皆さんこんにちは!Sailing Stamperウェラード里美がお送りする手作りカードとギリシャ船上生活レポの世界にようこそ!
7月9日はKnidosという古代都市の遺跡がある湾に移動しました。週末ということもあり、何十隻もの船が滞在してましたよ。これでもかっていうぐらい混んできて、中にはアンカリングの仕方を知らないのかな?と思うような超初心者も来てハラハラドキドキでした。
7月9日(土):8時にダッチャの港を出発です。前の夜に気が付いたのですが、SATOMI号の斜め前に碇泊しているヨットの名前が「桜SAKURA」だったんです。
ちゃんと感じで桜って書いてあるし。気になっていたので、出発時に近づいてみるとデッキに人がいたので声をかけてみました。「なんで桜っていう名前なんですか?」と聞くとトルコ人のカップルの男性の方が女性をさして「彼女がこの名前が好きなんですよ。」と教えてくれました。英語だとチェリーブロッサム、桜色を意識してかすべてがえんじ色で統一された可愛らしいヨットでした。
メインセールだけあげて、ひたすらエンジン走行。
週末だし、月曜からイスラム教関連の祭日にあたっているらしく、しかも火曜日から3連休のようで、そのせいか、沢山の船と行き違いました。同じ方向に進むヨットは勿論みんなエンジン走行で、メインセールさえ出してない船もいましたが、反対方向に進むヨットでさえ、セールを出していない船も結構いて驚き。この風なら楽々ジェノアとかジブだけでセーリングできるのに。勿体ないな。
相変わらず前からの波しぶき攻撃です。もうドッジャーの窓のビニール部分には潮が沢山こびりついて曇ってしまってよく見えません。
最近の軌跡を見ると、あっちこっちジグザグしてきてるなぁ。ピンクのラインですが、画面からはどれがSATOMI号の軌跡なのかわかりずらいですね。他のラインも沢山ついているから。波にも押されてましたが、メインセールを上げていたのでちょっとそれが助けになてエンジン走行で7ノット以上出ました。
途中こんな形のパワーボートとすれ違い。これ最近時々見かけるんですが、最新デザインなのかもしれませんが、正直、これのどこがかっこいいのか理解不明。エアロダイナミック的に効率がいいデザインなのかもしれませんが・・・・私にはおもちゃの船みたいに見える。
エンジン走行だと最短距離を進むので、タックする必要もなく、やることも特になくとっても暇でした。日本の友人とライン電話したりしているうちに、お昼ちょっと前、目的地のKindosにつきました。
遠くから見ても、すでに結構な数の船が入っているのがわかりました。アンカリングする場所あるのかなぁって心配でしたが、中に入ってぐるりと様子を見てみたら、なんとかいい場所が見つかりました。最初にアンカーを下ろした場所は、結構深い位置で、チェーンが延びるにつれてスターンが岩場に近づいていきました。特に問題はない場所だったんですが、夜になって風が20ノットを超えてくると(予報によると)、きっと気になってしまうだろうなっていう位置。そこで、納得いくまでリアンカーすることに。このあたり、チャート上の水深が不確な場所が多く、チャートより深かったり浅かったりと、いってみないとわからないってことが連続していました。ここでも同じ。思ったより深かったので、さらに湾の反対側、遺跡に近い方にも様子を見に行きました。そこは水深は10メートル以下でいい感じだったのですが、上から見下ろすと海底が海草が生い茂っている場所や、岩がゴロゴロしている場所が多く、一見砂地に見えてもしたが石じゃないの?っていう感じがしたんですね。バウで私が見下ろしているんですが、どうしてもその辺りにアンカーを下ろす気がしなくて、主人に「なんかここ、嫌だな。あっちの方が良かった気がする」と言うと主人も同じ気持ちだったのか、また最初に下ろした場所の方に戻りました。
今度は右手前の小さいパワーボートのすぐ後ろ辺りにアンカーを下ろしました。ここらあたりは6メートルと浅い場所でした。ラッキーなことに後ろにいたキャタマランが出ていったので、最初に出していた長さのチェーンよりもさらに長く出すことができました。最近、ちょっとでも納得できないと、何度もアンカーを打ち直すことに慣れてきました。最初は手間に感じますが、夜が更けてきてからの安心感を考えると、絶対やり直した方がいいなと思います。
この時点でも、後ろを岩場に繋いでいる船を含めて30隻は最低いて、私達的には十分「混雑」したアンカレッジと思っていたのですが、実際は夕方になるにつれてこんなの序の口だったことがわかりました。
最初にアンカーした時、あの岩場に近くなりすぎてしまうのが気になってた。今晩の風向きだと、この方角でスターン・トゥーをすると、アンカーが流れた場合、後ろの岩場に衝突の恐れがあるのです。画面左に見えているパワーボートは夕方になってからバウを再度の岩場につないで全部で4か所固定していました。賢明な判断です。
最初、ここに2泊しようと思っていたのですが、あまりにも沢山の船が周りにいて落ち着かないので、翌日移動することにしたんですね。なので、一休みしてから午後3時すぎに上陸して遺跡見学をすることにしました。
ここにはコンクリートのワーフもありますが、一杯でした。係留すると有料ですけど。最初はここが開いていたら付けようかなって思ったのですが、いい場所にアンカリングできたので問題なし。
あっちにも建物がありましたが、宿泊施設かな。レストランらしきものは遺跡の前に一軒あるだけ。
結構大規模ですね。この場所を日本語で検索してもヒットしないので、日本人の方にはまったく知られていない場所かもしれません。トルコで古代都市といえばエフェソスの方が有名ですしね。でもここも結構立派で見ごたえがありましたよ。
同じような年代だからエフェソスの古代都市と似ているのは当然ですな。ミニエフェソスって感じ?
