皆さんこんにちは!Sailing Stamperウェラード里美がお送りする手作りカードと地中海船上生活レポの世界にようこそ!
14日にエオリア諸島を離れ120マイルほどの本土のSalerno(サレルノ)を目指しオーバーナイトで出発しました。なんと出発直後にまたしてもオートパイロットが不作動になった!今回も原因はオートパイロット自体ではなく、その指示をラダー軸に伝えるブラケットの部分が破損でした。修理できるとしたら離島じゃなく本土だろうってことで、航海続行。2時間交代のマニュアル操船で15時間乗り切りました。
さよ~なら~Stromboli島!この時はまだこの先に起こる事態予想だにせず!
ここを離れる前に、アンカリングしていた場所から見えたお向いの切り立った岩の島を見に行くことに。3ノット程度しかスピードは出てませんが、島の周辺を離れればもう少しましなはず。
あれ?上に灯台が立っている?
この後すぐに風がもっと弱くなってしまい、仕方なくエンジンをつけました。午後になったらもっと風が出てくることを期待します。なんたって、風スピードより速く走ってるからね。
この後私はカレーの煮込み具合を調べるためにキッチンに下りて行ったんですが、すぐに呼び戻されました。「ちょっとの間ヘルムしていて。」と言われたのです。おかしいなと思ったら主人が「オートパイロットが作動してないみたいだから、調べる。」というではありませんか?!えええ???!!!!!つい3週間前に直したばっかりなのに?!とショックを受けて居たら、スターンバースに潜り込んでいた主人が「オートパイロットは作動しているんだけど、ラダーがジャムっているってシステムが思っている。」と言いました。でもちゃんとラダーはマニュアルで動かせているんで、システムエラーなのかな?と思ったら、戻って来た主人には原因がわかったようです。「システムも異状ないけど、オートパイロットの指示でラダーを動かす部分のブラケットが折れてた!」というんです。なんですと??!!!ステンレススティールの頑丈な部品なのに、ポきっと2つに折れてたそうです。経年劣化ということですね。築30年を超えたSATOMI号、オートパイロットのハイドロパンプモーターもサービスが必要になっていたし、やっぱいろんな場所が同じ時期に寿命になってきたみたい。ウィンドラスのモーターもすぐにオーバーヒートするようになってきていて、アンカーをあげる時いっきにチェーンを最後まで引き上げられなくなっているんですよね。なので、ローマに戻ったらそれもサービスしてもらう予定です。
相変わらず微風なので、エンジン走行するだけだからセールの調整は不要、というのがあがたいです。
カレーのランチを済ませて、午後2時から私に交代。主人は仮眠です。
6時のシフトがスタートした時、ようやく眠くなってきたところだったのですね。いつものオーバーナイトだとこの時間から私は仮眠に時間だからかなぁ。で、主人は「いいよ眠かったら寝てて。」と言ってくれたのですが、一応ヘルムの前にたったら、海風で目が覚めたみたいで、途端に頭がさえてきたんですよ。で、「大丈夫やれるから寝ていて。」と主人にいいました。
こんな風に足でちょこっと動かすだけで大丈夫。座ったままでチャートプロッターの緯度も見ることができます。背が低いのでラットの前に座っていると、腕を目一杯伸ばさないとラットに届かず、筋肉痛になりそうだったので、足の長さを利用(手よりは長いので)することを覚えました。
この位置からだと前もちょっとだけ見えます。
風が顔にあたるので、防風ジャケットとフードで防備。このレインコート本当に優秀なのだ。
途中で巻き入れていたジェノアを再びだしました。
この時はもう真っ暗になっていましたが、当初感じた不安は全くなくむしろマニュアルでヘルムするのを楽しむようになっていました。相変わらず、体感風速は10ノットも超えないぐらい。この日の風予報はおおはずれでした。あえてこの日にロングセールをするのを選んだぐらいだったのにね・・・でも大外れでありがたかったけど。セール走行だったら交代で休憩をしっかりとれなかったと思うので、かなり体力的にも精神的にもつらかった蛯名、と思います。
夜10時35分、あと33マイル弱でスピードは7,6ノットになってきた。
夜11時46分、風は…体感が真正面から3ノットって・・・・実際のスピードは0ノットだった!
午前2時半ぐらいに到着するはずなので、これが私の最後のシフトになると思い、12時半まで頑張ろう!と思いました。
午前0時20分。Salernoはもうすぐそこだ!街の明かりが遠目に見えていました。
この時はすでにジェノアは閉まっていてメインセールだけだったのですが、それでも7ノットを下回ることなく順調に進んでいました。あと22マイル弱!2時間シフトなので、10時からスタートした私は12時には終了なんですが、その前に主人が3時間ぐらい担当してくれたのもあったし、あと少しの我慢だと思ったので、私も担当時間をちょっと延長することにしました。
三日月よりちょっと太ったお月さまが出ていました。
午前0時半から主人に交代。私もそのまま外に出ていました。街に近づいてきたので漁船などがいるかも、と思い、私は前方ウォッチ専門でした。案の定、AISを発信していない漁船がぜすぐ前方100メートルぐらいの距離に浮いているのを発見。ナビゲーションライトが付いていたのですが、後ろ側しか見えなかったのですぐ近くに来るまでわかりませんでした。漁船は漁場を知られるのがいやなのか、位置情報を発信していないことが多いので、夜間走行時には油断大敵なのです。
午前1時半ごろ、この最後の1時間ぐらいが一番長く感じました。この頃、ちょっと前方からの風が強くなってきていて、メインセールを出していたこともありヒールするようになっていんたんです。
そして午前2時半を過ぎた頃、ようやくメインセールを下ろすことに。もう街の明かりで辺りはかなり明るくなっていました。マリーナ横に砂地のいい泊地があるんで、そこで夜が明けるまで仮眠することにしています。遠浅だったので、念のためいつも通りぐるりと円を描いて360度その方角にスイングしてもいいように深さを確認し、アンカーを下ろしました。火山諸島のアンカレッジと違い、深さはキール下3メートル弱の浅い場所にアンカーを下ろしたのでチェーンはたったの20メートル。風も全くない穏やかな夜だし海底が泥地らしいので、全く問題なし。アンカーは下ろした途端に効き始めたのがわかりましたが、主人は納得いくまで念のためバックにギアを入れて確認していました。
そして午前3時15分、やっと全てが終わりました!こんなにも長時間ぶっ通しでマニュアルで操船したことは今までなかったので、すごく達成感でした。でも正直、エンジン走行でしかも物凄い平和な海だったので、車を運転しているような気楽さでしたけどね。これがセール走行だったらと思うと・・・ここまで長時間だったりオーバーナイトではやりたくないぁというのが本音です。
あそこに光っているのが後で入るマリーナがある港。
浮いているように見えるのは、ライトアップされた古城です。
5月15日(火):目が覚めたら8時半を過ぎていました。昨夜は時折横揺れしてましたが、丁度いい疲労感ですぐに寝ちゃいました。それに睡眠が深かったせいか、朝の目覚めがすっきりしていました。
ということで、オートパイロットは使えなかったものの、エンジン走行を余儀なくされた天気でしかも海は始終ほぼまっ平だったので、大きなドラマも事故もなく、長時間ではありましたが安全に航海を終了することができました。次はまた修理だなぁ。Salernoにいる間に直せるといいんだけどね。
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