2025年1月24日金曜日

たったの5日間しかもたなかった新品スピニカポールカップのトラック Day6

皆さんこんにちは!Sailing Stamperウェラード里美がお送りする手作りカードと船上生活レポの世界にようこそ!




カリブ海を目指して大西洋横断航海第6日目の22日は、ショックな出来事がありました。ケープ・バーディーに来る途中で破損したスピニカっポールカップのトラック、ミンデロで新調したのに、たったの5日間でまた壊れてしまったのです。作りの問題なのか、トラックにカップを設置するというSATOMI号の構造上の問題なのか・・・いずれにしてもまた観音開きができなくなり、航路を大幅に変更することになりました。

トラックの片側がぽっきり折れてているのは、前のモノと同じ破損状況。

1月22日(水):午前10時、私のウォッチが終わろうとしていた時、外でガターンとこれまでにない大きな音がしました。観音開きにしていても波で揺さぶられるたびに、ジェノアがバタバタしたりして、ある程度バタンバタンと音はずっとしているんですが、それ以上にでっかい音で、しかもこの間聞いたことがあるデカさの音・・・そう前にスピニカポールが突然落っこちた時の音と同じだったのです。慌ててて外に出てみると、案の定、スピニカポールがマストから外れて変に宙ぶらりんになっているではないか!

この日は明け方から揺れが激しくなってきていて、この時もかなり左右に揺さぶられていたんですよね。だからスピニカポールを落っことさないように下げるのに四苦八苦。

30分弱かかってやっとポールを固定して、からまってたラインを直せました。

あちゃ~前のと全く同じ状況で壊れています。ポールが片側に出ているので、そっち側のトラックに負荷がすごくかかるんですよね。でっかいジェノアを支えるためにポールも結構重量があるものです。そもそも移動式になっているのが破損しやすい原因かもしれませんが、良くみたら、溶接が全部にされていたわけではなく、2か所だけだったので強度にも問題があったのかも。
作ってもらった時は、週末に来てくれてしかも翌日仕上げてくれたので、すごくいい職人さんだと思っていたのですが、どうも手抜き工事だったかもしれません。というのは、同じ職人さんにPaloma号のティオさんも、手持ちの部品の予備を作ってもらったのですが、その溶接も、オリジナルのものが2か所で溶接してあるのに、作ってもらった方は1か所しか溶接されていなかったので、ティオさんが「見かけはいいけど、あまりいい仕事をしていないかも。」と言っていたんですよ。その通りでした!

さらに、破損しちゃったものが他にもあります。スピニカポールを下ろそうと奮闘していた時、ぐらっと揺れて船体の上に落っこちちゃったんですが、その着地点にあったウッドのレールが壊れてしまいました。船体の上、両側についていて、そこにハーネスとかを引っかけて移動できるようになっているものです。でもこれが変わりに壊れてくれたおかげで船体には傷がつかなかったのかもしれません。

仕方がないので、ジェノアはメインセールと同じ側に移動させて、ちょっと進行角度を変えました。

お疲れさまでした。

この日あたりからウネリはどんどん大きくなっていき、間隔も短くなってきたので揺れはさらに激しくなっていました。

でも幸い、この時点ではスピードがそこそこあったのと進んでいる角度とウネリの角度があっていたので、それ以前より揺れが激しくなったけれど、この後に発生する大ウネリに比べたらなんでもなかったのだ。

これから北向きに進みます。

おやつに主人がクレープを作ってくれました。ランチ替わりでもあります。


午後2時半、観音開きの時は平均速度が7.5ノットぐらいだったことに比べると、6.9ノットから最高でも7.4ノットに落ちてきました。


波に乗るとちょッと早くなるけどねぇ。


時間が経つにつれてウネリはどんどん大きくなっていきました。予報でも3メートル以上の高さが8秒間隔でやってくるのがわかっていたので、そろそろやってきたか?!


午後3時、ウネリに揺さぶられてジェノアがバタバタする頻度が増えてきたので、全開からかなり巻き入れ状態にしました。
だんだんスピードが落ちてきました。ま、風も弱まったけどね。グレーのラインが目的地に向かって最短一直線のラインで、今までその南側を走行していたのですが、観音開きができない今、真後ろの風ではメインセールだけで走ることになり、超スピードがダウンとなってしまいます。スピードがダウンするとウネリに翻弄されて不快感がますので、最低6.5ノットぐらいで走っていたい。なので今後はタックをする形で北に向かって走る作戦にしました。

ジェノアはちょっぴりでも相変わらず時おりバタバタして、その都度プーリーがガタンと大きな音を立てるので、なんとかそれを軽減する方法はないか、とプーリーからシートを外して、メインセールのプリベンターの外我側からスターンのウィンチに巻き入れるのをやってみました。

次にプリヴェンターの内側に移動させてみました。

でも結局バタバタ軽減やプリヴェンターとの擦れを軽減する効果はなく、元どおりにトラベラーを通してスターンにもどすことに。暇だからいろいろ試してみたくなるのです。

午後6時、ウネリからの影響を軽減するためスターボード165度で進むことに。これだとジェノアが常にバタバタになるので、ほんの申し訳程度のサイズしか出せません。リーフしたメインセールだけに頼ることに。

だからスピードは激減。観音開きをしていた時の航路とほぼ同じです。


ウネリの角度は真後ろに近く、波乗り状態になるので斜め横からばしゃ~んと揺さぶられる回数は減って、快適さは増したのですが…スピードがねぇ。

これまでずっと最低でも7ノットの高スピードを保ってぶっ飛ばしていたのに、なんかこんなスピードで走らせちゃってSATOMI号に申し訳ない気持ちになりました。

夜10時20分過ぎ、夕方からの平均速度を計算したら、なんと5.4ノットしか出てなかった!過去最低スピードじゃないか~!この調子だと航海日数が2,3日延びちゃいます。


私が仮眠中の夜10時~午前2時までの間、途中でジェノアを出す音がきこえました。やはりジェノが出ているとスピードも上がり安定性も増すので船内でも揺れが減り快適に眠れてたんたですが、その状態も長くは続かなかったみたいで、明け方また揺れが激しくなってスピードが落ちジェノアを巻き入れたのがわかりました。あ~あ、観音開きできないと辛いなぁ。


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2 件のコメント:

  1. 経験値を積まれていますね。
    Kazi1月号で尾崎香代さんが「長距離航海に必要なことは、帆走より修理の技術ですよね」と言われたのと重なります。

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    1. 本当にその通りです。自分でやるしかない状況なので、それができないと航海自体を断念せざるを得なくなりますしね。航海中でなくても故障を自分で直せないと、それだけで無理して港に戻ることになったり、コーストガードを呼ばざるを得なくなったりします。主人いわく基本的なメカニックの知識がない人は船に乗ってはいけないと思う、だそうです。

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