2024年9月11日水曜日

30時間約180マイル!到着先は自分で開拓した泊地ーPort De Mazarron

皆さんこんにちは!Sailing Stamperウェラード里美がお送りする手作りカードと地中海船上生活レポの世界にようこそ!




9月9日の早朝イビザ島を離れ、30時間にわたるオーバーナイト走行でスペイン本土にやってまいりました。最初の10時間ぐらいはダウンウィンドでセール走行できていたのですが、後半予想に反して風が弱まり&角度も悪く、仕方なくエンジン走行に切り替え。目的地は緩く決めていて、だいたい30時間で行ける場所までという緩い感じ。ウネリに影響されない場所を探して、結局泊地アプリには乗っていないPort De Mazarronの港の近くに落ち着きました。でも海草群なのでアンカーは全然効いてなくて、チェーンの重さだけで止まっております。ま、今夜は風ないし、全然揺れないからいっか。アンカーアラーム付けてるしね。

9月9日(月):出発してから1時間ぐらいして。午前7時ちょっと前でもまだこの暗さ。十分な強さの風が後方から吹いていたので、ジェノアだけ出してエンジンを止めました。

スピードは軽く6ノット越えで、7ノット以上になることも。

後方から12~15ノットの風なのでジェノア1枚で十分走れます。

でも波は結構あるのだ。揺れが激しかったので、念のためライフジャケットを着用しました。

朝7時ちょっと過ぎ。久々にじゃんとしたセーリング用のジャケットも着用。ちょっと肌寒かったのです。

ようやく日が上ってきて周りの状況もよく見えるようになりました。

波は結構高いです。1メートルぐらいあるものが時々きます。真正面から出なくて良かった。アンカーをあげて湾を出る時は、この波に向かって進んでたのでバウは波しぶきでびしょ濡れ状態です。

午前7時半ごろ。まだイビザ島の周辺です。Sant Antoni De Portmany沖を通過中。

午前9時半。明るくなっていますが、まだジェノアだけで十分セーリングできています。波に打たれて左右に揺れるので、そのたびにジェノアがバタバタなるので、メインセールをあげていると返って邪魔になると思いました。

バセルトラッカーのアプリをチェックしていたら、SOYOKAZE号も同じ日にイビザ島を出発しているのがわかりました。彼らは私たちとは、島の反対側に滞在していており、そこからスペイン本土の、イビザ島からすると比較的正面になる出っ張ったあたりを目指してると思われました。おそらくあれがSOYOKAZE号だったと思うんですよねぇ。それにしても波、高いなぁ。

私たちは距離を稼ぐためにスペイン本土に沿って南の方に進んでいくので、風の向きがダウンウィンド150度程度となり、波にももまれちゃっているせいか、スピードは平均で6ノットぐらいとなりました。


朝9時28分のSATOMI号の軌跡。イビザ島の北西の端っこからスタートしているからね出発sてから3時時間弱たってるけど、まだイビザ島から離れられていません。


横からも時折波しぶきがくるので、デッキはびしょ濡れです。たまにコックピットまで飛び込んでくる波を、うまくかわさないと自分も潮かぶりとなります。

左右にねぇ~ゆれるんですよ。波で。


だから一方にヒールしたままだけの時より、あまり自由に動き回れません。

波に押されると風の角度がほぼ真後ろになっちゃうし。

午前9時50分はここにいました。朝4時頃から起きているので、眠くなっていて、私は出発してからすぐ1時間ぐらい横になったので、9時半ぐらいに主人に仮眠を取ってもらう事にしました。まだまだ先が長いので、寝れる時に寝ておかないと。


11時ちょっと過ぎ、主人が起きてきました。前夜のカレーを温めなおしてトースト一緒に朝食です。私はすでに主人が仮眠している間に食べました。しかも起きてすぐ5時半ぐらいにヨーグルトとミューズリーを食べてたのに、またすぐお腹がすいて、2回も朝食しちゃった。揺られているとねぇお腹が空くんですよ。幸い主人も私も船酔いをしたことがなく、私なんか
空腹だと気持ちが悪くなってくるタイプなので、食べてないとダメなのです。

