、お料理も楽々できたし、食事中もセーリング中とは思えないぐらい優雅にできました。

午後1時、ナクソス島が左手。

風が強まってきたので、ジェノアがきれいにパンパンに張っております。

突風時は20ノットを軽く超えるようになりました。スピードは8ノット越え!

それに従い波も出てきて、船体が左右に揺れました。


風に飛ばされた海水がぴしゃぴしゃと当たります。

方向が変わり、風の向きは前方に近い方に移動。
それから少しヒールするようになり、風の強さは常に20ノット前後となりました。突風時は25ノットを軽く超えることもあり、オートパイロットから主人がマニュアルで舵を取り始めました。

こういう時のSATOMI号の安定感は、凄いです。重厚感があって安心感がすごいんです。全然怖いと思わない。なんかSATOMI号が「よっしゃ任せて!これぐらいの風の方がやる気が出るわ!」とでも言っているような気がしちゃうんです。後方からの25ノット越えの状況での走行が、これまであまりなかったので、今回はちょっとお試し的な感じがありました。というのは、メルティミは水曜日の7日まで吹き続けるのですが、8日、9日とかなり弱まっていきます。今回の最終目的地はクレタ島で、そこまでは今いる場所からは150マイル以上あるので、ある程度風が強い時の方が走行時間が短いという利点があります。なので、25ノットぐらいの予報の日に一気にロングランをしてしまう事も考慮しています。でも予報で25ノットだと突風なら30ノットになることも予想されるので、20ノット前後で走行中に、これより倍の状況だったらどんな感じかなって、想像しながら走っておりました。


午後2時11分、無事目的地のKalantos湾に到着しました。すでに一度来たことがあるので前にアンカーした場所の記録が残っているのですが、その時よりも入港時に風が強かったので、以前よりももう少しビーチに近い位置に碇を下ろしました。

後ろに見えるのはイラクリア島。昨年はそこのタウンハーバーに係留していたのですが、バースの位置が悪く係留している方が危ないっていう感じの場所で、隣のバースにいた地元の方に「お迎えのKalantosの方がここより安全だよ」と教えてもらい、移動してきたのでした。

相変わらず突風が吹いていて最高で28ノットとかにもなりましたが、波は立ちません。水深も4メートルぐらいで浅いので25メートル弱のチェーンの長さで十分です。外よりも湾内の方が陸からの突風が強く時折吹いてくるのですが、海底が粘り気のある砂なので、アンカーの効きが物凄いいい湾なのです。

私達の後で、2隻のキャタマランが入ってきました。1隻はセーリングバセル、もう1隻はパワーボートのキャタマランでした。セーリングバセルの方のキャタマランはいつの間にか出ていっていていなくなっていましたが、パワーボートの方のキャタマランは湾の中にある小さなタウンバースに横付けしていました。船体のサイズギリギリの幅に横移動で接岸できるって2つエンジンがあるキャタマランならでは。

私たちもテンダーで中を見に行ったのですが、スターン・トゥーで係留できるスペースは満席で、開いている部分は港の長さが足りないのでスターン・トゥーができず(少なくともSATOMI号の長さでは前にいるヨットのアンカーに絡まらない位置にアンカーを落とすと、チェーンが短すぎて不安が残る長さしかなかった。)横づけするしかないのですが、それでもワーフに十分な長さがありません。しかも、前から風が吹いてくる位置になるので、船体をコンクリートのワーフに押し付けられてしまう形になります。係留している方が不安になる場所しか空いてなかったし、昨年見た時も狭すぎて入れないねっていう結論だったので、元からアンカリングの予定でここに来ました。

時と場合によっては、バース内に係留しているよりも、信頼できる自分のアンカーで、障害物のない場所を自由にスイングしている方が安心だったりします。仮にアンカーが流れても後方はオープンシーだから海に流れていっちゃうだけだしね。

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