2024年7月24日水曜日

やばい!今度はアンカーローラー全体が落っこちた!

皆さんこんにちは!Sailing Stamperウェラード里美がお送りする手作りカードと地中海船上生活レポの世界にようこそ!






海に落っことした小さい方のアンカーローラーの代わりに、お手製したウッドのローラー。さてその性能はいかに?!と思い23日アンカーをあげようとしたら、なんと!!!内側のカバーそっくりそのままアンカーローラー全体が外れて落っこちしてまったのです。SATOMI号のアンカーローラーは特注で特殊な構造をしているのです。


7月23日(火):この日の朝から風向きが変わったのでRade de Santa Mariaのアンカレッジは不快になります。午前11時ごろ出発することにしました。前日お手製のウッドローラーの成果を試す時が来ました。

向かい風15ノットぐらいになっていたので、アンカーチェーンを負担なくあげていくために、いつもより沢山エンジンを吹かさないといけませんでした。で、10メートルぐらいチェーンをあげたかな?というタイミングで、いきなり主人がバックにギアをいれろと言ったんです。ヘルムの位置からでもアンカーローラーの部分に異変があったのはわかりました。まさか!・・・・はい、今度はローラーだけではなく、それを支えているフレームごと全部海に落っこちたのです!

この写真で見ると、アンカーローラーだけがなくてそのフレームはちゃんとくっついているように見えますよね。でもそれはSATOMI号のアンカーローラーが特殊な形だからなんです。

ギリシャのプレヴェザのクロパトラマリーナに2020年の11月から21年の5月まで滞在している間に、地元のステンレス職人さんのディミトリさん特注したのです。通常だったらアンカーローラーが着いているフレーム自体がバウに直接くっついてるんですが、SAOTMI号のはその内側にもう一つフレームがあって、内側のフレームに2つアンカーローラーが着いているんです。で内側のフレームはアンカーが上がり切る時に振り込みたいに動くんですね。このシステムは作成したステンレス職人さんのアイディアで、この構造によって、アンカーが上がってくる時にバウに傷がつくのを防ぐのと、アンカーが逆向きにならずに、常に正しい向きにフリップして上がり切るのです。ディミトリさんは地元ではとても有名で、プレヴェザクロパトラのボートヤードに置いてある船のアンカーローラーはこの形をしたもの、つまりディミトリさんが考案したデザインのものが結構あるんです。

今回落っこちたのは、内側のフレーム、つまりディミトリさんに特注した部分がそっくりそのまま外れて海中に沈んだのです。

すぐにまた主人がスキューバを付けて探しに行きました。
すでに前日のダイビングで1本のボンベは使い切っていて、予備のボンベで潜っています。

幸い、今回はすぐに見つかったみたいで10分ぐらいで戻ってきました!良かった!これが内側部分で、実際にアンカーローラーがくっついてる部分。アンカーローラーは2つあって、それでアンカーが上がってくる時に正しい向きにフリップして上がってきます。

お手製したウッドのローラーは、真中の部分のウッドが割れていました。たった1日の寿命だった!

昨日は何隻かいましたが、この時間までここにいるのは私たちだけとなりました。だって風直撃状態。実際は北西の風のはずなんですが、島の端っこを風がカーブしているみたいで、北風が吹き入れてました。なので波はそれほど押し寄せては来てなくて、風の強さの割りには海面は乱れていなかったのは幸いでした。

なんで内側のフレームが全部落っこちたかというと、外側のフレームが開き気味になっていて内側フレームがしっかり固定できてなかったからでした。そこで内側フレームと外側フレームをつなぐ部分にワッシャーを両側に使って固定度合いを強めました。

ローラーの中心にはもともとブラスのアクスルが入っているのですが、その上にパイプをカットしたものを被せてクッションにしました。


この部分が回転して、アンカーが上がってくる時に内側部分が動くのです。

そしてパイプを被せた上から、古いゴムホースをカットしたものを巻き付けてクッション性を増しました。これで元もとのローラーよりも強度が増したそうです。

広がり気味になっている外側フレームは、内側を設置する間広がりを抑えるために固定しておきました。


内側を借り設置。これからボルトでしっかり締めていくのですが、その作業がとっても大変なのです。バウから乗り出して体を半分に折った状態で狭い隙間に手を入れてボルトを締めないといません。

やっと全ての作業が終わったのは午後2時半すぎでした。時間がたつにつれて波の高さも増してきました。翌日にはさらにこの場所が不快になるので、なるべく今日のうちに移動したいところ。朝からずっと忙しかった主人で疲れているでしょうが、すぐに片づけをスタートし出発準備をし始めました。


そして、午後3時、ドキドキしながらアンカーをあげていきましたが、いえ~!今度は無事最後までアンカーがあがりました。主人いわく「すごくいいシステムだけどそのおかげで強度が弱まっているんだよね。多分今までよりも今の方がうんと強く外側フレームの固定されたと思うよ。すごく負荷がかかる部分だから最初からそうなっているべきだった。」とのこと。当面はこのままでいけるみたいですが、外側フレームが少し広がってしまっているので最終的には溶接専門の方に、外側フレームの形を整えてもらう必要があります。

すぐにジェノアを広げてしばしのセーリングを楽しみます。本当に今朝の時点では、もうどうなることやら、真っ青になっていた私。だいたい前日に小さい方のローラーを落っことしただけで、すでに目の前が真っ暗になっていたのに。結果的にはまたまた主人の素晴らしい発想力で問題解決となりましたが、何もしてないのに私は心配で心配で、それだけで疲れた!


岬を回ったあっち側はなんと平和なこと。この日も沢山の船がアンカリングしています。

後方では白波がたっているのにね。

岬を回りのでタックしました。ジェノアしか出してないからタックも簡単。ダウンウィンドでも一回転しなくていいし。

海面はとたんにスムーズです。


一昨日いたTamaroneビーチのアンカレッジもこみこみ。こっち側はこれから数日とても居心地がいいのです。

でも私たちが向かったのは、そのすぐ隣にあるMacinaggioという街のアンカレッジです。港にマリーナがあります。

港のすぐ外のアンカレッジはこの日の風向きにはもってこい。風は陸側からそこそこ吹いてましたが海面はとても穏やかです。午後3時40分、砂地5メートルそこそこの場所にアンカーを落として航海終了。すでに沢山の船がいますが、スペースは十分空いていて、場所を探すのはとっても簡単でした。一面が砂地みたいで海も透明度があり、アンカーが落ちて砂地に埋まったのがはっきり見えました。

ウッドローラーは問題なく機能しています。でもちゃんとしたローラーを見つけ次第交換するつもりですけどね。

内側のフレームが下に下がっているのがわかりますよね。アンカーをあげるとこの部分が動いて、もう少し平行になりアンカーを固定するのです。

午前中は、アンカーローラー全体を海に落っことして、本当に焦りましたが今回も主人の知恵でしっかり対処できました。ここ2日間精神的に緊張が続ていたので、夜は街に上陸して外食することにしました!


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