12時半ごろ、風向きは悪くないですが強さがちょっと弱くなってきました。

なんとかまだ5ノットを保っている。最低これぐらいのスピードが出ていれば良し、としています。何とかこの日は最低でも150マイルは消化したいと思っていて、さらに明るくなってから到着できる場所に行きたいと思っています。

風が弱まっきたせいか、波がこの頃から穏やかになり始めました。


午後1時ちょっと過ぎ、風がさらに弱くなりつつある感じだったので、メインセールを出すことに。一旦ジェノアを巻き入れました。メインが波に押された時にジャイブしちゃわないようにプリベンターを設置。

それから再びジェノアを出したのですが・・・・やっかいなことに、十分な風の強さがなくてジェノアはバタバタしたりしぼんじゃうんです。スピニカ―ポールを出して観音開きにしるのがベストだと思うんですが、ユラユラ揺れる中の作業は面倒だし、苦労して設置しても風がもっと弱くなる気もして、気が進みませんでした。

しばらく様子を見ていたんですが、スピードが5ノット以下しか出なくなってしまったのでセール走行をあきらめてエンジン走行に切り替えることにしました。30時間ぐらいで距離を稼ぎたいので、平均速度6ノットぐらいは保ちたいんですよね。ここまでハイスピードで来れましたが、さすがに4ノットだと最初の貯金がゼロになります。しかも予報が変わっていて、風が強まる見込みが無さそうなんです。で、それほど風が強くないので、真後ろになってるので、メインセールを真ん中にしておいても、ブームが揺れてバタバタ音を立てます。

で、なんとかそれを回避しようと、メインを反対側に出してプリベンターで固定。これはこれで結構面倒だった。プリベンターを付け替える時、ブームがジャイブしないよう、プリベンターを緩めるタイミングでメインシートを引っ張って真ん中に戻すのですが、当然これは私の役割で、SATOMI号のウィンチは電動なんですが、なぜかこのメインシート用のウィンチだけ手動なのだ!だからせーの!でがーっとシートを引っ張り、その後すぐにウィンチハンドルをつけてグルグルするんですが、力がないから素早くできなくて。「はやくはやく!」とキャプテン・ロブに怒られてしまいます。これでも精一杯なのだ~!!!!

午後1時40分ごろ、最初のWAY POINTまでまだ100マイル弱あるもんね。4ノット程度でウロウロしてる場合じゃない。

午後2時、セール走行は完全に諦めて、とうとうメインセールも下ろしてしまいました。

風はついに体感で3ノット程度。ボーとスピードは7ノット弱。

午後3時ちょとすぎ、私だけ早めの夕食。揺れが少し収まっていたので、マリネしたチキンと野菜炒め。ご飯の上に乗っけて食べるので、一皿ですみます。私の仮眠が6時からスタートなので、その前に食事をすませ消化した段階で仮眠開始のためです。最初主人は「まだお腹空いてない。」と言ってたのに、私が食べ終わって少ししたら「僕も食べる!」だって。早く言ってくれ。
午後3時ぐらいから気づいてたんですが、スピードが遅くなってきてるんですよ。エンジンはいつもよりふかしていて、2000回転ぐらいにしているのにGPSのスピードが6ノット行かないのです。波に向かっていると多少遅くなりますが、2000回転だったら7ノットンスピードが出るはずのSATOMI号。

なんと、海流2ノット近くある!逆らって進んでいるみたいで船スピードは7ノットでもGPS場は5ノットぐらいでしか前進しておりません。この状態がこの後夜通しほぼずっと続きました。

だからかなぁ~貨物タンカーとかも結構陸に近い方を進んでいて、外に出ていたのは私たちぐらいだったので近くをすれ違う交通量がほとんどなかったのです。この後、夕方6時に私は仮眠に入りました。

夜10時から私のウォッチ開始です。エンジン走行なのでやることはほとんどありません。すれ違う船もあまりいないみたい。AISに乗ってっこない漁船をチェックするぐらいかな。

