2024年11月26日火曜日

モロッコ滞在総括&SATOMI号の航海トラッキングリンク添付

皆さんこんにちは!Sailing Stamperウェラード里美がお送りする手作りカードと船上生活レポの世界にようこそ!


本日26日の朝、ラバットを出発して一路カナリア諸島を目指す航海に出ます。予定では4日後の29日夕方にグランカナリアに到着します。モロッコには合計3週間も滞在したので、モロッコ滞在の感想をセーラー目線でまとめてみました。それとカナリア諸島までのSATOMI号の航海をトラッキングできるリンクも貼りましたので、毎日どこまで進んでいるのかチェックしてみてくださいね。

ラバットでは長さの関係でTバーポンツーンに係留でしたが、横づけなので便利でした。

<マリーナ>:
入ったことがあるのはタンジェ、ラバットの二つですが、Port Of Entryになっているのはあと1つアガダーがあります。それ以外にも漁港みたいなマリーナがあるようですが、モロッコでは一旦入国しても、毎回の港で出入国手続きをしないといけなくて、Port Of Entry以外の港に入ってしまうと、自らポートポリスやカスタムに出向かないといけなかったり、港まで来てもらったり必要があり、手続きに時間がかかることになります。Port Of Entryのマリーナはにレセプションポンツーンがあり、そこで待っていればマリーナチェックインと共に手続きも終了するので断然時間の節約になるのです。また現在アンカリングはモロッコ海域では禁止となっていて、ハーバーマスターから許可を得れば可能ですが、つまり港近くでないと無理なのです。実際は非常事態以外は許可がおりないみたいです。
タンジェとラバットを比べると、どちらもEU基準からすると格安ですが、ラバットは52フィートのSATOMI号で一日22ユーロ、これに電気水代が含まれているのでタンジェよりも安くなりました。また手続きの簡単さでいうと、タンジェでは給油したい場合、一旦給油スタンドポンツーンに係留し、あらためてすぐ隣のレセプションポンツーンに係留しなおすめんどくささがありましたが、ラバットでは、出発時、給油するならそのままそこで出国手続きもしてくれる、という非常にありがたいシステム。しかも値段もタンジェより安いです。

私たちも26日は給油してから出ます。出国手続きもついでにできるのは本当に便利。
 

ブー・レグレグは川の中ですが潮の高低差が数メートルあるので、入港時にタイミングを計るのが重要。このあたり奥の方の船は干潮時は陸の上です。

<各都市の雰囲気>:
タンジェジブラルタルのすぐお向かいなので、ヨーロッパの国にいるのとあまり雰囲気に違いがありませんでした。ヨッティ―目線でいくとおそらくマリーナから徒歩移動できる半にの便利さや公共交通機関の充実が需要だと思います。タンジェはマリーナがちょっと街から離れているのですが、バスに乗るほど離れていないのでメディーナに行くのに30分弱歩くことになります。

ラバットはスーパーがすぐ近くにあり、レストランもマリーナ付近に集中しているのですごく便利。さらに徒歩5分ぐらいで路面電車の駅があるので市内観光にとても便利です。首都だけあって、小奇麗で落ち着いててほどよくヨーロピアンなのに、本格的メディーナがあちこちにあるのでいかにもモロッコを実感できます。

ブー・レグレグ(ラバットマリーナ)の周りは新興住宅街。
モロッコドレスは暑い日にはぴったり!

カサブランカは普通の都市っていう感じで、しかも非常に混雑していて名前が売れている割にはそれほどいいとは思いませんでした。一日あれば十分という感じ。ちょうどラバットとマラケッシュの間(地理的にもですが)という感じ。港は商業港しかないので個人のヨットではいけません。その手前に小さな漁港がありますが、そこに係留するぐらいならラバットから高速電車で行く方が安心便利だと思います。メディーナには営業時間に行かなかったのですが規模やお店の外観からすると観光用というのが強い印象でした。

マラケッシュはアフリカ大陸にきたぞ!という雰囲気がひしひしとする、常に砂埃や車の排気ガスで空気があまりよくありませんでした。一大観光都市なので常に賑やかでベルベル人の文化の方が強くヨーロピアンな感じは少なかったです。道路は常に渋滞しており、どこに行ってもうるさくて長居はしたくないな、という感じでした。内陸なので、ここに来たい場合はタンジェかラバットに船を置いて高速電車でやってくるのがベストかも、です。メディーナの規模はかなり大きかったのですが、値段はちょっぴりラバットより高かったです。でもモロッコに来たならカサブランカを飛ばしてでもマラケッシュは見ておく方がいいな、と思いました。それに砂漠ツアーに行きたかったら、マラケッシュ発が一番近いですし。

<モロッコでの運転>:
ラバットで初めてレンタカーを借りたので、タンジェにしてもラバットにしても道路が広くて運転しやすそう、と思っていたのですが、マラケッシュに行ってからがらっと印象が変わりました。交通ルールは存在するのか?特にランドアバウト内では外側からいきなりウィンカーもなしでぐいぐい被せて内側によってきます。また直進車両を無視していきなり目の前を右折したり左折されたりするので鋭い反射神経が必要です。そしてちょっとでも信号が変わって発進が遅れるとあっちこっちからクラクションの波がやってきます。よほど荒れた運転に慣れていない限り、ラバット、タンジェ以外では運転は厳しいいと思いました。

ラバットではちゃんと車線もあるし、それに収まって運転してますが、マラケッシュではそうはいかない場合がほとんどでした。

<物価と両替>:
1ユーロが10.75ディリム前後で、レストランで外食した場合でもメインディッシュが250DHを超えることはあまりありませんでした。勿論お高級レストランは別ですけど、一般的なレストランはイタリア料理とかでもせいぜい150DHぐらい。マリーナ代が40フィート以下の船だったら多分一日10ユーロ代なので国全体の物価はユーロで計算すると非常に安いと思います。スーパーでも、4日間クルージングのために食力を買い溜めしましたが、それでも160ユーロぐらいで収まりました。

お茶はアラブのウィスキーと言われているぐらいよく飲まれているので、種類がこんなにあった!

