皆さんこんにちは!Sailing Stamperウェラード里美がお送りする手作りカードと船上生活レポの世界にようこそ!
カリブ海目指して大西洋横断の第9日目と10日目のレポートです。9日は今回の航海で初めてのタックをして日中はなんとか高スピードを保てましたが、夜になるにつれて風が落ちるとともに海は大荒れ。仕方なくメインセールを下ろすことにした午前3時、アクシデントが発生。その後はこれまた今回の長距離航海で初めてのエンジン走行を数時間ほどした後、朝方ジェノア一本でセール走行開始。これが案外正解で、予想外に調子よく走っております。
1月25日(土):そろそろ終わりが見えてきたので、食料もちょっと贅沢に使えるようになりました。冷凍してあったスモークサーモンを解凍して、ベーグルに乗っけてた朝食。
前夜主人がスコール到来時に慌てて巻き入れたジェノアは、ちゃんと巻かれておらず裏返っている部分もあります。風が強くなる前に巻きなおしておかねば。リーフしたメインセール1本でも平均速度がここまで6ノット後半を保っているので、着々と前進しております。8時緒と間から9時までの平均速度はなんと7.44ノット。これは観音開きで2つのセールで走行していた時のスピードです。
ごご1時53分、最短距離のラインをちょっと超えたので、そろそろタックすることに。
ここ一種間ちょっとの航海で、初めてのタックです。
スピードは波に押されると一気にはやくなるので、平気すると6.5ノットなんですが、私の計算方法は、Way Pointまでの残りマイルを時間で割って計算しております。でこその移動距離はWay Pointまで一直線に走った場合の距離なので、実際はもっと長い距離を移動しているんですね。だから実際の平均速度はもっと速いのです。でも目安として計算しています。
前夜主人がスコール到来時に慌てて巻き入れたジェノアは、ちゃんと巻かれておらず裏返っている部分もあります。風が強くなる前に巻きなおしておかねば。リーフしたメインセール1本でも平均速度がここまで6ノット後半を保っているので、着々と前進しております。8時緒と間から9時までの平均速度はなんと7.44ノット。これは観音開きで2つのセールで走行していた時のスピードです。
ここ一種間ちょっとの航海で、初めてのタックです。
午前3時、ブームがガシャンガシャンとジャイブしそうな音で目が覚めて、外に出ていくと主人が「風がかなり落おちてるのに波とウネリが大きすぎるからプリヴェンターがあってもジャイブしちゃう恐れがある、メインを下ろすぞ。」と言いました。ここから悪夢がスタート。
いつもなら風に真正面に方向を変えてからセールを下ろすのですが、この夜は風が真後ろだから大丈夫だと思ったのか、疲れていた主人がうっかりしたのか、方角をかえないままメインセールを下ろし始めたたんですね。そしたら、やっぱりうまく真っすぐ降りてこなかったので、慌ててまた上げ直しました。それからいつも通りに風に対して正面になるようにエンジンを付けて方向転換しました。その時になって、スコールが近づいてきてなんと風も20ノットになっていたのです。ダウンウィンドで20ノットはなんでもないですが、(むしろ大歓迎。)正面で20ノット、しかもウネリ3メートル以上という状況はかなりつらいものがあります。さらに悪いことに・・・その時、ジェノアが少しづつバタバタと引き出されているのに気が付きました!なんと、メインハリヤードをウィンチに巻き付ける時、それまで巻き付いていたジェノアシートのクラッチを下ろさずシートを放しちゃったのので、風にジェノアが引っ張られてきちゃったんです。やばい!と思っていたら、これでもかというように次の不具合。メインセールがまっすぐ降りてこなかった時にどうも、左側のレイジージャックをつり上げているロープが切れてしまい、そこからリーフィングしていたメインセールの下の部分がだらりと垂れ下がってきちゃったんです。あ~もうどうしよう!!!!とりあえず、ジェノアを巻き入れ直さねば!走行しているうちに強風のためオートパイロットでは長い間風に正面の角度でいることを保ち切れず、仕方なくマニュアルに変えて私が操船。この頃には本格的スコールで主人も私もびしょ濡れ。レイジージャックからこぼれ落ちたメインセールは船体の上でひらひら。このままでセールを下ろしたら海にセールが使っちゃうかもしれません。だってブームの上にセールを固定することができないのです。まずはレイジージャックを直すことが先決。暗い中ヘッドランプを付けて主人がどうすればいいのか観察し、予備のロープを持ってきてあちこちを結わえ始めました。その間、私は強風でバウがあっちにこっちに揺られる中雨に降られながらヘルムで、エンジンを吹かしたり弱めたりしながら風ゼロ角度に保つよう奮闘しておりました。
