2023年6月17日土曜日

気持ちよくセーリングできたと思ったら夜半にどんでん返し-反対側に出戻り

皆さんこんにちは!Sailing Stamperウェラード里美がお送りする手作りカードとギリシャ船上生活レポの世界にようこそ!




昨日ブログをお休みしたのですが、それにはちとわけがあって・・・とにかく15日は長~いい一日となりいつも翌日のブログを更新する時間には結構大変な思いをしていたのです。それで一日お休みとなりました。朝は島の西側にいたのでが、その日の夜中には島の北側に出戻っておりました。その経過ご報告です。


6月15日(木):朝10時ちょっと過ぎ、微風なのを利用してアンカリングした状態でメインセールを上げました。

湾を出るまではエンジン走行のままです。風向きが変わっているので前夜からちょっと湾内に押し寄せるウネリがひどくなっていて、結構揺れました。

10時半、外に出てすぐエンジン停止。4ノットぐらいだけど最初はこんなもんでしょう。



10分もたったらアップウインドで丁度いい角度なので風の強さの割にスピードは6ノット。のろのろ走行覚悟だったのに、いい感じ。


今頃朝ご飯です。チーズをのせたトーストをオーブンで焼いたチーズ・オン・トースト。まんまの名前。

ちょっとだけヒールしていたので、食事中はセールをちょっと出してスピードを落としても穏やかに走るように調整しました。時間はたっぷりあるし、5ノット台保っているので快走です。

11時15分。久々に波がちょっと出てきている海をみた。ここ一週間ぐらい本当に穏やか過ぎる天気が続いてたんですが、今日あたりから沖合ではちょっと風が強くなり始めるのです。
11時20分、タックしました。

というのは、本日の目的地のPalaiokastrisaはAfionas湾からすぐ次の湾なんです。進行方向真正面から吹いてたのでそのままだったらエンジン走行なんですが、距離が短いので大きくタックしてセール走行することにしたのです。

11時34分。ヒールしてきた。久しぶりだなぁこの感覚。これまでずっと穏やか過ぎる日々が続いてたからね。風もちょっと強まっていたので、スピードは7.4ノット!

これがヒールの角度です。
でも目的地はあっという間。すぐそこです。お天気は晴天とはいえず、ちょっと曇り空。最近昼間にスコーレが降る、熱帯的なお天気です。
12時、目的地のPalaiokastrisaの湾めがけてまっしぐら。



なんでこの湾にしたかというと、この日の夜に風向きがガラッと変わるんですね。その時まではオープンシー側から波と風が押し寄せてくる泊地なのですが、夜安全に過ごせた方がいいので、ここを選びました。だいたい島のこっち側はどこの泊地もこの日はあんまりよくないんですよ。





この湾には2か所の泊地があります。真ん中の泊地の方が方角的にいいのですが、アンカリングできる範囲が狭いので、とりあえず見に行きました。


その結果、やはりSATOMI号が安全にアンカリングで自由にスイングできるスペースはありませんでした。いい場所はローカルの小型ボートが沢山係留されててダメだったし、湾の真ん中あたりに岩があるんですよ。だからここに係留するなら端っこにスターン・トゥーで後ろを岩に結ぶ形にする必要があるんですが・・・すでにやっているヨットをみたら、なんとも居心地悪そう。横からのウネリをまともに受けて横揺れ状態。それと、予報よりも沖合の風が強いみたいで、押し寄せてくる波がこれまた予報よりも大きいかったのです。

で、隣のもっと広い方の湾に移動。


このあたりにブルー・ケイブと呼ばれる洞窟があるので、それを楽しみにしてここに来ました。


午後1時、お隣りの湾にアンカリング無事終了。こちらは1隻がアンカリングしていただけで、まだ十分スペースがありました。でもあとでわかるんですが、この開いていたスペース、あまり居心地がよくなくなる場所だったのです。

で、早速ブルー・ケーブ(青の洞窟)とやらを見に行くことに。場所はだいたいの見当でしたが、観光ボートがたむろッている場所があったので、すぐにわかりました。

岩と岩の間を入って行くので、観光ボートがいなかったら見過ごしていたな。お金を払ったお客さんが乗っているボートを優先して先に行ってもらい、私達は待つことにしました。