大型ショッピングセンターもあって、ヨーロッパの他の国と比べて遜色なし。お馴染みブランドのショップもありました。

フードコートで食べた牛肉ラーメン。スープの味はなかなか美味しくて普通にラーメンのスープだったんですが、麺がねぇ・・・ブチブチ切れる茹ですぎパスタみたいだった。
これは高い方で、10ユーロちょっとしたかな。


別の日に違うお店で寿司を試しましたが、サーモン握りは二つあって、なかなかネタは新鮮で美味しかったです。このセットは85DHなので10ユーロ以下。

ラバット最終日にマリーナ付近のモロッカンなお店で朝食をしました。

スープ、パン、ハムエッグに飲むヨーグルト、オレンジジュースとホットドリンク付きで75DH、つまり7.5ユーロぐらい。モロッコ料理は全体的に安いですし、ラバットマリーナ付近のレストランは全体的にそれほど高くないです。タンジェマリーナより断然安いしお店も多いです。



両替ですが、マリーナとかスーパー、ショッピングセンターやおしゃれ系レストランだったらクレジットカードは問題なく使えましたが、一般的なお店、カフェやローカルレストランの場合は圧倒的にニコニコ現金払いが普通です。ユーロも普通に通用しますが、その場合どこでも1ユーロ10ディリムで計算されちゃうので、両替所よりも損なんですよね。なのでタンジェにいた時と、マラケッシュに向かう途中でユーロをディリムにまとまった金額両替しておきました。両替率はそれほど悪くなくて、生レートよりも数十セント違うだけぐらいでした。マラケッシュに行く途中の地方都市の両替所では、両替レート自体を交渉できたのでさらにお得でした。地方都市でも空港が近くにあったので両替所があったみたいです。予め生レートをネットで調べておくと安心です。ちなみにタンジェはマリーナ付近の道路沿いに何軒も両替所がありましたが、全部同じレートだったのでぼったくりの心配はなさそうでした。

あとお買い物時の値段交渉ですが、メディーナなどのマーケットでは値段交渉できますが、ヨーロピアンなお店ではだめです。カーペットを半額以下で買いましたが、それでも相手に利益がなければ応じてくれないので、ダメもとで半額の値段を言ってみてもいいと思いました。だいたい複数買うと値引きはしてくれます。ちなみにマラケッシュのメディ―ナ、ラバットのお店と比べたら値引き自体はすんなり、むしろお店のひとからオファーしてきたりするんですが、もともとの値段がちょっと高いと思うんで、最終的には同じぐらいかちょっぴり高いかぐらいでした。ただマラケッシュの方が旅行者に好まれるお洒落なデザインのものが多かったかも。


ラバットはマリーナのすぐ近くに何か所もカスバ(城塞都市)があります。


それぞれ規模も大きくて、実際の一つの街がすっぽり城壁の中に納まっています。




一番長く滞在したので勿論ひいき目100%なんですが、ラバットがセーラーとして一番居心地がいいです。タンジェはまだまだヨーロッパにいるような気分が抜けなかったし、見どころもメディーナ以外にあまりなかったし。でもラバットはマリーナからハッサンタワーを毎日眺めたり、徒歩で普通の地元の人が買い物に行くメディーナとかに行けます。首都なのでロイヤルパレスがあるからか、全体的に秩序があり清潔感があります。それとマリーナで言えば、ポンツーン付近は常にセキュリティーの人が巡回していたり、ポンツーンも毎日水で洗ってくれたりしていて本当に気持ちく滞在できたんですよね。長期で船を放置しておいても全く不安がありませんでした。ちなみにラバットにもクレーンがあって陸置きができます。
あまり日本人セーラーには知られていないのかもしれませんが、係留費の安さ、物価の安さに安全性を考えるとモロッコのラバットで越冬するのも悪くないじゃないかな、と思います。カナリア諸島に向かうにしても、ラバットまで南下してきてから行く方が夏の間がピークのオルカ攻撃エリアも避けることができますし。

何よりモロッコ滞在を心地よく過ごせたのはモロッコ人の優しいさと一方先を行くようなおもてなしの心。こちらがお願いする前に「〇〇しましょうか?」と手を差し伸べてもらった事が沢山ありました。そういう気遣いは日本人にはとても居心地がいいです。

ということで、11月26日、朝10時半にはブー・レグレグマリーナを出てカナリア諸島に向けて航海開始します。スターリンクは今回はアクティベイトしていませんが、イリジウムGOは発信していくので、以下のリンクをクリックしていただくとSATOMI号の居場所がわかりますよ。

この先数日間ブログの更新はありませんが、毎日位置確認でこのブログ記事に戻ってきていただき、SATOMI号の居場所を確認したら、ついでに「ペーパークラフト」ボタンもポチっとしていただくと、次に更新した時もブログが埋もれちゃわないと思うので、よろしくお願いいたします。


そしてこれが計画した航路です。


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