2022年12月5日月曜日

風が無くても太平洋を渡ったウネリで大波

皆さんこんにちは!Sailing Stamperウェラード里美がお送りする手作りカードとギリシャ船上生活レポの世界にようこそ!




お気に入りの海辺の散歩コースは、日によって違う海の様子を見るのがとても楽しいです。ここ数日は風があまりなかったにもかかわらず、予想外の大波が打ち寄せていた!太平洋を長いこと旅してきた緩やかなウネリの影響らしい!


前回来た時、1年で変わっていた散歩コースへの入り口がわからずちょっと迷ったのですが目印があるのを発見しました。
地元の人がつけたんでしょうね。黄色いビニールテープの切れ端があちこちに並んでいて、それを頼りに進めば迷うことはありませんでした。




おやおや!思ったよりも今日は波が大きいぞ~!ここ数日は風はあまり強くなかったのになぁ。主人曰く、かなり沖合に大きなウネリがあるんだよ、それがはるばるやってくると岸近くなって浅くなってくると大波になるんだ、とのこと。ま、太平洋に面してますからねぇ。途中障害物があまりないから、大きなウネリも発生するでしょう。ふと、想像したのは、もし沖で遭難し、漂流している間にやっと陸が見えて助かった!と思っても、上陸する寸前がこんな風に荒れくるっていたら、そこで溺れてしまいそう。ここまでひどくなくても、オーストラリアの海岸はこんな感じでいつも波がブレイクしているので、アンカリングしてビーチ上陸するさいは結構危険。ハードな底のまあまあのサイズのテンダーじゃないと波でひっくり返されたりして上陸できなかったりします。その経験から、今のSATOMI号のテンダーも二人用にして大きすぎて重すぎるサイズのテンダーなんですが、オーストラリアセーリング時代の習慣で選びました。

おおセーリングしているぞ!よっく見たら全部で3隻いました。南風だったので、北上するにはぴったり。岸辺では大きな波がザブンザブンですが、おそらく沖合はゆるやかなウネリで快適なセーリングが楽しめているのではないでしょう。ちょっと風が吹いただけですぐに三角の波が短いかい間隔で押よせて来るエーゲ海と違い、オーストラリアの海はウネリ自体が何メートルとでかくても長~くゆるやかな坂道を上がり降りしているような感じなので、25ノットを超えるあたりまではそれほど波の心配をしていませんでした。勿論、場所にもよりますけどねぇ。白波が立つっていうのは20ノットを常に超える状態じゃないと発生しなかった気がする。エーゲ海は15ノットぐらいでもたち始めるから驚いた!

ここセントラルコーストは車だとシドニーまで2時間半弱なんですが、セーリングしていくと半日は軽くかかります。このあたりにはアンカリングできるいい港がないんですね。なので東海岸を移動する時は沖合から「あ~あれがノーラ・ヘッドの灯台だ。」って眺めていました。シドニー湾を出て北上する場合、一番近い最初のアンカレッジはBroken Bay。16マイルほどのなので数時間で到着できます。でもそこから次のアンカレッジPort Stevensまでは約70マイルあるです。その間にこのエリアがあるんですが、途中碇泊できる場所がないので、一気に進むしかありません。だいたいクィーンズランド州に着くまで、NSW州のアンカレッジは一回のレグが70マイル、80マイルっていうのは普通なんですね。セーリングを始めたての頃、シドニーハーバーを出て、取り合えずブロークンベイまで行き、そこから次のポート・スティーブンスを目指した時、オーバーナイト走行はとてもできる状態じゃなかったので(だってセーリング経験自体がたったの4回目ぐらいだった!)夜中の3時に起きて出かけました。延々15時間かかって、夕方ポート・スティーブンスに到着した時は泣きたいぐらいでした!なので私達にとって8時間セーリングというのは短い方に辺り、エーゲ海でほんの数時間で次の場所に到着するっていうのは夢のよう!

一旦出発したら最後まで行くしかないっていう場合が多かったので、出航する際の天気予報の確認や航路計画はかなり慎重でした。潮の干満差も数メートルと言うが当たり前だったので、次の目的地が川の中だったりすると、河口のサンドバーの状態や潮の状態を考えないといけませんでした。こう書くとなんかすごく大変でめんどくさい気がしますが、その分、航海中のセーラーをサポートする体制は抜群です。ボランティアのマリンレスキュー(VMR)が東海岸は非常に充実した組織で、出航の際、毎回出発地のVMRに無線で航海ログインをするのが義務づけられています。その際、目的地と予定到着時間を報告します。すると出発地のVMRが到着地のVMRに「〇〇という船舶が〇時に到着します。」と申し送りをしてくれるですよ。そして到着したら必ず「船舶名〇〇です。目的地〇〇に無事到着しましたので航海ログオフお願いします。」と連絡します。でないと、一定時間を過ぎると「大丈夫ですか?」と電話がかかってきたりします。何か問題が発生した場合も無線で付近のVMRに連絡して、サポート要請できるんですね。私達も一度、ポート・スティーブンスからシドニーに向かっている途中、ブロークン・ベイに入ってからアンカリング体制に入りエンジンを付けた後、いきなりエンジンが止まってしまった、というアクシデントがありました。岩が付近にある場所だったのでエンジンが止まってしまったのはかなりピンチ!メインセールはすでに下ろしていました。なんとかジェノアだけ出して方向を変えて岩場からは離れ、取り合えず適当な深さの場所にアンカリングして事なきを得ましたが、その場所というのが、湾内の定期フェリーの通り道だったようで、緊急アンカリングしているしていることを知らないフェリーが、わざと近くを通過して大波を起こされてとても不快でした。そこで、ブロークン・ベイのVMRに事情を説明すると、でっかいレスキュー用のテンダーで出動してくれて、けん引して、湾内の緊急用ポリスモーリンまで移動させてくれたんですよね。しかもウォーターポリスにも事情を報告してくれました。VMRはボランティアなので、無償でこれをやってくれるのです。でもお礼をしたいので「これで皆さんビール飲んでください。」と謝礼をしました。

