2025年1月28日火曜日

ジェノアだけだとタックも楽ちん&太平洋横断のための予行演習だね Day11

皆さんこんにちは!Sailing Stamperウェラード里美がお送りする手作りカードと船上生活レポの世界にようこそ!





カリブ海を目指して大西洋横断の第11日目。一日中風が突風時でも21ノットにしかならない状態でした。そのため波に揺さぶられた時にジェノアがバタバタしないよう何回か方角調整をしながらひたすらジェノア一本で進みました。スピードは観音開きの時より、多分時速で1.5ノットは遅くなっていますが、それでも突然風向きが変わったり、タックをしたい時なんかは、ジェノアだけの方が断然らくちんです。

前方の雨雲、スピードアップのためにこっちに来て欲しいと願っていたけど、そういう時に限ってこない。

1月27日(月):午前6時、私のウォッチ開始の少し前、風がすごく弱くなってしまったのでジェノアに風をはらませるため、進路をポート145度に変えました。それでもかなり横揺れは激しくて、動くたびにあっちこっちぶつけてあざだらけになっています。そのままだと南下しすぎるので様子を見ながら少しづつ角度を変えて北上していきます。6時半過ぎにはポート147度に。

8時半にはポート151度で走っていました。それ以前14時間の平均速度は5.6ノットで、かなりノロノロペース。これだと到着が一日ぐらい遅れそう。

9時半、期待していたウィンドシフトがありました。タックしなくてそのままの角度設定で自然に北上!これを待っていたのだ。

その直後、雲の影からかすかに覗く虹が見えました。ここ1日ぐらいスコールらしき雨に降られていませんが、あっちの方は降ってるのかな。ほんの20マイル違うだけでも雨降りと晴天の違いがあるんです。

夜のうちにコックピット内に飛び込んでいたトビウオは全部で3匹。ヘルムの両側に仲良く同じようなサイズのトビウオがへ立って居ました。トビウオメガネ?!

あっちは雨降りみたいだけど、ここには来ないねぇ。スピードアップのためにスコール大歓迎なんですけど。この頃私は外に出るたび、「風夜ふけ~雨よ降れ~」と声に出して祈っていたちょっと怪しいおばさん状態でした。でもなんか唱え散ると叶うきがするんですよ。


日の出が遅くなってきているので、おそらく時計をまた1時間ほど戻す時期に来ている気がします。時間的には10時半を過ぎているのにやっと朝ごはん。私はベーグルに目玉焼きとベーコン。

主人はベーコンとベークドビーンズにトースト。

そういえば出発してから10日以上たつのに、やっとフロント水タンクが空になりバックタンクにスイッチしました。毎日シャワーを浴びないと水の消費量がぐんと少なく、ケープ・バーディを出てきた時も、マリーナにいる間に使っていたのので、フロントタンクは3/4程度満タン状態でした。その後、第4日目あたりに数時間ウォーターメーカーを作動させて満タンまで1/8の状態まで戻したのですが、その後はずっとウォーターメーは使っていませんでした。何しろオートパイロットの油圧ポンプモーターの電力消費量がすごいので、なるべく余分な電気を使いたくないのだ。で、ようやくバックタンクを使い始めたのですが、残り旅程はおそらく最長でも5日間なので、バックタンクは余裕で持ちます。フロントタンクよりバックの方が大きいのです。夏の時期通常にシャワーを使っていてもバックタンクは2週間ちょっともつので、それを考えると、長距離航海中に数日おきにしかシャワーを浴びなかったら、前後タンクだけで4週間ぐらい行ける気がします。そういう目安が分かったのも、今後の太平洋横断に向けて、丁度いいテストとなりました。

他にも今回の大西洋横断第2レグでは、沢山SATOMI号について学ぶことがありました。すでに4年間生活していたとはいえ、ずっと地中海内の短距離走行しかしていませんでしたから、今回初めて知ったことが多いんです。オートパイロットが連続使用し続けるとどれぐらいの電力消費で、それを補うためにはどれぐらいの頻度でジェネレーターを使わないといけない、とかセールやブーム、グースネックなどどれぐらい酷使できるのか、さらにこれまでは問題になっていなかった問題が新たに分かったり。(当面スピニカポールカップに関してが最重要検討事項です。)太平洋横断に向けて、いい予行演習となっています。
それとこの日は、弱風のため波に翻弄されすぎて横揺れがすごく、その間スターリンクが非常につながりにくくなっていたんですよね。接続までに1時間弱かかったのは、これが初めてでした。

午後2時13分。自然に北上していましたが、セールのバタバタを抑えるためまた少し進路を変更して北上する角度を緩くしました。平均速度は5ノット程度しか出ていませんでした。
スピードが遅くて外がこんなだと、揺れが激しいのだ。

ウネリに押されている時と、ウネリの谷間に入っている時のスピード差が激しいです。



3時ちょっと過ぎ、主人はレイジージャックのチャックを閉じて、メインセールを完璧に収納してしまいました。つまりもうこの先メインセールを使うつもりはないということ。メインセールのマスト側部分に一部破れが発生したのです。すぐにVEラリーのカーロッタさんに、グレナダでのセールメーカーとリギンの会社を教えてもらい、主人はすぐさま会社にメールをしました。到着日はまだ決定していないんですが、1月30日と仮定して31日に見に来繰る子ができるかどうかの依頼をしておきました。

私の仮眠が始まる夕方6時前に、ディナーをすませます。なので5時半ぐらいに毎日食べています。この日は風が弱めだったのでウネリや波が午後になるにつれて収まってきたので、まだ横揺れはありますが、外で食事をしました。穏やかな揺れなので外にいるのがとても気持ちがいいのです。メニューは前日のローストディナーの残りと前々日のご飯の残りで炒飯。それに浅漬けキュウリ(と思ってケープ・バーディで買ったんですが味はウリに近い。)と生ハムサラダ。残り航海数が少ないのでレタスとかもケチらず消費です。

夕食後私がシャワーを浴びている間、外でちょっと音がしたな、と思ったらなんとタックしていました。ジェノアだけなので、主人一人でやれたようです。まずは進路変更してジェノアが反対側にバタバタし始めたタイミングでシートをリリース、反対側のシートを締め始めたそうです。メインセールが出ていると、ダウンウィンドでタックする時は、取り合えずジェノアを巻き入れて、それからぐるりと回転してメインをコントロールジャイブさせるので、タックが面倒なんですよね。だからあまり頻繁にしたくない。でもジェノア一本だけだったらこんなにタック簡単なんだ。

この後夜になるにつれて、風はさらに弱まりせいぜい18ノットぐらいしか吹きませんでした。セールのバタバタを防ぐために主人は何回か進路を変え最終的にスターボード160度の角度で進むことに落ち着いたようです。

私のウォッチ開始の午前2時ぐらいから、少し状況がよくなり風も16~21ノット辺りをウロウロするようになったので、平均速度が多少上がったようでした。外に出るたび、例の「風よふけ~」の呪文を唱えていたのが効いたかな?!

何事も事件のない11日目でした。


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