2022年11月15日火曜日

ディーゼルエンジン分解して総点検の結論に至るまで

皆さんこんにちは!Sailing Stamperウェラード里美がお送りする手作りカードとギリシャ船上生活レポの世界にようこそ!




今年夏からごろからずっと考えていたディーゼルエンジンのメンテナンスと電力アップのため内臓ジェネレーターを設置すること。あらゆる方法を検討した結果、エンジンを船体から外し分解掃除をし、ジェネレーターは設置しないことにしました。その結論に至るまでの理由です。




まず最初にそもそもどうしてエンジンメンテナンスとジェネレーターを追加しようと思ったのか、そのきっかけを簡単におさらいです。

①エンジンメンテナンス:築30年のSATOMI号、エンジンは6300時間使用しています。今年に入って気になってきたのは、アイドリング状態の時に油圧警告音がストップしなくなったこと。これに関しては計測器自体の不具合ということがわかり、エンジン自体の問題ではないことが分かって一安心。それに加え、ここ数カ月ほど白い煙が増えてきたのです。これはインジェクターフィルターをクリーニングすることで解決します。

②ジェネレーター追加:来年以降、数週間以上の長期航海を計画してるので、ウォーターメーカーを使い始めようと思っています。さらにオートパイロットも連続使用するのでそのためには現在のソーラーパネルとウィンドジェネレーター以外にも電力確保の方法が必要となりました。電力追加の方法として考えたのは・・・

1)ソーラーパネル追加:日照時間が長い地中海地方では抜群の働きですが、夜間や雨などお日様が照ってない時は追加しても全く意味がありません。つまり24時間万能というわけではないので、却下となりました。

2)オートパイロットを使わないで電力節約:電力を使用しないウィンドベーンの設置も考えましたが、どんな風向きでも万全というわけではなく、夫婦二人だけで数週間4時間交代でウォッチをやっていくためには、やはりより労力を使用しないオートパイロット使用が不可欠という結論に達し却下。またダビッドがスターンにあるので工事もいろいろ複雑になる。

3)内臓ジェネレーターを設置:エンジンルームにジェネレーターを内蔵しディーゼルで作動させる方法が一番効率がよく、天候に関係なくいつでもボタン一つ間隔でハウスバッテリーを充電できます。また一定の電力以下になった場合自動的に発動させることもでき、常にハウスバッテリーが充分な状態を保てるわけです。エンジンルームに設置なのでもうひとつ小さいエンジンが着いているような感覚です。音も小さい。問題は、費用が他の方法と比べてけた違いに高いことです。内臓ジェネレーター自体のお値段が数百万円かかり、それ以外に施工費用がかかります。追加ソーラーパネルの倍ぐらいかかります。


費用がかかっても長期的に見て、3)の方法が一番いいのかなぁって思っていました。でも予算が・・・そして、①エンジンの総点検に関してもどこまでやるのかで費用が違ってきます。いろいろ調べた結果、内臓ジェレネーター設置のためにエンジンを一旦全て外す必要があることがわかりました。さらに現状のエンジンのサイズとエンジンルームの隙間を考えると内臓ジェネレーターの施工作業が非常に複雑になりそうなこともわかってきました。ただせさえ、ハルにもう一つ廃棄ガスのアナを開ける必要がある大作業なのに。

次に考えたのは、エンジンを外す必要があるなら、エンジンをついでに分解点検して組み立て直してもらうのはどうか、ということ。これにもかなり費用がかかるんですけどね。また分解点検して交換すべき部分をすべて交換しようとした結果、エンジン自体を新品に変える必要が出てくるかもしれない、という心配も出てきました。今の所ほぼどこにも異常がなく6300時間経過していても、力強く作動していますが、この先数年後はどうかわかりません。なにせ築30年。

そこで、①と②の問題を一挙に解決する方法として「エンジンを新品に変える」という案を考え始めました。この時点で内臓ジェネレーターの追加は諦め。エンジンが新品になる=使用時間が少ない=エンジンを使って発電しても大丈夫という図式。アンカリングしているのにエンジンを付けているのは発電をしているわけですね。なのでこの方法はかなり一般的。なのに私たちがそれを避けたかったのは「モーターが古く使用時間をやたらに追加したくない」というのが理由でした。でもモーターがが新しくなれば、それを気にする必要はありません。最新のエンジンならもっと燃費もいいそうです。今のエンジンでも主人がオルタネーターの回線を変えて工夫してからかなりハウスバッテリーへの充電スピードが速くなりました。 
エンジン取り外しの際邪魔にならないようにドッジャーを外しました。

日よけカバーも外しました。後方からクレーンが入るのです。

それとエンジンが新しいというのは船体がたとえ築30年でも非常に価値があがるんですね。なんといっても心臓部ですから。SATOMI号での冒険を一生続けるつもりは全くなく、あと5年ぐらいかなぁ、というのが今のところの予定。その後は売却する計画です。ただでさえ古い船ですが、ハルの頑丈さとパフォーマンスの良さはTAYANAというブランドが証明してくれるし、TAYANAは現在製造されていないという希少価値感があります。あえてこの船を探すマニアがいるタイプの船ですが、エンジンが古いことを理由に転売の際に大幅に価値が下がる可能性が高いのです。ヨットのディプリシエーション率はすごく、新品でも半年たったら半額以下になるのが当たり前。でもSATOMI号みたいな古いタイプのヨットはあまり値段が下がらないのですが、それでも必要以上に価値を下げるようなことはしたくありません。

内臓ジェネレーターをあきらめた予算を新品エンジンに充てても、さらにまた倍ぐらいの費用がかり一番高価なオプションとなります。

う~ん、やっぱり予算オーバーだよねぇ~。今はよくても今後の世界経済が不安定なことを考えると、(今オーストラリアドル下がりっぱなし。)長期的に見てこの出費の影響は大きいかも。主人は眠れない日々が続いたみたいです。18日の出発までに事を進めるためには、早急に決断をする必要がありました。毎日毎日頭が痛くなるぐらいいろんなオプションを考えに考え・・・・最終的に採用した案は「今のエンジンを分解総点検してもらう」こと。交換できる部分は全ての新品に変えて組み立て直してもらいます。これで、事実上新品エンジンみたいなものとなります。整備記録証明を作ってもらうので、エンジン使用時間はメーター上では加算されていきますが、点検以後の時間を別途記録していけばいいわけです。

費用の面からしても、これが一番いい方法という結論に至りました。内臓ジェネレーターは諦めたのでその分の予算を充当できます。それと内臓ジェネレーターを設置するとメンテナンスがさらに複雑になっていくんですよね。それも次のオーナーにとってはマイナス要素となります。そして新品エンジンは費用面以外にもコンピューター化されている部分もあり、その面でも主人が自分でメンテナンスしていくにあたり、新しく学ぶ部分も増えるし、航海中の異常発生の際に自分達だけで応急処置ができない部分が増えるというマイナス面もあります。

分解総点検と同時に、充電スピードを速めるためにオルターネーターを大きいサイズに変更することにしました。これによって現在よりも短時間つまり燃費よく発電ができるようになるわけです。

決めたらすぐ手配。昨日14日月曜日に、SATOMI号からエンジンが取り外されるコトになりました。14日は朝9:30ぐらいからヤンマーの人達がやってきてエンジン取り外しをスタート。11:30ぐらいまでかかり、一旦帰っていきました。

これでエンジンを外すのに邪魔なものはなくなりました。


後は午後予約したグレーンをまつばかり。その模様は明日のブログで動画と共にレポートいたしますね。


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