皆さんこんにちは!Sailing Stamperウェラード里美がお送りする手作りカードとギリシャ船上生活レポの世界にようこそ!
一般には2020年の11月1日に発表になったスタンピン・アップの日本市場撤退ニュース。デモンストレーターには10月30日に告知があったのですが、私を含めリーダーグループのデモンストレーターには、その前日、つまり昨年の今日10月29日に、先に通知があったんです。
早いものであれから一年。私だけじゃなく沢山の人が、物凄い衝撃を受けたと思いますが、丁度昨年の10月末っていうのは、SATOMI号がローマのオスティアを出て、初めて動き、ギリシャへ向かってやっとこさ出発をした時と重なりました。
10月28日に念願かなってやっと、オスティアを出ることができたのもつかのま、エンジントラブルがあり海に出る前に、近くのシップヤードに避難係留したのです。その辺りの経過は<こちらのブログ記事でご報告しています。> ブログはいつも数日前に予約投稿しているので、記事の日付と発生した日付はずれているんですね。2020年10月30日の記事で、28日に出発したことを書いています。
2020年10月28日までいたローマオスティアのマリーナ
せっかく出航できたのにエンジントラブルで、川の上流のシップヤードに緊急退避。ここに繋がったまま10月29日に衝撃のニュースを聞いたのです。
事の始まりは、10月26日だったかなぁ~、メールでスタンピン・アップジャパンの幹部の方から緊急に米本社のスタッフと29日にZoom会議をすることになったが出席できますか、と連絡が来ていました。日本との時差が7時間あったので、会議の時間は私にとってまだ暗い早朝時間。さらに出航日と重なりそうだったので、欠席の返事をしていました。でも可能なら直前に出席するかもとお伝えしました。
エンジン故障があったので、29日は思いがけなくまだオスティアにいたのですが、直前にスケジュールが変更になったので「ドタ参加」も悪いかなと思い、予定通り欠席しました。すると今度は「ミーティングの内容を今日中にお伝えしたいのでZoomできる時間を教えてください。」とのこと。なにやら普通のミーティングではなさそう。そこで、エンジン修理の技術者が仕事を終えたぐらいの時間帯なら船内が落ち着いているだろうということで、時間のお返事をしました。
そして、Zoom会議がスタートと同時にSUジャパンの幹部の方が「米本社とのミーティングではCEOのサラに、シェリも同席しました。」と言った瞬間、嫌な予感がしました。それってよほどの事がない限りあり得ないこと。そのタイミングでCEOと創設者が、わざわざ日本のデモンストレーターのためにミーティングをするような理由は全く考えられない状況だったのです。続いて「悲しいお知らせです。」という言葉で、すぐにピンときました。「日本市場撤退。」・・・続いて出た言葉は予想どおり。
当時の私は、販売成績こそ国内では常に上位だったし、グローバル100位以内にも入賞を保っていましたが、他国の同じぐらいのキャリアのデモさんに比べて、自分の成績の伸び具合の遅さにすごく歯がゆい思いをしていました。オーストラリアのデモンストレーターも兼任していましたから、他国のマーケットの成長ぶりもわかっていました。努力をすれば必ず結果につながる・・・そう信じて常にベストを尽くしていました。確かに、結果は出ていましたが・・・同じ努力をオーストラリアのマーケット向けにしていたらもっと成果があがっているのではないか、という疑問が常にあったんです。オーストラリアで同じぐらいの時期にデモになって、同じような販売戦略を取り、活動内容も似ていてたデモさん達が、どんどん自分を追い越していきました。そういう方達に、どうしたらいいのか、何が足りないのか、相談もしたのですが、みなさん「やるべきことは十分やっていると思うよ。」と言ってくれて・・・でも結果につながらない理由は解決せず、他のせいにはしたくないと思いつつも、もしかしたら「市場自体が他国よりも難しい状態なのかな。」と思わざるを得なかったのです。だから米本社が、これ以上日本のSUを支え続けることはできない、と判断したのも、正直いって、私にはうなづけることだったんですね。
だからといってショックを受けなかったわけではなく、ミーティング中、涙がボロボロこぼれて止まりませんでした。主人もその様子をみて、ただならぬことが起こっているのを察しました。そのお知らせは、一般のデモンストレーターには翌日の30日にデモ専用サイトにCEOの挨拶ビデオと共に告知がでること。一般の方には11月1日まで開示は禁止ということでした。
少し落ち着いた後、同じショックなニュースを会社のサイトで目にするチームメンバー達は、いったいどんな気持ちになるだろう、と思いました。私たちチームリーダーは直接会社の幹部の方からお話を伺いましたが、あらかじめチームFB内に、「重要なお知らせが出るので必ずサイトを確認してください。」とお知らせをいれたものの、いきなりサイトを見て「撤退」の文字をみたら・・・。コロナの第2波がやってきていて、気軽に外出したり集まるということができない状態で、ショックを分かち合う相手がいないまま、たった一人で衝撃を受け止めるチームメンバーの気持ちを考えると、どうしても直接お話をしたくなりました。だからといって私自身が何ができるかなんて、まったくわからなかったけど。