だから、いつも誰かが私たちが海に出ている事を知っていてくれたので、すごく安心感がありました。航海を無事終わって、ログオフし忘れてしまったとき、本当に電話がかかってきてびっくり!不要な心配をかけてしまって本当に申し訳なかったでした。VMRをやっている人たちはみんな海好きなその土地の人。だから地域のアンカレッジの事を熟知しています。なので河口付近の様子なんかも質問したり、サンドバーがチャート上から移動していたりすると、どこを目印に進むのが安全なのか教えてくれたりしました。なので、だいたい港内に係留したりした時は、直接VMRのオフィスまで挨拶にいったりしていました。

オーストラリアでも、こんなにVMRが充実いているのは東海岸だけで、西海岸なんかはパースとか都市部以外は全くそういう機能が無かったのも驚きました。そういう場所では地域の警察に航海報告してましたけどね。またVMRがあったとしても東海岸ほどはしっかりと連絡リレーをしてくれてなかったりしたなぁ。今現在は違うのかもしれないですが。

沖合をセーリングするヨットを見て、オーストラリアクルージング時代を懐かしく思い出しました。オーストラリアに戻りこの海をまたセーリングするのが待ち遠しいです。

力強く押し寄せてくる波。今日はさすがにここでサーフィンしている人はいなかった。


前回散歩に来た時は満潮時だったのでこの岩場まで水が来てました。この日は干潮に向かう時間だったのに、波が大きかったのでここまで水が押し寄せてた。

主人が「あそこにリップがある」と指さしました。リップというのは海流みたいな感じなんですが、その部分だけ海中に速い流れがあって、その中に入るとサーっと波にもってかれてしまうんですね。一見岸に押し寄せている波に見えて、実は沖合に向かっているリップに巻き込まれると、あっという間に何マイルも沖に流されてしまうのでとても危険なんです。小さいころから海に親しんでるオージーはリップの事はよく知っていますが、私なんかはまだまだ見分けがつきません。一度リップに巻き込まれた時は本当にこわかった。物凄い力で引っ張られていきそれに逆らって泳ぐことは無理。焦りは禁物で冷静に横に向かって泳ぐとリップから出ることができますが、腰ぐらいの深さでも全然太刀打ちできず、私は主人に引っ張りだしてもらいました。この日のリップは、ビーチと平行に流れていたので、流されたとしてもビーチの反対側の岸に流されるだけなのでまだまし。サーフィンする人は沖合に向かって流れるリップを利用して出ていき、丁度いいところでパドルしてリップから出て波待ちしますね。主人も若いころはサーフィンに明け暮れていた典型的なオージーの若者でした。

ド迫力!波が打ち付ける音もすごく大きかったです。

ノーラ・ヘッドの灯台が見えてきた

こっち側もすごい波!

灯台からビーチに降りる階段途中で、〇十年前に結婚式後の写真を撮った私達。

思いついて階段でポーズをとってみました。当時と比べたら一回りでかく(幅が)なっている私ですけど。

釣り人が何人かいましたね。あのあたりの岸壁で釣りをする人をよく見ます。



そろそろ終点に近づいてきました。



あそこにあるボミー今日は初心者サーファーはいないよう。



あの人はサーフボードに横たわったまま波に乗ってきました。

そのまま流されていくと岩場に激突するので、途中で方向転換して横向きにパドルし始め、砂地の方に向かっていましたが、どんどん波が押し寄せてきて、ちょっと手こずっているようでした。



ロックプール、この前よりは浅いみたいだけど、まあまあの深さがありそうだから散歩後の人泳ぎはロックプールにしようかな。

いつもはその奥にあるキャベッジツリー・ベイでひと泳ぎするんですが、そこも珍しく波が結構あり、サーファーもいたので入って行くのは止めました。一人泳いでいる人がいましたけど。ロックプールは一番深い所でも1メートルぐらいしかありませんでしたが、岩場を超えて波が入ってきたりして、結構面白かったです。

ロックプールから駐車場までは長い階段があるのですが、以前は結構これがきつくて途中で休憩しないといけなかったのですが、2年間のセーリングで鍛えられたのか、今までにないぐらい軽い足取りで私も主人も、軽々頂上まで上がれました。息もほとんど切れませんでした。特に激しい運動をしている自覚はありませんでしたが、無人島探検とかで急な坂道を登ったりは結構やっていたので、気づかぬうちに鍛えてたのかも。

セントラルコースト滞在中は主人のお父さんが昔使っていたバンが足替わりです。もう20年ぐらい前に新車で買ったマツダ。見かけは塗装が剥げ剥げですが、今でも力強く動いています。エアコンもないので、乗り心地はまありよくないですけどね。買い物とかおでかけは義母の車を借りております。

ずっと前は掘っ立て小屋みたいなカフェだったのに、こんなにおしゃれなカフェになったビーチカフェ。地元の若者たちに人気スポットです。


 本日もご訪問ありがとうございました!ご覧いただいた記念によろしければ「ペーパークラフト」ボタンをポチっと押していただけますか?
             



PVアクセスランキング にほんブログ村


             





0 件のコメント:

コメントを投稿