で入って行くと・・・・

んん?????特に特別感はない、ちょっとしたくぼみですけど。ま、海はブルーに見えるといえば見えますが。写真で見た時はもっと青色で透き通っていたんですけどね。


で出口付近で横を見たら、チラリとすごくブルーになっている部分を発見。あ~そういうことか。これ光の反射ですね。この日はお天気が曇りがちだったので、本来ならもっと全体的に海面がすごくブルーにみえて、海水が透明だから海中の魚とかがくっきり見えるので、ちょと幻想的な感じになるはずだったんです。でもこの日は曇りがちだったから、ちょっと残念な状態でした。私達は自分のテンダーで来たので無料ですから、文句はありませんが、お金払ってこれを楽しみにしてきてたら、がっかりだろうなぁ。「お天気具合によりますよ。」と説明を受けて居たらそうでもなかったかもしれないけど。だいたい、ここの所「〇〇洞窟」というのは、騒いでいるほどのことでもない、と言う場所が続いておりますけど。ま、観光アトラクションなんてそんなものなのかしら。

で、次は、そのすぐ隣の入り江を偵察にったら、ここは結構素敵な感じのカフェ・バーがありました。

さらに、係留している湾の外の方にある、入ってくる途中に見えたビーチに行ってみました。


砂利ビーチですが、反対側にも入り江があります。なんか階段があったので登ってみました。

お~隣の小さな入り江、きれい。ヨットが入れるほどの大きさはありませんけどね。ここがもっと大きかったら、方角的にいい泊地だっただろうな。



登り切ったところには廃墟になった小屋がありました。ここは以前は誰かの避暑地だったのかしら。ちゃんとした家出じゃないみたいですが、キャンプ感覚なら十分な宿泊施設だったと思います。敷地内には井戸もありましたし。


丘の上からさっき入ってきた方を見渡します。いい景色!

帰りがけに、もう1つ洞窟みたいなのを見つけたので、近寄ってみました。

洞窟の奥ににはちょっとした陸地があって、上がれるね。シュノーケリングしたら面白そうだったのですが、マスクを持ってきていなかったのと、ちょっとこの日涼しくってなんか泳ぐ気になれなかったのです。

午後2時すぎにヨットに戻りゆっくりしていました。ランチをビーチにあるレストランで食べようかと思って、観光小型ボートのポンツーンに繋げたら、ボート会社の男性が寄ってきて、ここは私設のポンツーンだから使うなって怒られたんですよ。でビーチに(砂利ですけど。)にテンダーを引き上げることになるわけですが、なんでそれをしなかったかというと、狭いビーチにはサンベッドとかが並んでいて、さらに人も結構うじゃうじゃ寝ころんでいるので、テンダーを引き上げるスペースがなかったんですね。だから一時的にポンツーンを使わせてもらおうと思ったのに・・・サイズ的には小型ボートが戻って来ても充分なスペースは残っているような係留の仕方だったのに「どかないと警察を呼ぶぞ。」なんていう非常に失礼な事を言ってきたので、憤慨して、戻ってきました。

それから主人だけは偵察しに行ったカフェに行ったのですが、私は前夜結構横揺れがあったのであまり眠れていなかったので船内で休んでいました。

夕方になってきて、本来なら段々収まってくるはずの湾内へのウネリが強くなってきたんです。

アンカーは主人が潜って確かめてきたので、砂地にぐっさりつきささっており安全な事は確認済みでした。コーフ島の泊地は海草が生い茂っている場所が大半で、都度砂地を探してアンカーを下ろさないと、風がある日は安心できないのです。

午後5時過ぎ、なんか海面がざわついてきたなぁ。

夕食は冷凍庫にあったラビオリを解凍して新鮮トマトから作ったお手製トマトソース。マッシュルームに玉ねぎ、ガーリックがたっぷり入っています。トマトの甘みとケッパの塩気だけで味付けですが、これが案外いけるのだ!

気が付いたらすぐ前にキャタマランがいました。昼間はこのちょっと前に3隻ぐらいヨットがいたんですが(1隻は最初の湾でスターン・トゥーしていたヨット。)いつの間にかいなくなっていた。午後6時近くでしたが、この頃からさらに湾内のウネリが激しくなり、上下に揺れていただけなのが、岸から跳ね返ってくるウネリの影響を受けて私達は横揺れも始まりました。つまり前後左右に揺れ出したのです。

夜が更けるにつれて風向きが変わるのでオープンシーの方角からの波はおさまるはずが、とんでもなく、どんどんひどくなっていったんですよ。最終的にはまるで走行中にヒールしているみたいな感じにもなり、それも安定して斜めになっているだけじゃなく左右に揺れるのでテーブルの上のものが床におっこちるぐらいだったのです。実は、私達が係留している場所、というかチェーンが延びて最終的に船体が位置した場所っていうのが、湾の結構奥の方で、幅が狭まっておりやや右側の岸に近い場所だったのですね。で、もしキャタマランがいなかったら、その辺りに船体がくるように移動できたのですが、時すでに遅し。ほんの20メートルぐらいの違いですが、岸から打ち返してくるウネリの影響が少なかったはずです。

