Let's Make a Card 手作りカードの世界　 : 予報以上の強風で急遽行先をギリシャのサモス島のアンカレッジに変更

皆さんこんにちは！Sailing Stamperウェラード里美がお送りする手作りカードとギリシャ船上生活レポの世界にようこそ！

7月19日、強風待避で3日滞在したDidimの街を出て、トルコとギリシャサモス島の間のアンカレッジに向けて出発しました。出てみたものの、目的地付近は予報を大きく上回る強風となっており、急遽ギリシャ領に戻りました。

7月19日（火）：目が覚めたら8時でした。前夜10時頃から突風時は30ノットを超える物凄い強風に見舞われたんですが、幸いアンカーはしっかり効いていたしチェーンも水深6メートルの場所で50メートルも出していたので安心でした。波の影響もなかったし。ただ、風の音がとにかくうるさくてうるさくて・・・ハッチを閉じると主人が「暑い！」というので、おかげでヒューヒューという音で一晩中ぐっすりという感じではありませんでした。一旦6時頃目が覚めたんですが、二度寝しちゃいました。

8時半にアンカーをアップして出発！ここ数日、エーゲ海の真ん中では連日強風が続ております。トルコサイドでも強風なんですが、予報ではせいぜい20ノットぐらいしかいかないはずなのに、最低が20ノット、という予報大外れの毎日。

アンカーを上げてすぐにメインセールをファーストリーフィングしてあげました。今のところは後方からの風なので、メインセールだけで6ノットなので上出来。

岬を回って初日に滞在したDidimの街の湾に差し掛かったところでジェノアも出しました。

あの反対側に今朝までいました。

良い角度だし丁度いい強さの風なので、8.5ノット以上のスピードで快走。ずっとこんな感じだといいんだけどねぇ。多分それはないだろうな。

8時50分ついにDidimの街とお別れ！

9時45分の時点でここにいました。本日の目的地は左上に見えるギリシャサモス島とトルコの半島のでっぱりの下側にある小さな湾です。

10時半ごろ、風はコンスタントに25ノット辺りになってきたので、ジェノアをちょっと巻き入れました。波しぶきもバンバン飛んでくるようになったし。

11時半ごろにはかなり波もあらくヒールもきつくなってきました。

1回目のタックを終えた後。セーリングできているのは嬉しいけど、いい加減前からの風はうんざりだなぁ。こうなってくると、私は最近床に椅子を置いて座っています。

12時10分ぐらいの位置。やっと半分ぐらいきたかな。

このあたり、漁船が多くて何隻もみました。

このあたりで主人がイルカを見つけたんですが、私はトイレに行っていて、主人の声で外に出てきた時は、すぐ横に一匹泳いでいるのが見えただけ。主人の話によると群れで泳いでいて、サイズもでかかったとのこと。ギリシャでもトルコでも今の所、チラッとしかイルカに遭遇しておりません。遊び心が少ないのかなエーゲ海のイルカたちは。

1時ごろ、2回目のタック後、真正面からの風となり、このちょっと前から風が少し落ちてしまってたことからエンジン走行に変えました。

1時半ちょっと前、このあたりが一番強風になっていて常に25ノット越え。28ノットとか普通に吹いてました。

お陰で波はザブンザブン。

なんといきなり左後方から波がザブンと乗り越えてコックピット後ろがびしょぬれ。

一体どこからこの波やってきたんだろうっていうぐらい、いきなり押し寄せてきたんですよね。あまりに一度に海水が入ってきたのとヒールしているので水が流れてくれず、ペットボトルをカットしたコップですくい出しました。

2時半ごろの時点で、すでに目的地の小さな湾のすぐ近くまで来ていました。

でもその場所、浅い場所が多くて湾内に入ってもほとんどの場所が3メートル以下の場所なんですね。一番深くても8メートルぐらいなんです。そこにアンカーを下ろしてもスイングするとその先が2メートルを切ってしまう場所の可能性がありました。当初は天気予報がせいぜい20ノットが最大というものだったので、その場所でもいいかなって思っていたんですが、予報を大幅に超えて常に25～28ノットになっていました。この後夜10時頃が一番風が強くなる予報で、その時が20ノットだったんですが、すでに25ノットもあったら夜になったら30ノットを超える可能性もあるわけです。そうなると、チェーンの長さを十分出せない場所というのはいくら浅くても不安が残ります。

そこで、目的地を変更してギリシャ領のサモス島のアンカレッジに行くことに。急いでカーテシーフラッグをトルコからギリシャに変えました。上陸しなければ、入国手続きは不要なのです。

風はこんな状態だったので、旗の付け替え一つも結構大変だった。

右手の旗がたっているのがトルコの半島の先っぽで、左がサモス島です。

画面の上がサモス島、右下がトルコ。真正面のアンカレッジに向かっています。

午後3時、無事サモス島のアンカレッジに着きました。サモスにいた時はここには来たことはありません。このちょっと手前のパイタゴラスの港には数日いて、その後、この先のKerveliという湾に行く時通過した場所です。上陸しなければ、出入国手続きなしでギリシャ―トルコ間を行き来していいので、このあたりのヨットはよくやっているみたいです。後ろにアンカリングしているヨットもトルコ船籍で、テンダーをおろしていないから私達と同じかも。

今日は荒れることが予想されていたし上陸の予定がなかったので、テンダーは出発時から吊り上げていました。

ここに来て本当に良かったです。というのはここも突風は25ノット以上になっているのですが、予報ではたったの15ノット程度のはず。つまり予報は大幅に外れているですね。でもここなら水深6メートルの場所に50メートルのチェーンを出すことができましたし、他に数隻のヨットがいますが、みなさん十分離れているので、すきなだけスイングすることができます。陸側から風が吹いてくるので、波の影響は全く心配なし。きっと昨晩よりもさらに快適に過ごすことができると思います。

ビーチもすごくきれい！だけど残念ながら上陸できませんけどね。不法侵入になっちゃうから。それとちょっと驚いたのは、夏真っ盛りのセーリングシーズンで、この辺りもでも大きい島のサモス島なのに、アンカレッジが思ったほど混んでなかったこと。ここ数日強風が続いているから、みなさん港やマリーナでおこもりしているからかしら？私たち的には丁度いいですけどね。強風時にお隣さんが近いことほど怖いものはありません。自分達のアンカーが大丈夫でもお隣さんのはどうなっているかわかりませんから。