全部で1時間ぐらいかかったかな~。午前4時ごろには応急処置をしたレイジージャックにメインセールを落とし込み一見落着。あまりに心身共に疲れ切っていたので、セール走行することは考えられず、そのままエンジン走行で最短距離のラインに沿って明け方まで進むことにしました。私の仮眠は午前2時~6時なのですが、半分以上起きていたので、6時半まで寝ることに。
1月26日(日):6時半すぎ、私ウォッチ交代となりました。風向きを見たらなんとなくジェノアだけでセール走行できそうになってきました。しばらく様子を見て9時過ぎ、仮眠していた主人を起こし、ジェノアを出すことに。最初は念のためちょっとだけ。前方にも雨雲らしきものが。
少し様子を見ていましたが、大丈夫そうだったので私の判断でジェノアを全部出すことに。そしたらスピードも6~9ノットになり、安定して走るようになりました。揺れも少し収まり久々にスムーズ走行だ。
というのは、昨日、タックをしてからブームを支えるグースネック当たりで異様なギーギー音があり、主人が確認したらこれまでずっとポート側にブームを固定していたので、どうもグースネックが変形したようで、それで反対側にブームを移動させたら擦れるようになったらしいのです。どうりでケープ・バーディまではス―タ―ボード側にブームがあったのに異音は全くなかったのだ。しかもメインセールにもちょっとした破れがあることを発見。マストに繋がっている部分が、セールを再びあげた時にマスト周りのクリートにセール端がひっかかっていたのに気が付かず、電動ウィンチで力いっぱいあげちゃったので、その部分が破れちゃったのです。(同じ失敗を以前もやっているのだ。)幸いセール走行するのには特に支障がない部分なんですが、グースネックの事もあるし、この先まだ数日間走行し続けるので、大事を取ってもうメインは到着直前まで上げないことにしました。
つまり今後はジェノア一本で勝負なのだ!!!
昼間の温度はぐんぐん上がり、室内30度になっていました!
航海中シャワーは数日に1回しか浴びていないのですが、ずっと水シャワーです。でもタンク内の水が冷え冷えじゃないし、明け方エンジン走行をしていたので温水も沸いています。でも水の方が気持ちいい気温なのです。10日ぶりに洗髪しました。かなり揺れていた中、足をがんと固定してシャンプーするのは重労働ですが、さっぱりして気持ちがいい。
その後も気持ちよくジェノアはふくらみつづけてくれました。バタバタ音もギーギー音もなく、本当に快適だ。
スピードは一時的に9ノットや10ノットを超えることも。この日のディナーはいつも通り私担当。焼肉のタレで味付けをし、片栗粉でとろみをつけてご飯の上に乗っけていただきます。このスタイル、お皿が1つですむし食べる時も、揺れてても簡単なので、ほぼいつもワンプレート料理です。
相変わらずいいスピードだ。
午後11時ちょっと前、スコールで風速が27~31ノットぐらいになってたので、主人を起こして全開だったジェノアをちょッと巻き入れてもらいました。
でもそれも長くは続かず・・・11時半にはあっというまに14ノット程度の風になってしまい、またジェノアを全部出すことに。出す時は私一人でできます。
この後午前2時の私のウォッチ終了までずっと風は安定しており、せいぜい23ノットぐらいまでしか吹かなったので平均速度7ノットぐらいで快適走行でした。
この航海中で今回のドラマは初めてのプチパニック事件でしたが(スピニカポールが落っこちたのは2回目だったので驚かなかった。)結果ジェノアだけでセール走行を続けることの便利さを体験したので、結果オーライです。最初からこうすればよかったかな、とも思うけど。メインセールを一旦おろしてジェノアだけを試して、だめだったらまたメインを上げるっていう面倒を考えたら、これまでは試す気になれなかったのです。
さらにジェノア一本だけで走りながらも、先頭集団に付いて言っているSATOMI号はあらためて「凄い!」と自画自賛しております。
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ジェノアだけで10knt!
返信削除SATOMI号凄過ぎる。
トラブルの中も落ち着いて操船されたさとみさん。シャワー後の画像も含めてハンサムです。
ははは!本の一瞬ですけどね。20~25ノット吹き続けると安定して7~9ノット平均で気持ちよく走ります。
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