アンカーがしっかり効いているので揺れが不快というだけなのですが、とにかく前後左右に揺れていますから船酔いしない私でもなんか目が回ってきました。それと前夜眠れてなかったのも影響していたと思う。で、もうそろそろ収まるか、って待っていたのですが夜9時半を過ぎても収まるどころかさらにひどくなってきたのです。キャタマランでもかなり揺れてましたが、モノハルの私達ほどではありません。こういう時はキャタマランがうらやましい。横揺れに強いですから。それとキャタマランがいる位置の方が湾の幅が広いので、岸にぶつかってくるウネリも少ないかもしれません。

ここで主人が決断しました。「よしここを出るぞ。」揺れが不快だけなので我慢するだけなんですが、翌日は風向きが変わるけどかなり風が強くなるので、この地にはいられないんですね。それは計画済みで、ここで一晩我慢して、16日はダウンウインドを利用して一気に島の端っこまで行き、ぐるりと回ったところに係留、と言う計画でした。16日夜から17日までもっともっと風が強くなるので、そうなるとコーフ島の西側のアンカレッジはどこも安全じゃんないのです。だから16日は一旦出発したらまる一日走り続けて反対側まで行くしかないという状態でした。そうなると前日に全然眠れなかった場合、結構きついなぁ、というのがあったんです。それで決断するなら今、ということで夜9時40分、まだまだギリギリ明るいうちに碇を上げて、別の場所に移動することにしました。

まず、来るときにみてきた隣の湾を見に行くと、もっとひどかった!というか、湾内にいてもすでにかなり波が大きくなっていたんですよ。係留していた場所も揺れがひどかったけど、波の大きさに関しては全然ましだったのがわかりました。おそらくそこに居続けた方がよかったのかもしれませんが、後の祭り。もうこの時間からまた戻って安全にアンカリングすることはできません。キャタマランがいなかったらもっと簡単だったかもしれませんが、仕方ありません。決断したんだからもう突き進むしかない・・・・ということで、距離を考えたら島の北側に向かう方が距離が短い、となり、急遽夜間走行となりました。


外はかなり波が大きくなっていて、エンジン走行を余儀なくされるほど風はないのですが、波の高さは1メートルぐらいにはなっていたでしょうか。沖合の風が予報に反してかなり強かったのがうかがえます。なんていってもコーフ島の西側はイタリアまで何もないイオニア海ですから。イオニア海はちょっとした風でもすぐに波が三角になり荒れることで有名です。それは私達も最初にイタリアからギリシャプレヴェザに向かった48時間走行で体験済み。

真っ暗なかすでに夜10時を回っていましたが、不思議と係留中の激しい揺れで不快な思いをするより、走っている方が全然気分がいいんですよ。ちょっと夜更かしをした程度で、ちゃんと眠れる方が断然いいと思ったんです。それに、島の西側は16日もどこにも寄らず、南の端から反対側に戻ってくる予定だったので、逆走行しても沿岸部を眺められないっていうだけで何も変わりません。

夜11時半の時点で青丸の位置にいました。向かっている先はAcharviとなっている場所からちょっと出っ張ったところ。

最終的に目的地に着いたのは日付が変わった16日の午前1時ちょっと前。北側に回った時から波が穏やかなったのを感じていたので、泊地に着いた時は本当にほっとしました。一面砂地の海底だったので、真っ暗でも問題なくアンカリングできました。すぐにアンカーが効いたものわかったし。やっと落ちついて眠りについたのは午前1時過ぎでした。


16日の朝です。Spyridon Westという泊地でした。夜明けにちょっと横揺れがありましたが、全然まし。主人はいびきをかいてぐっすり寝ていました。私は神経が高ぶっていたのか揺れるたびに目が覚めていましたが、それでもあのままあそこにいたら一睡もできなかった事がを考えると全然ましでした。

さらに翌朝ゆっくり過ごせるのもよかった。我慢したままだったら、翌朝早くに疲れ切った状態で出発しないといけなかったからね。不思議なもんで、オーバーナイト走行だったらかなり揺れていても時間になるとちゃんと眠れるのにねぇ。バウウェーブで船体が大きく持ち上がりその反動でベットから体が浮き上がって落っこちそうになっても寝てた!繋がっている、岸が近いって思うと、いくらアンカー大丈夫だってわかっていても精神的にダメなのかもしれません。主人だけだったらきっと我慢して一晩こしてたと思いますが、私からは言わなかったけど。私のためを思って移動を決断してくれてありがたかったです。


ということで、ぐるりとコーフ島を一周しようと思いましたが、17日土曜日の夜が一番強風なので、今後は島の東側(内側)を南下していく作戦に変更しました!


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