夜10時はこの辺りにいました。

暇すぎて退屈なウォッチは午前2時に終了。主人と交代します。いつも一日だけのオーバーナイトだと私は夕方6時からの仮眠はほとんど寝れてないんですよね。でも午前2時からはだいたいどんな時でも熟睡できるので、それほど疲れは感じません。連続走行が2日以上になってくるとリズムが出てきて6時の仮眠も眠れるようになります。反対に主人は、いついかなる時も自分で「寝よう」と思うと寝れちゃううらやましい体質。

朝6時になったら起こしてね、と言っておいたんですが自然に目が覚めたのは7時半ぐらいでした。外に出ていくと「あと数時間で着くよ。」とのこと。目的地を決めてなかったので、どこに行くのかな、と思ってみらチャート上一直線に向かっているCala Salitronaという場所でした。

朝7時38分の場所。

あと2時間弱で着くということだったので、主人はまた仮眠に入りました。

ここに来るまで、インターネットが全然通じなくて、どうもスペインは街がある場所じゃないとネットが通じないようなんです。で、目指していたアンカレッジは、Cartaenaの港と同じ湾内だったのですが、街の付近ではネットが通じていたのに、泊地に近づくにつれてどんどんシグナルが弱まっていったのです。

石油の大きなタンクがある。

だからかな、大きな貨物船が4隻ほどアンカリングしていました。

泊地に来たら、全くネットが通じなくなりました。え~それは困る。昨日からほとんどネット不通の状況だったので、最新風、天気予報を確認できておりません。連日移動が続くし、地中海に面したフランス海域あたりで、これから数日かなりな強風が続くので、その影響をどれだけ受けるのか、細かくモニターしたかったのです。で、岬の反対側には街があるのでそこの泊地ならネットが使えると思い、ここに泊まるのは諦めました。

ここまで来たらあと1時間ぐらい余分に走行しても大した違いはありません。ぐるりと岬を回って次の湾に入りました。

途中漁船が全く進路変更することなく私たちのバウに重なる進路で進んできたので、こちらがスピードを落として様子を見ていました。

漁師さんが網を引き入れているみたいで、作業をしていたので私たちに気が付かなかったのかも。途中でちょっぴり進路変更してくれたので、私たちは漁船のスターンですれ違うことになりました。

この湾には2か所泊があるんですが、どちらもウネリの影響を丸受けなのです。で位置的に港の前あたりがウネリから守られているので、そこは泊地じゃないんですが、海底が砂地とチャートにあったし水深もせいぜい7メートルぐらいんのでそこにアンカリングすることにしました。

で岸に近い場所にはリーフがビーチに平行に飛び出ているので、念のため深さを確認するために近づいてみたんですが、思ったより浅くて、リーフからかなり離れていても2メートルちょっとしか水深がないようでした。砂地とのことでしたが、実際はほとんどが海草群。砂地は浅いすぎる場所に所々ある程度。で、海草の真上だってことは承知の上で、水深7メートルぐらいの場所にアンカリング。念のためバックギアに入れて効きを確認しましたが、「全然効いてない」ことが分かりました。

でも、今晩は風がせいぜい5ノットぐらいしかないので、チェーンを30メートル出してその重さで止まることに。アンカーアラームはいつも設置しているので動いたらすぐにわかります。

それにね、11日も引き続き早朝から移動するので横揺れなしに休息できれば十分です。同じ湾の反対側にいた時は、結構緩やかなウネリを感じていましたが、アンカリングした場所は全く揺れておりません。とても静かで観光船などの往来もないので平和そのもの。これならゆっくり休養することができそうです。

これがイビザ島を出てからのSATOMI号の軌跡です。

本当はスペイン本土の海岸沿いをゆっくり観光しながら移動したいところですが、遅くても11月末にはカナリア諸島に着いていたいし、モロッコはちょっと時間をかけて見てみたいと思っているので、その前に整備を完了させるとなると、今は一刻も早くアルメルマルのマリーナに到着することが最優先事項なのです。それと、ハードスタンドに上げてる間、はやく整備が終わればその後の時間は、ドライブ旅行にあてることができるしね。観光はその時までお預けだ!

本日もご訪問ありがとうございました!ご覧いただいた記念によろしければ「ペーパークラフト」ボタンをポチっと押していただけますか?
             



PVアクセスランキング にほんブログ村

0 件のコメント:

コメントを投稿