エンジンの修理が終わったので、10月30日に再出発となりました。その日にチームメンバー全員が衝撃のニュースを知ることになるので、時差を利用して、私にとっては出発前、日本のメンバーにとっては夕方の時間に、チームFB内でZoomミーティングをすることにしました。都合が合う方だけZoomに参加しもらい、そうでない方のためにチームFB内にライブ配信の録画が残るようにしておきました。
今後のことをわかる限りできるだけ明確にご説明して、ショックだけども撤退までの数カ月間をいかに悔いのない活動にしていくか、私自身の考えをお話するぐらいしかできなかったと思います。でもこんな時だから「ひとりじゃないよ。仲間がいるよ。みんなで乗り切ろうね。」と言うことをわかってほしかったのです。そして一番それが必要だったのは私自身だったと思います。
10月31日、セーリング中にお客様からの「スタンピン・アップが日本から撤退するって本当ですか?」というメッセージを見て、大慌て!すでにウィスパーホワイトやトリマーのカッティングブレードとかダイカットマシーンのカッティングプレートなんかも品切れになってました。11月1日まで一般告知してはいけないのに、すでに情報を流している人がいるということです。でもそれは、情報開示していいいのが11月1日からだ、というのがCEOサラさんの動画内でしか言われておらず、文字としては掲載されていなかったので、勘違いしてしまう人がいても仕方ない状況だったのです。
幸いネットが通じる海域だったのですぐに、日本の幹部の方に連絡を取り11月1日まで情報開示をしないよう、デモサイトに明確に指示をしていただく旨、お願いしました。そして品切れ品の追加納入があるかという事もすぐに調べていただくようにお願いしました。セーリング中でなかったら、日本にいたら、もっともっと瞬時に在庫の動きを把握したり、お客様に情報が流れる前に、明確に「11月1日まで情報開示禁止」を告知しないと誤解を招く、と連絡できたかもしれない・・・・と思うと、すごく悔やまれました。
そして11月1日またチームFB内で突撃ライブをしました。オーバーナイトで航行中の二日目だったかな~。
先が見えない、これからどうなるのかっていうのが不明、っていうのが一番不安だと思うんですね。チームリーダーとして、少しでもチームメンバーの方の不安を軽減したかったし、ただでさえ、同じ国にいなくて時差もあり、ネットもいつもつながるとは限らない海の上にいて・・・なんていう私に対して、根気よく、忍耐強くついてきてくれているメンバーの方には、本当に感謝の言葉しかなくて、だから、まずはSYSLSチームのFBを今後どうしていくのか、をお話ししました。細かいことはわかっていない時点でしたが、撤退と同時にいきなり失くしてしまう事は考えていません、とお伝えしたかったのです。だってせっかく大好きなペーパークラフトを通じて出会った大切な仲間たち。スタンピン・アップがなくなるからって、はいそれまでって言う感じで縁が切れてしまうのは、とても悲しいと思ったんです。メンバーの方が全員そう感じていたかどうかはわかりませんが、少なくとも私自身は、それが一番耐えられないと思いました。
その後、最後の買い溜め合戦もすでにスタートしていたこともあり、お客様へのご対応案件もたまる一方でした。だからチームメンバーの方への個々の対応というのは、しばらくはとても手が回らないことになるのは明白でした。だから「リーダーに質問しても全然反応がないな。毎月この時期にはこういうチーム企画があったのに。撤退するから、もうどうでもいいのかなぁ。」と不安がつのらないように、当面のウェラードの状況をお伝えしたかったのです。全体に対して一方的なFBライブでのメッセージしかできなかったのですが、それでも各自がとてもしっかりとされていて、疑問点もチーム内で共用していただき、本当に、本当に、私はチームメンバーに恵まれているなと痛感しました。
いろんな企画をご提供していましたから、それがどうなってしまうのか!というのがお客様にとって一番知りたいことだと思ったのです。一生懸命気持ちを落ち着かせて、今後の事に意識を集中させました。今思えば、そうやっていち早く気持ちを切り替えざるを得なかった状態だったのが幸いだったかも。その後、撤退の日まで、がむしゃらに、いつも通りにデモンストレーター活動を「最後まで悔いのないように続ける」ことに集中しました。
一年たってみて・・・・なんだかすごく遠い昔のような気がします。やり切った満足感をもって「デモンストレーター時代」の幕を閉じることができたし、その後も元チームメンバーの方達との交流も継続しています。そして、今日、一年前の出来事や自分の気持ちを改めて見つめ直せたので、これで完全に幕を閉じたって言う気がしています。だからきっと来年は、この日が来ても、いろいろ思い出すことはないような気がします。
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