この湾は、外の湾からは見えなくておそらく当時は入り口に門などがあったと思われます。戦闘用の船をここに隠していたそうです。外の湾は、入り口が広くて一見簡単にはいってこれそうなんですが、岩がゴロゴロしていて決められた航路でしか入れないそうです。敵はそんなことを知らないから入港してくると、岩で座礁してしまうんですね。だから入り口付近海底には沢山の沈没船があったそうです。
ここはハーバーストリート沿いにある商店街の一角で、ここだけ立派な家屋になっており、名誉の人がここに滞在したそうです。
その隣の入江もこんなきれいな場所。残念ながら風向きの関係でここには滞在できません。
円形テーブルのテラスだって。
このターバンみたいなのダッチャの街で買いました。セーリング中も風で髪の毛がハチャメチャになるのを防いでくれて気にっております。
この時点でも十分沢山係留してますが、実はこの後少なくとも15隻ぐらいまた入ってきた!
野外劇場あと。遺跡と自分のヨットのショットもなかなかないですよね。
さて、遺跡見学も終わり、SATOMI号でお家ディナーを済ませ片付け物をしていたら、外が騒がしかったので出ていってみると、物凄い光景をみました。最終的には画面真ん中の位置に落ち着いたヨット、乗っている人が超初心者なのか、アンカリングをしようとするのですが、アンカーを下ろした後、バックせず同じ場所にとどまるどころか、船体が左右に揺れるのを恐れているのか、アンカーを中心にグルグル回っているんですよ。でアンカーを引き上げてはまた同じことの繰り返しをしていて、かなり焦りまくっている様子。焦れば焦るほどわけがわからなくなってしまいます。お父さんと小学生ぐらいの息子さんの二人みたいだったので、お父さんが基本全部やっていたみたい。チェーンがまっすぐになっていくにつれて船体はまっすぐになり他のアンカリングしている船と同じような方向に落ち着くんですが、それまでは風にあおられればあっちむいたりこっちむいたりします。それにパニックになっている様子で、チェーンを下ろし続けているのかどうかわかりませんが、ヨットを動かしているんですね。
で、見かねて写真右端の赤いボートをのっけているヨットの人がアドバイスをしてたよう。
私たちが入港してきた時でさえ、気兼ねなくどこでも好きな場所にアンカリングできるっていう感じではなく、何回かやり直したぐらいなのに、さらにその時より混雑していたんですよね。だから経験の浅い人がアンカリングしようとしたら、かなり難しい場所です。お互い結構ギリギリの間隔で碇泊しているので、その間をくぐって、不明な動きをしている船があるとみんなドキドキハラハラ。皆さん外に出て様子をうかがっていました。でもパニックになっている様子が分かったので、気の毒で仕方なかったのですが、ようやく落ち着いたの見てホッとしました。
でもドラマはそれで終わりじゃなかった。下の画像の左前のヨット、逆光なのでわかりずらいんですが、結構最新型のかっこいいヨットなんですが、この人も超初心者みたいで、ここにアンカーを下ろしたら、すでに岩場に後ろをくくりつけているアンカーを引きずってしまうぞ!ってい位置に下ろそうとしたんです。しかも、船体を左右に舵を切る代わりにバウスラスターを駆使(酷使)!こんなにバウスラスター使ったらモーターがやられちゃうよって他人事ながら心配になったぐらい。自分の船ならやらないから、レンタルかな。とにかくその動きを見ていて、超初心者だということがわかります。
で、このスターン・トゥーのパワーボートのチェーンをまたいでアンカーを下ろそうとしたので、ついにスキッパー(どうもオーナーというよりプロのスキッパーという感じだった。)が見かねて、テンダーに乗ってそのヨットに乗り込み、どこにアンカーを下ろせばいのか指示してあげていました。舵を取っていた人は30代ぐらいの男性で、奥さんと子供、それにご両親を乗せていて、ほかの人は全く何もやっていなかったので、多分レンタルしたんでしょうね。だって40フィートは最低あるねっていうサイズのヨットを一人で操船できるぐらい技術があれば、あんなこと絶対しないっていう動きをしていたので、おそらく超初心者だと思います。
当初は2日滞在しようと思っていたんで、遺跡見学を翌日に回そうと思っていたんですが、昼間の混雑具合を見たら、長居するのは・・・・という気になってきたので、午後に行っておいて本当によかったです。夕方になって、さらに混雑してきて、しかもハラハラドキドキのドラマを見てしまったので、もう1泊で十分っていう気持ちが固まってました。
きっとすごく人気のアンカレッジなんでしょうね。Bodrumの街からデイセーリングで来れる距離だしホリデーシーズンの週末だし・・・・で超初心者の人でも来たい場所なんでしょうね。でもいいなぁって思ったのは、困っている人を回りのトルコ人のセーラ―の方が助けていたこと。自分のヨットの近くに来ちゃっても怒ったりせず、静かに動向を見守ってるって感じでした。もしこれがオーストラリアだったら・・・かなり怒鳴り声がきこえそう。というか、ギリシャにいた時、ドイツやフランス、イギリスなどヨーロッパの国々からのヨットが沢山いましましたが、もし同じことがあの場所で発生していたら・・・と想像したら、きっと怒鳴って非難する人たちがいただろうなって思いました。ギリシャ人の方がそういう態度をしたのはあまり見たことがないけど、ヨーロッパの他の国の船籍の人たちが、そういう態度をしているのを見たことが何回かあるからです。よその国に来ているのにね。もしかしたらその国でセーリングすると周りがそういう態度なのかなぁ。
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